海の散歩道

【死別】




【死別】


意外にも早く

母との永遠の別れがやってきてしまった





あたしが小5のとき

学校に1本の電話

授業中、職員室に呼ばれた

先生から電話の内容を事前に説明された



電話の主は母の妹

あたしもよくしてもらった人だった



でも電話に出たことがバレた後の父が怖くて

あたしは電話には出なかった



その夜、自宅の電話が鳴った

継母が電話に出た

怪訝な顔をしたまま父に代わった

父は電話口で怒鳴っていた

『お前んとことは、もう縁は切ったろ~もんがっ!!』

母の妹が今度は家に電話をかけてきたのだ





電話を切った父が口を開いた

『お前達の産みの母親が死んだって』

父はあっさりと最愛の母の死を告げた

と、次に口にしたのは信じられない言葉

『母さん(継母)に赤ちゃんができたから』

父は自分の子供に対して

母の死と継母の妊娠を告げた



それを聞いてどう反応したかは覚えていない




結局あたしと兄は母のお葬式への参列さえも許されなかった






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