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2007年09月24日

穢れしものに祝福を：デニス・レヘイン

(2)

テーマ：ミステリはお好き？(1649)

カテゴリ：海外ミステリ（ヤ・ラ・ワ行作家）

だが余命幾ばくもない大富豪トレヴァー・ストーンは、最愛の娘が失踪し、深い悲しみに暮れていた。
そして“当座”費用として五万ドル。私立探偵パトリックと相棒アンジーは依頼を引き受けた。
だが事件は予想外の展開を始める―謎のカルト集団、変わり果てたかつての師、そして男の運命を狂わせる美しき失踪者…。
真実は二人からあまりにも遠く、想像を絶する深淵にあった―。
大好評シリーズ第三弾。

パトリックとアンジーのハードボイルド・シリーズも３作目まできました。

前回の事件で身も心もぼろぼろになり苦痛と悲しみを味わった二人は、仕事をする気にもならず無為に過ごしていましたが、大富豪トレヴァー・ストーンは、そんな彼らを無理やり誘拐して仕事を依頼しようとします。

妻を失い、病で余命幾ばくも無い彼は、最愛の娘が失踪したので探してほしいというのです。
そんな乱暴なやり方に怒りを覚えながらも二人が依頼を引き受けようとしたのは、彼の中に自分たちと同じ絶望を見たからでした。

実は二人の前に依頼された探偵が行方知らずなっていました。それはパトリックに探偵技術を仕込んでくれた師ともいえる人物でした。

自家用ジェットでフロリダに向かう彼らは、娘を、探偵を見つけることができるのでしょうか……。

うさん臭いカルト教団や、ありえないような親子の確執なども絡んできたのち、事件は見たとおりではないと二人は考え始めます。
二人の洒脱な会話もこの作品の魅力だと思いますが、その時の会話に「羅生門」が出てくるとは思いませんでした。

最高の相棒であり、複雑でもあった二人の関係は、事件のたびに変わってきました。そこも重要なところなので、ぜひ順番に読むことをおすすめします。
大切なものをなくしてしまい血を流す彼らにも、今回はひとときの救いがあったと思います。

毎回登場する忠実な仲間にブッバがいます。彼はこれまでも容赦ない暴力を使って彼らをピンチから救ってきました。
その残酷さにどんな悪人も震え上がる、人間兵器のような、恐ろしいブッバですが、実は私は結構気に入っていることに気づきました。

次もブッバが出てきますように。

穢れしものに祝福を　：　デニス・レヘイン

　１作目・スコッチに涙を託して

　２作目・闇よ、我が手を取りたまえ

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最終更新日 2007年09月25日 23時21分06秒
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■コメント

レヘイン

シオン525 さん

読まれたんですね。。パトリック＆アンジーは、好きなんですが、暗すぎて、やりきれない思いが残る話が多くて悲しいです。気がめいってるときには、読めません。作品としては素晴らしいんですが。。 (2007年09月27日 19時04分58秒)

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Re:レヘイン(09/24)

samiado さん

シオン525さん、こんばんは！

＞読まれたんですね。。パトリック＆アンジーは、好きなんですが、暗すぎて、やりきれない思いが残る話が多くて悲しいです。気がめいってるときには、読めません。作品としては素晴らしいんですが。。

太刀打ちできないような悪に立ち向かって行って、ズタズタに傷つく彼らの痛みが伝わってきてつらいです。それでもこの二人だから何とかやっていけるのでしょうね。二人の関係がこれからいい方向にいってくれますように……。 (2007年09月28日 18時33分09秒)

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