せび邸

せび邸

2004.09.28
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カテゴリ: 映画
この数年、あまり監督名を意識しないようにして見てるんですが、そうと気づかないうちに、特定の監督の作品を何本も見てることがあります。

このうちM・ナイト・シャマランの作品は、作品世界に入り込んで楽しむ作品ではなくて、もう少し上空の視点から、物語を語る楽しさを満喫する映画なんだと思います。そこで何が語られているかということよりも、どう語るかというところに、シャマランの関心はあるようです。良し悪しの判断は停止させたまま言いますが、彼の物語は驚かせるための装置であり、語られる内容に意味や精度を求めてはいけないような気がします。 
以下、ネタバレ多少入ってます。


この作品には途中で1度、最後にもう1度、どんでん返しといえるような事実が明かされます。作品の舞台になる村の謎を2段階で明かす仕組みです。
1度目のどんでん返しは、それまで語られてきたストーリーをぶち壊し、見るものを宙吊りにするためにあります。
この宙吊りの印象は、ヒッチコックの「サイコ」を見てるとき、冒頭から登場していた女性が途中で殺されてしまうのを見たときに感じる気持ちに似ています。話の流れが完全に断たれ、この先いったい何が起こるのか想像もつかないような状態です。
その状態から最後のどんでん返しにいたるまでは、美しい獣のような表情をした盲目のヒロインが、恋人を救うために禁断の森をたったひとりで抜けていきます。このエピソードの美しさ、力強さは、見ごたえがありました。


もうひとつのどんでん返しは、それまで見てきた出来事が指し示す意味を、完全に書き換えます。この点が、「6センス」や「アンブレイカブル」のどんでん返しより、一歩踏み込んでいたところではないでしょうか。この2作のどんでん返しでは、意外だが腑に落ちる事実が暴露されていたにすぎませんでしたから。。



村の指導者役がウィリアム・ハートなのも大きな意味を持って感じられました。「アルタード・ステーツ」、「白いドレスの女」、「再会の時」、「偶然の旅行者」などで彼が演じて見せてきた独特の主題(ときとして理解不能な風変わりな屈折)が、この作品の底にも流れていたようです。


この村のためにほんの少し、涙を流してあげてもいいかな、と、思わせてくれる作品でした。けど、まぁ、アラはいろいろありますが。。あいかわらず、化け物はきぐるみだし。。(笑)

(シャマラン、最後の方で出てた?)






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Last updated  2004.09.29 21:41:35
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セビセビ @ Re[1]:元気です(06/17) blue rose2792さん あそことはまた別のあ…
blue rose2792 @ Re:元気です(06/17) それはなによりでした。 ほっといたしま…
セビセビ @ Re:やっぱり!?(01/22) せしるんさん おぉ。。 だいたひかる…
せしるん @ やっぱり!? 私も鳥居みゆきを見たとき、戸川純を思い…
セビセビ @ Re[1]:とあるプチ・オタの見たいもの探し(01/18) sally-1020さん ご無沙汰っす^^ 絶望…
sally-1020 @ Re:とあるプチ・オタの見たいもの探し(01/18) ご無沙汰しております。 先日は有難うご…

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