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November 1, 2007

立花隆『解読「地獄の黙示録」』その２

(2)

テーマ：映画大好き！ﾃｰﾏに入らない日記～＊(1244)

カテゴリ：読書

◆七六年九月八日
「今朝、フランシスは四時に起きて、書斎へ下りると脚本の随筆を始めた。六時ごろになると寝室へ上がってきて、わたしを起こした。脚本の結末を書けずにいた理由が、たったいま分かったと言うのだ。もう一年以上もの間、さまざまな結末を考えては、うまく書けずに苦労していた。それが、そんな簡単な話ではないというのに、やっと気づいたのだという。アメリカがベトナムに行った明快な理由がないのと同じことだと。いろんな方向に脚本を進めようとするたびに、彼は脚本の根底を揺るがすような矛盾に突き当たった。それは、この戦争そのものが矛盾に満ちていたからにほかならない。人間には、矛盾がつきものだ。

ラストシーンにはそうとう苦しんだみたいでして、それだけに見事な凄いラストシーンが出来ちゃいましたね。
そして、町田智浩氏に「蛇足」だと言われてしまったフレンチ・プランテーションのシーンについてです。( こちらをご参照に)

　オリジナル版では、最終章は、もっぱら現実を離れて神話化された世界に入りこんでしまっていったが、完全版では、リアルな歴史的事実をちょっとだけ導入することによって、神話的に語られることが、実は、同時代の現実とわかちがたく結びついていることを示している。
　フレンチ・プランテーションの晩餐の食事で長々と語られるインドシナ戦争中のフランスの政治談義も、何やらつまらぬ古くさい話と思われるかもしれないが、あれはフランスのあの時代に仮託されて語られた、六八、九あたりのアメリカ国内における保守派とベトナム反戦派の間の議論と思ってよい。あそこでも、映画は遠い歴史を語っているようでいて、強い同時代性の表現となっている。

そうなんです！！特別完全版で付け足されたシーンは、どれも強く印象に残っています。普通は「蛇足」な事が多いノーカット版、この映画だけは絶対違うでしょう！！

　なんといっても、大きくふやされたのは、フレンチ・プランテーションの場面だ。オリジナル版では、こんな大きなまとまりのある場面を、丸ごと切り捨てていたということそれ自体が大きな驚きだ。

ねーーー！全く同感ですっっ！誰もがこう思うのではないかと思ったですよ。
字数制限にひっかからなければ、次回で終わりです。

『地獄の黙示録特別完全版』*２周年でした～
<映画の見方> がわかる本　その５◆地獄の黙示録◆
『フリッカー、あるいは映画の魔』

＊中日日本一おめでとう！！
中村ノリは地獄から天国ですよね！まさに河合隼雄さん美輪さんの「正負の法則」ですよね！
それにしても見ている方も緊張してもーた、すんごい試合～～９回にパーフェクトピッチングの山井が替えられちゃってドテッでしたが・・・(かなり文句言ってますた・・・<(_ _)>)
星野監督が果たせなかった奥さんと約束した夢を、落合監督がやってくれましたぜ！
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Last updated November 1, 2007 11:32:08 PM
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SEAL OF CAIN

アンチ・ハリウッド的、ベストセラー無視、サブカル好きのマニアックな傾向のブログです。 2019年に札幌に移住しました。そして2020年、しばらく離れていましたが、またこちらのブログに復帰しようと思います。主に読書・映画関連はこちらのブログに書く予定です。「吉乃黄櫻」名で音楽活動しています。そちらもよろしくデス。

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