2004年10月23日
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カテゴリ: 文学的なあれこれ

3心の闇を吹き飛ばせ
ETVスペシャル 再放送予定10/31過ぎ深夜
番組紹介(第67回)
 一月十日にやっていた番組の再構成らしい→ そのときのある日記

1 群れ

<三沢直子(描画テストの)>
 幼いときの万能感をもったまま、それを傷つけられるのを恐れて、人との関わりに引っ込む人が増えているんじゃないか。
 だから機械(ネット)漬けの生活というのは、そのやり取り内容だけじゃなくて、「現実・非現実」、「万能感」の問題を含んでるんじゃないかと思うんですけどね。

万能感というのは、文明の欲求方向だ。それは『夢』の価値観そのもの。現代社会がそうだ。

 また、幼い万能感と、反抗期とどう見分けるのかが問題だ。
 たとえば、大人に平等の態度を求めるのは、理不尽なものに抑圧されていると、その経験は相互作用としての経験でないので、自分が積んでいく経験の中に加えることができないからだろう。


実施例
保育園 茨城県
0~5歳 90人

4年前の描画テストで不安定の子のサンプルとされたのは、ここの子の絵。 

 忙しい母親にかまってもらえない。
 保育園が終わると塾に通っている子は、休みたいストレス。
 はさみをもってて、誤って・・友達の耳を切ってしまったり、椅子をふりあげて投げようとしたり、・・おとなしくやってたなと思うと、なにかできないことがあるときイライラして、切れる。 はさみを投げたりとか。

 保育園の対応法
 ストレスを越える強い心を、子供同士の接触で育てていこう。
 保育師はできるだけ口出しを控え、見守るように。
 年齢ごとに分けていたのをやめ、年の違う子をいっしょに。
 子供自身が周りとの関係を築いていくのを気長に待つ。

 3ヶ月後、年上の子が年下の子の面倒を見る姿がよく見られるようになった。保育士が指示したわけではなく(親は知らないが)、自分から進んで。
 ちょっとしたことで起きていた激しいけんかが減り、いわゆる切れる子供が見られなくなった。

 保育士の解釈は、「子供同士もまれているうちに、感情の処理やストレスの対処のし方が少しづつうまくなってきた」

「もう5、6年前は片付けがいつできるんだろうと一生懸命夢中になって話してたのに、今そんなこと話題にもならなくなっちゃったんですね。」

 感情の調整ができなかったのに、そういうことでできるようになったというのは、「ほどほどを教え込まれるよりも、真剣な他人に衝突したりすることでほどほどの調整ができるようになる」、ということだな。
 (ネットのルール云々にも似ている。)


学説

<澤口俊之  脳科学者 北海道大学>
 群れ遊びと心の発達
 子供のときにたくさんの人間関係を築いていくことが大切だ。


 他人と遊んだり、他人の考えていることを読むことが、前頭連合野を活発化する。人間関係の広がり深めることが脳を発達させる。
 前頭連合野は社会生活のために進化して来たので、子供は遊ばせればよろしい。人間関係の多様さの中で。

<三沢> 赤ん坊のときは母親との関係でいいけども、歩けるようになってからは母親だけじゃなくって多様な人間関係の中にいることって、とっても大事だったんじゃないか。

<澤口> 前頭連合野の発達のピークは、欧米の場合で10~12歳。その後はなまる。だからそれ以前にちゃんと発達させるべき。
 相手の気持ちをわかる能力というのも、8~9歳までに育てないといけない。(小学2~4年生) そのためには、社会的関係を与える。成功や失敗の経験を通して。

<三沢> 遊ぶのは、お父さんとのほうが好きらしいですね。

<澤口> 本来、子供は必要な関係を自分から求める。そして、関係を求めて働きかけて、自分にフィードバックして→繰り返し。
 すると、小さい子は基本的に大人にちょっかいかけたがっているということか。

 ところがその環境がない。

<三沢>  アフリカの諺に、「子供が一人育つためには、村中の人が必要」

<澤口>  いい言葉。
 ある中学校で、幼稚園の子の面倒を見させているうちによくなった。脳は変わるから。


<山崎隆夫 小山代小学校教師 品川区>
 今の子は、群れ遊びの密度が、昔と大きく違うんじゃないですか。
 90年代から子供が子供らしく支えられてないな、と思う。

 90年代半ば、授業が難しいほど荒れた。
 教室の隅に閉じこもったり、運動場の真中に座り込んだりする子が90年代ごろから出てきた。
 教師や保育士にも「くそばばあ」などすごく攻撃的な言葉をぶつけてくる。何かがうまくいかないと「死んでやる」とか。

 考えてみると、聞きとってやったときが、その子の回復したときだ。
 どうしようもなさを内に閉じ込めている子が多い。
 悪い事をしたときの行為とは別に、それを下手な表現として受け取る面も必要で、表現を与えなおすことが必要。

