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エデンの南

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December 15, 2004

ジョルジュ・バタイユ『文学と悪』●エミリ・ブロンテ●

(11)

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(100238)

カテゴリ：読書

日テレで漸く1曲通して見た マツケンサンバ が頭から離れない今日１日でした。(笑)

それはともかく、バタイユの『文学と悪』を読了しました。
バタイユ作品と言うと、特に『眼球譚』は、あらゆる変態エロ小説の中でも、私が最も好きな小説なのでありますが、

眼球譚初稿( 著者：ジョルジュ・バタイユ / 生田耕作 | 出版社：河出書房新社 )

他の小説も大好きなんですが、バタイユの哲学系、論文系は、おばかな私の頭では、とてもとても難しくて…脳味噌疲れてもうイヤ! て感じなのだけど、この『文学と悪』もその系統かと恐れおののきつつ…タイトルと、とりあげている作家陣 (エミリ・ブロンテ、ボードレール、ミシュレ、ウィリアム・ブレイク、サド、プルースト、カフカ、ジュネ) に惹かれて読んでみました。
まあ、『エロティシズム』みたいに全部が全部むずかすぃ～て訳でもなく、そーゆー部分はありましたが、わりに楽しく読めました。特にサドの所は特別おもろい!!

※ちなみに、<悪>だとか<死><暴力>等々について、深く考えるのが趣旨みたいな物なんですが、そこからしてめんどくさいこの頃なので(^^;) まるで理解もしてなきゃーとんちんかんな感想文になってる事と思います。

●エミリ・ブロンテ●

(本文より)

『嵐が丘』

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母親ははやくに死に、厳格な父親によって、禁欲的な生涯を終えたらしいエミリ・ブロンテ。30歳と言うのはあまりにも短いですね。
圧迫された性から迸り溢れたありあまるエネルギーが作品となったのでしょうか？
そうした環境から、自らを傷つけずにはいられない感情が生まれるのは、解るような気がします。

冒頭に上げた引用文を見ると、私なんぞはヘッセの『デミアン』のマックス・デミアンの言葉を思い出します。

「人々はカインの子どもたちに恐れをいだいていた。そこでカインの子どもたちは<しるし>を持っているということになった。それで人々はそのしるしを本来のもの、すなわち表彰だと説明しないで、反対なものだと説明した。このしるしを持っている連中は無気味だと、人々は言った。実際そのとおりだった。勇気と特色を持っている人々はほかの人々にとって常にすこぶる無気味なものだ。恐れを知らぬ無気味なものの一族がそこらをうろついているのは、非情にぐあいがわるい。そこで人々は、その一族に対し復習し、受けた恐怖に対し少しばかり埋め合わせをするため、あだ名と作り話を一族にくっつけたのさ。」(前後略)

ジャック・ブロンデルと言う人がこう言っています。

<<「キャサリンとヒースクリッフとの生涯のあいだ、彼等の諸感情は少年時代に固定されたままになっている」ことに注意しなければならない。>>

<子どもっぽさ>とか<暴力><死><情熱>は、この本の全体的なキーワードになってる気がします。
次の本文など。

<<あたらしい個体存在が生れてくる瞬間とは、消え去りゆくものたちの死を前提とするものなのだ。-中略- 生殖と死があるからこそ、生の不滅の復活があり、つねにあらたな瞬間があることになる。>>

<<死が生の条件であるからには、本質的に死と結びついている悪もまた、両義的な意味でだが、存在の基礎にほかならないことになる>>

バタイユ曰く「特権的な呪いの対象であったように見える」エミリ・ブロンテ。『嵐が丘』は読んでおかねば。

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Last updated December 16, 2004 11:14:54 PM
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■コメント

Re:ジョルジュ・バタイユ『文学と悪』●エミリ・ブロンテ●(12/15)

哲０７０１さん

「嵐が丘」についてですが、
トリュフォーは「恋のエチュード」は自分なりの
「嵐が丘」の映画化だと言っております。
あの姉妹はブロンテ姉妹という意味もあるそうです。 (December 17, 2004 12:38:53 AM)

返事を書く

Re[1]:ジョルジュ・バタイユ『文学と悪』●エミリ・ブロンテ●(12/15)

SEAL OF CAIN さん

哲０７０１さん
＞「嵐が丘」についてですが、
＞トリュフォーは「恋のエチュード」は自分なりの
＞「嵐が丘」の映画化だと言っております。
＞あの姉妹はブロンテ姉妹という意味もあるそうです。

