ミステリの部屋

ミステリの部屋

2007年01月23日
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館内のチェス盤からは殺人の度に駒が一つずつなくなって…。
不可能犯罪に込められた驚くべき思念とは。


初めて読む作家さんですが、この作品が「城」シリーズの三作目らしいことがわかりました。

読もうと思ったのは、私の「読みたい本リスト」にこの作品名があったから。
「読みたい本リスト」とは、友人に薦められたり、書評や紹介を見て面白そうだと思った作品をズラーっとメモしたものです。

これは本格テイストたっぷりの作品でした。
孤島にある奇妙な城に集められたのは探偵たち。
誰もが謎を解いて『アリス・ミラー』なるものを見つけ出そうとします。
チェスの駒が一つ一つなくなっていく、というところである作品が頭に浮かぶびますが、まさに期待される通りの展開を見せます。

現実感のない設定はよくあることで、それも嫌いではないのですが、この作品においてはどうにも説得力がなくて、なかなか入り込めませんでした。
まあ、それだからこそ苦手な残虐シーンも生々しく感じないという利点はありましたが。



そして最後まで読んだ結末は、想像していたものとは全く違っていました。
そして腹が立ちました。
またも、まんまと騙されてしまったからです。(またも、というのがヒントになっています。)
これは負けを認めましょう。(多少アンフェアな部分もあると言いたいけれど負け惜しみでしょうかw)

ただし、他にも腹の立つ事はありました。
動機。何ですか、これは。
もうあきれるしかありません。

え~、気を取り直して、面白かったポイントを。
中には、かなり個性的ですが、もっと登場して欲しいくらいのキャラクターもいました。
探偵たちによって交わされる、物理トリック談義というものも、なかなか面白かったです。
後で知りましたが、作者は「物理の北山」と呼ばれているそうです。


たとえば、窓端という名前。
『不思議の国のアリス』・帽子、と言うヒントでピンときますね!
これで私もトリックに加担してしまったのかもしれません。


 『アリス・ミラー城』殺人事件 : 北山猛邦











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最終更新日  2007年01月23日 19時28分23秒
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