 光と陰の感情を合わせた経験を重ねることで子供は育つ。
 子供の変化を否定的に決め付けるのはやめにした。

実施例
小学3年生クラス

1 朝の始業前5分間、生徒達といっしょに群れて遊ぶ。アコーディオンを使って、群れの中心になる。
 群れて遊びたいけど、中に入るのが怖いという子が生まれている。その子などを引き入れるために意図的に、また体を使わせるように遊んでいる。

 遊ぶことで授業の落ち着きが出る。
 休み時間でも一緒に遊ぶことで、クラスのまとまりを出す。

2 朝の会
 クラス全員がみんなの前で話をする。みんなにちゃんと聞かせるように導く。
 ちゃんと聞くことが、子のプライドを守る。 問題を抱える子が、自分から発言するのがその子自身の問題。発言を待って、聞き取ってやる。

 瞬間怒って、同級生をやたら叩く子がいた。・・体が小さい分、けんかっ早いようだ。そういうことはあってもふつうかも。
 90年代というのは、親が60年代終わり以後の生まれ――つまり、田舎の人間が都会に出て生まれた親たち。90年代とは、現代都市人間の子育ての始まった頃、になる。


2 子供たちとインターネット

渋井哲也 ジャーナリスト
 小学生にとっては、ネットは学校の延長の会話。友達とずっとつながっていられる感覚。
 ネットで打ち明け話をしたりするのは、周囲が話を聞く寛容さが、減っているのかもしれない。
 癒し合いの場。


アメリカの例
 インターネットいじめ
  根も葉もないうわさを流す。
  学校側は、知らんふり。結局転校。

<ジェーン・ハーリー 心理学者>
 インターネットによるいじめは、直接人格を攻撃してくるので、暴力以上の傷を残す。
 相手がわからないことで、恐怖が増す。
 早急に、大人が対策を講じる必要がある。

<渋井>
 文字だけでは誤解を生じやすい。確認をせずに進みやすい。
 親も、その世界を覗いておくべきだ。

3子供たちとどう向き合うか
 対談
 宮台真司  (社会学者)   藤原和博 中学校長   

テーマ1 なぜ不安になるのか
<宮台>
 大人が子供を見とおせないのに、わかりたがるから。
 わからない不安は大人の問題。
 あらゆる話題がわからない。若い同士でも話題もその位置付けもわからない。

 80年代日本は大きく変わった。
 郊外化→個室化。
 テレビ、電話子機、コンビニ、ワンルームマンションブーム、=単身者に便利で、家族が個室で暮らせるようになった。外で働ける人も増えた。→90年代では個食化。 

 ストリートの子供たちも感受性は昔と変わらないが、仲間がひどく小さくなってるので、日常が旅になってる。旅先での外見は気にしないので、はたからは変なことやってるように見える。

テーマ2 大人に何ができるのか
<藤原>
 欧米なら、宗教・家庭・地域などがやりそうなことを、日本は全部学校に頼っていて、機能がふさがれている。
 塾や学童保育所には、「斜めの関係」がある。

<宮台>
 最近の重大な少年犯罪は、母親がうるさかったと言われるケースが目立っている。
 そこで、世論は親の責任を追及して・・・悪循環。

 こういう変な思考で、みんなが学校に期待すると、子供がバランスの崩れた人間関係の中に囲い込まれて、学校に適応すると社会に適応できない―――たとえば、アダルトチルドレン、精神健康系。

 子供に必要なのは、いつも異質さと触れる「目からうろこ」の経験。
 親・学校・地域が一体になるなんてのは危険。異質さへの寛容が、本来の共同体。
 異質さの中でコミュニケーションできるように育てる必要がある。


<三沢>
 人との関わり方を土台から学ぶことが必要なんじゃないか。

 それが、子供からでいいのか、親からが必要なのか--私は親からだと思う。
 すでに、親の世代から、核家族・夫婦分業・母子カプセル・勉強漬けの中で、あまり人と関わる機会がないまま大人になった人たちで、そこから必要かなと思うんですが。

 だから、井戸端会議っていうのは大事だった。それをなんとか再生したい。 
 それには自然のままでは難しいから、いろんなしかけを作ってかなきゃいけない。

<山崎隆夫> 
 学校に、もっと親や地域の大人を入れて、互いに目を広げて触れ合ってもらうようにしたい。





 再放送予定 10/31 日曜深夜 午前2時21分~3時51分 総合テレビ

 11/6。シリーズの続きを放送する予定らしい。



「佐世保小6HP殺人」私的総目次
子供問題








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最終更新日  2004年10月31日 15時25分50秒コメント(0) | コメントを書く
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