ありがとうございます!
「恋のエチュード」未観でした。これは是非とも見なければ! その前に「嵐が丘」を読まないと。

毎日のように課題がどんどん増えていく今日この頃です。(^^;)
今回これ読んでからも、読みたい本がどっと増えてもーたっす。 (December 18, 2004 02:44:20 AM)

返事を書く

ワタシも「嵐が丘」読んでみようっと

ヨウヨウさん

新着からサクサク逆行してここに来ちゃった～こんにちは。ラインナップがいいですね。ちょっとした文学の画廊ですネ（ヘンな言い方！）。

バタイユは名前しか知らない～。未読です。
シュル・レアリスムに本当に興味を持ったのが遅咲きの大学の頃だったのでそれで名前だけは知ってます。
あと当時のＢＦが仏文で卒論がバタイユだった～。。。カインさんの記事も面白いしいつかは通らねばならない道かもーと思いﾏｼﾀ。（コドモがもう少し大きくなって外に遊びに行ってくれないかな～）

ところでヘッセの「デミアン」。
懐かしい大好きな小説ﾃﾞｼﾀ！これは高校のときに読んだのでよかったと思いマス・・・また読もうかな。というか、もすこし若いときに本読んどけ、自分！って思いますネ・・・（涙）

＞<子どもっぽさ>とか<暴力><死><情熱>

少年・または少女というのは永遠に遠い不思議な存在ですね。かつては誰もがそうで、でも生前の記憶のように忘れていく。
コクトーの「恐るべき子供たち」も似たようなイメージが・・・。純粋で幼い心を持ち続け、その純粋さゆえに滅びていく・・・

前のほかの記事でも印象的なところがたくさんあったのだけれど、ワタシの感想ばっかり書いても失礼かも～と思って・・・。じゃ！また！
（こんな前のとこに書いても失礼だったかも。ごめんなさい。） (December 21, 2004 02:29:20 PM)

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Re:ワタシも「嵐が丘」読んでみようっと(12/15)

SEAL OF CAIN さん

ヨウヨウさん
＞ラインナップがいいですね。ちょっとした文学の画廊ですネ（ヘンな言い方！）。

ですよね～～～!!
文学の画廊ってうまい!

＞バタイユは名前しか知らない～。未読です。
＞シュル・レアリスムに本当に興味を持ったのが遅咲きの大学の頃だったのでそれで名前だけは知ってます。
＞あと当時のＢＦが仏文で卒論がバタイユだった～。。。

お～!
ヨウヨウさんにはバタイユお薦めしちゃいます。趣味似てる気がするんで(^^;) 多分気に入られるんじゃないかと。

＞カインさんの記事も面白いし

またまたうれすぃ～じゃああーりませんか。ありがとうございます。

＞ところでヘッセの「デミアン」。
＞懐かしい大好きな小説ﾃﾞｼﾀ！これは高校のときに読んだのでよかったと思いマス・・・

「デミアン」はほんとに自分にとって重要な小説なんですよん。HNの由来がまさにコレ。

＞＞<子どもっぽさ>とか<暴力><死><情熱>
＞
＞少年・または少女というのは永遠に遠い不思議な存在ですね。かつては誰もがそうで、でも生前の記憶のように忘れていく。
＞コクトーの「恐るべき子供たち」も似たようなイメージが・・・。純粋で幼い心を持ち続け、その純粋さゆえに滅びていく・・・

「恐るべき子供たち」好きです。
この前観た駄作(笑)「ドリーマーズ」も、この映画を彷佛される所がありました。
http://plaza.rakuten.co.jp/sealofc/diary/200412010000/

＞前のほかの記事でも印象的なところがたくさんあったのだけれど、ワタシの感想ばっかり書いても失礼かも～と思って・・・。じゃ！また！
＞（こんな前のとこに書いても失礼だったかも。ごめんなさい。）

是非是非遠慮せずにどんどんがんがん書いてください!
私の所コメント少ないからさびしんですよ～。
過去の記事でも大歓迎です～。てか読んでくれて嬉しっす!(^^) (December 21, 2004 06:53:40 PM)

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う～またもや訂正orz

SEAL OF CAIN さん

＞この映画を彷佛される所が

→彷佛させる所が

です・・・HTMLは使えないのね。リンクも貼れないしなあ。メアドとか自分のHPのURLとか入れる欄もほしいよねえ。 (December 21, 2004 06:56:13 PM)

