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2009年05月29日

儚い羊たちの祝宴：米澤穂信

(4)

テーマ：ミステリはお好き？(1498)

カテゴリ：日本ミステリ（や・ら・わ行作家）

中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。
本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。
古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。
（「BOOK」データベースより）

身内に不幸がありまして／北の館の罪人／山荘秘聞／玉野五十鈴の誉れ／儚い羊たちの晩餐

あらすじにさからうようですが、「ラスト一行で落ちる」という表現は、勘違いを誘います。
「ラスト一行で決まる」と言った方が、間違った方向の期待をしないのではないかと思います。

旧家のお嬢様や使用人が出てくる、私の好みの時代の話。
言葉も丁寧語で、しっとりとした雰囲気です。

「バベルの会」という、大学の読書サークルがキーワードとなって、全体をつないでいます。

内容はブラックです。私はあまり得意ではない分野だと思っていましたが、米澤さんの、静かで行儀のいいブラックさは大丈夫でした。

「山荘秘聞」には、見事に騙されました。
「玉野五十鈴の誉れ」に背筋が寒くなりながらも、絶賛する自分がいました。私にもしっかり暗黒な面があったのです。

最後の「儚い羊たちの晩餐」がいちばん怖いかもしれません。

自分が「儚い夢想家の羊」となれば、はっきりわかるのでしょう。

ひたひたと忍び寄る静かな狂気に、酔ってしまえれば幸せ。

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最終更新日 2009年05月30日 00時17分31秒
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■コメント

Re:儚い羊たちの祝宴：米澤穂信(05/29)

茨木　月季さん

こんばんは！

「身内に不幸がありまして」ちょっと本が読めなくなりました……音楽ばかり聞いてます。

　阿修羅様にお会いしに行った時に観た画像石が羊で解説に(漢時代の墓の装飾にはしばしば羊が登場する。古代中国では羊という文字は、吉祥の「祥」と通じ「めでたい」と言う意味を持つものとされた。また、羊の文字は、発音が陰陽の文字にも通じ「死からの再生」「子孫繁栄」に繋がるとも考えられた。）というのを読んだ時にこの本をすぐに思い浮かべてしまいました。
　自分は苦手でしたが、ちょっとオタクな家人はとても気に入り「欲しい～！」と叫んでおりました。
(2009年05月30日 00時59分40秒)

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Re:儚い羊たちの祝宴：米澤穂信(05/29)

ＴＯＭＯともさん

まだ読んだことのない作家さんです(*^^*)

内容が「ブラック」

この時点で読みたい本リストに加えたいです（笑）

＞ひたひたと忍び寄る静かな狂気

（≧∀≦）

わくわくしてきましたよぉ（*￣▽￣*） (2009年05月30日 22時24分40秒)

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Re[1]:儚い羊たちの祝宴：米澤穂信(05/29)

samiado さん

茨木　月季さん、こんばんは！
ご愁傷様です。
いつか時が過ぎて、月季さんが心安らかにすごせますように。

文字の持つ発音により、ほかの意味に通じる、というのは、民俗学でも聴いたことがあるように思います。羊には、最後に出てくる羊のようにぞっとするものもあるかと思えば、おめでたい意味を持つこともあるのですね。 (2009年05月31日 00時27分04秒)

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Re[1]:儚い羊たちの祝宴：米澤穂信(05/29)

samiado さん

ＴＯＭＯともさん
＞まだ読んだことのない作家さんです(*^^*)
＞
＞内容が「ブラック」
＞
＞この時点で読みたい本リストに加えたいです（笑）

米澤さんは、ライトノベルからミステリへとやってこられた方ですが、『ボトルネック』（長編）とこの作品は、明らかに黒米澤です。( °o°)

＞＞ひたひたと忍び寄る静かな狂気
＞
＞
＞（≧∀≦）
＞
＞わくわくしてきましたよぉ（*￣▽￣*）

ＴＯＭＯともさんは、ブラック系がお好きですよね(^-^ ) 凝り性で、端正で、おしゃれな米澤さんのブラックはいかがでしょうか？一度読んでみてくださいね♪ (2009年05月31日 00時37分52秒)

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