サラサラ日記

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2007.01.05

同窓会。

(16)

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高校の、卒後○周年記念です。
毎年の恒例伝統行事だそうな。知らなかったけど。

今に負けず劣らず人付き合いをしない高校時代でしたが
同窓会のお誘いがあったのが
ちょうど、ツンちゃんの入院中の煮詰まっていた時期でした。
渡りに舟（？）とばかりに二つ返事で「参加します！」

いざ、会場に到着してエレベーターを降りてみると
１４０名から１５０名ほどの男女が入り乱れて

紛れもなく同級生であるはずなのに見覚えのない顔に一斉に見つめられて
一瞬で固まってことは言うまでもありません。

背中を丸めて、伏し目がちにしながら（だから誰も見てないって）
どうにか自分のクラスと思しき受付へと駆け寄り
電話で３度連絡を取ったにも関わらず
結局ただの一度も声を聞くことが出来なかった幹事の彼女に
顔をグイッと近づけてみました（彼女は高校時代と寸分違わぬ容姿でした）
彼女もしばし、固まっています（そりゃそうだ）
仕方なく、旧姓を名乗りましたら「・・だよね！」
・・・・・　う、嘘つけーっ、わからなかっただろぅ！今。
という心の声はひた隠しにして、名札を受け取ります。

担任も来ていました。
割に、お気に入りの部類に入れてもらっていたと自負していた私は
また性懲りもなく、ずいいぃぃ～っと担任の顔の前に近づきました。
「おぉ！」と感嘆の声を上げる先生。わははやはりな。
にんまりしかけた私の目に映ったのは

まぁしょうがないか。○年ぶりだしさ。

会場の中に入っても
結局、誰もみな名札と顔を見合わせるの繰り返し。
ひと目で分かる人もいれば、首を９０度に捻りたくなる人もあり。
その分かりやすさと分からなさ加減でまた盛り上がり。

同じ土俵の上にいたはずのあの頃は喋る気も起こらなかった人なのに
それぞれ違う立場に立つようになった今の方が喋りやすいのはなぜだろう。
かいつまんで話す○年間は相手ごとにかいつまむところが自然と変わって
それもまた面白い。
職業や、主婦という立場や、親という立場など
相手との共通点に合わせて会話を自然とスライドさせている。

忘れっぽい私に代わって私の高校時代をどんどん思い出して
話してくれる友達もいて、しかもその思い出を私自身はすっかり忘れている。
「そうだっけ？　そんなことあったっけ？　ねぇねぇ・・・」
とまたさらにもう一人別の友達に確かめて・・・と輪を広げていく。

そのうち、こういう場では決まってそうなるように
私は自然と一人ぽつねん・・・・・と残されていた。
皆、賑やかに、あちこちで話の輪をつくってる。笑ってる。盛り上がってる。
彼らを遠くの世界（テーブルです）から静かに眺めてる私。
この「波に乗れなさ」は昔から変わらない。
と、向かいに幹事の彼女が同じくぽつねん・・・と座って食べに走ってる。
同じ匂いだ。同じ匂いがする。
ちょっと迷って席を立ち、彼女の隣の空いた席に座って話をした。
たわいもない話だ。
すぐに終わる話だ。
ほらやはりすぐ終わった。
どうする？私たち（笑）
そうこうしてるとまた違う人が声をかけてきた。
その昔は、この「ぽつねん」が、ものすごく堪えた。
今は、次の波をのんびり待てる。
・・・・５ｍｍほど、大人になってる（笑）

出席者は全部で１４０～１５０名ほどだったらしい。
全部で４５０～４６０名ほどいるはずなので
出席率はいいとは言えないかもしれないが
全国各地に点々と、連絡先もわからないままにいる人を
一人一人あたってくれた幹事の苦労を思うと
かなり上出来なのではないかなぁ・・・と思った。

同窓会には、幸せそうな、順調そうな、そんな人ばかりが
来ている様に見えた。明るく輝く笑顔で心も弾んでる。
そう思ってみてたけど、一人一人と話をしてみると、そうでもない。
やはり何か一つは苦しいものや重いもの、痛いものを抱えてる。
でもそんな話は深刻に、長々と打ち明けたりしない（時間もないし）
「かいつまんで」こぼしあい、深いところを想いながらも
大げさになりすぎないように、最後は笑い飛ばしちゃう、そんな短い再会。
一瞬で、はじけ飛ぶような。

自分で思ってるような、そんな大層な人間じゃなかったんだな、と
帰り道にやっとわかった高校時代の私のこと。
「みんなの中の小さな自分」を再発見・再確認できた、いい夜だった。

私は、雑草だった。
ちゃんと名前があっても、やがて忘れ去られる、一つの雑草だった。
雑草だったことを、思い知らされて
そこから高い空を見上げ、清清しい気分になった。
軽い心。

雑草は、しぶとく、たくましく
今も　ここに　生きています。

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