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まいど

pong_tron さん

バタイユですか。
私はバタイユといえば”マダム・エドワルダ”を途中でやめた思い出があります。バタイユを知らず、ただただフランスの作家の本を読み漁っていたときの話で、このような内容だったとはと、読んでいる自分が妙に恥ずかしくなり途中でやめたのです。
私の（タイトルだけ）知っているバタイユは、”眼球譚”、”死者”、エロティシズムに関する逆説”、などがありますね。

このような作家についての本を書いていたとは知りませんでした。せめて何かひとつだけでもバタイユを読破していればよかったな～といまさらながら感じています。 (September 25, 2005 08:56:53 PM)

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Re:まいど(12/15)

SEAL OF CAIN さん

pong_tronさん
私は10代後半に、知り合いだった映像作家やってるオッサンとエロティシズムとか吸血鬼について語って盛り上がっていたら(すでに澁澤は読んでいた)、そのオッサンがバタイユの「眼球譚」とか、マゾッホとかＯ嬢とか、芸術的エロ文学をいろいろと貸してくれたのがキッカケで、「眼球譚」はとにかくキョーレツに衝撃的でした。
サドなんかは、わりにかったるい所もあったりするんですが、バタイユはぐいぐい読めちゃいましたよ。と言ってもお薦めしていいものかどーか、びみょ～ですが。(^^;) 今からでもいかがですか？

こーゆー過去の日記にコメントがつくのは、再び読み直してみたりして楽しいです♪ ありがとうございます(^^) (September 25, 2005 11:01:58 PM)

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来てみました。

Gish さん

バタイユ、難しぃ。「特権的な呪いの対象であったように見える」エミリ・ブロンテ？
嵐が丘は中学生の頃に初めて読んで以来、数回読んだけど自分は本当に理解してるのだろうか？エミリはヨークシャーの荒野を愛し、愛犬と何時間も散歩をしていたという。彼女の育った風土も関係あるかもしれないですねー。 (February 24, 2007 02:00:33 AM)

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Re:来てみました。(12/15)

SEAL OF CAIN さん

Gishさん
過去の日記をこうして読んでもらえるのってすんごいうれちいよー。ありがと～～！

＞バタイユ、難しぃ。「特権的な呪いの対象であったように見える」エミリ・ブロンテ？

きゃはは！自分で引用しといて、えらい難しくてよくわからんです～(爆)
デパスでボーッとした頭では特にわからず。いやはやむずかすぃ～

＞嵐が丘は中学生の頃に初めて読んで以来、数回読んだけど自分は本当に理解してるのだろうか？エミリはヨークシャーの荒野を愛し、愛犬と何時間も散歩をしていたという。彼女の育った風土も関係あるかもしれないですねー。

うんうん。土地への愛とかね。
しかし中学生で読んだとはうらやましいのう。

ところで、青字引用部分、これが私のハンドルネームの由来だったりします。 (February 24, 2007 02:19:39 AM)

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SEAL OF CAINさん

Ｇｉｓｈさん

＞ところで、青字引用部分、これが私のハンドルネームの由来だったりします。

おお！カインとアベルからとは思っていたが、こっからでしたか！デミアン、学生の頃、読んで共感したのを覚えてます。よく薦められる「車輪の下」よりよかった。思えば昔の方がよく本を読んでいた…。しかも頭に入ってきていた…。
(February 26, 2007 03:31:13 AM)

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Re:SEAL OF CAINさん(12/15)

SEAL OF CAIN さん

Ｇｉｓｈさん
＞おお！カインとアベルからとは思っていたが、こっからでしたか！

そーなのよん。コレ読んだ時は衝撃で、私にとってすんごい大切な小説ですっっ。

＞デミアン、学生の頃、読んで共感したのを覚えてます。よく薦められる「車輪の下」よりよかった。

ねー。私は「車輪の下」を最初に読んだから、他の作品読むの遅くなったんだよなー。
「デミアン」「荒野のおおかみ」あたり最高です！「メルヒェン」とかも大好き！ (February 26, 2007 06:42:40 PM)

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SEAL OF CAIN

アンチ・ハリウッド的、ベストセラー無視、サブカル好きのマニアックな傾向のブログです。 2019年に札幌に移住しました。そして2020年、しばらく離れていましたが、またこちらのブログに復帰しようと思います。主に読書・映画関連はこちらのブログに書く予定です。「吉乃黄櫻」名で音楽活動しています。そちらもよろしくデス。

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