なんちゃって妄想ワールド2



ゲーム開始から6時間後の事だった。
「島内放送です。」
とアナウンスの女の人の声が聴こえた。
そして次に聴こえてきたのは
「あー、みんな元気にやってる?」
気の抜けた声が。担任だ。
すると、次に担任は、
「着々と進んでいるぞー。この調子で頑張れよー」
と云った。
結城はクラスメイトがゲームにのってしまった事をとっさに悟った。
「えー、今から死んだ奴らの名前を死んだ順に読み上げていくからぁ」
と、担任は云った。
「13番 田中 瑞穂・・・」
延々と死んだ生徒の名前を読み上げた。
当然その中には木村の名前もあった。
「以上11名。結構ハイペースだな。その調子で最後まで頑張れよ」
そう云い放ち、放送は終った。
11人も・・・。
その11人の内6人はこの戦いに生き残れない、と諦めたり、クラスメイトと殺し合いなんて出来ない。
そういう考えの生徒が自殺していた。

結城は、クラスメイトを探す為に森の中を歩き回っていた。
すると、奥からカサカサと木の揺れる音がした。
そして次に聴こえてきたのは人の走る足音だった。
とっさに身を伏せ、様子を窺うと、走っていたのは中倉 愛だった。
彼女は別に容姿は良くも悪くもない、そして優しい普通の子だった。
結城は、
「おい、中倉っ!」
と小声で呼び、それに気付いた彼女は結城の事を見た。
彼女は結城の事を疑う事もなく、結城の元へ逃げてきた。
すると彼女は、
「ハァハァ、ゆ、結城くん・・・無事だったのね・・・」
と言った。
結城は、
「あぁ。それよりどうしたんだ?誰かに追われているのか」
と訊いた。
「ううん・・・奈美が・・・奈美が死んで・・・」
彼女は答えた。
さっきの放送で名前が呼ばれた佐伯 奈美は中倉の大親友だった。
他の誰が見ても仲の良さが分かるくらいの。
結城と境遇が一緒だった。
すると、銃声が近くで聴こえた。
マズイ・・・。
だが闇雲に逃げ回るのは危険と判断した結城は、中倉を地面に伏せさせ、自分も伏せた。
しかし、その判断は間違っていた。
「ほぉ、カモ発見だな」
その顔は以前に見た事がある。
向こうもこっちの顔を見てハッとした表情になった。
「お前は・・・」
そこにあったのは前回のこのゲームの優勝者三宅だった。
「カモかと思ったがお前とはな。安心しろ、お前はメインディッシュにするって云ったろ?まだ殺さんって」
と軽く云った。
「だが、そうのんびりしているヒマもないぞ。死にたくなきゃ俺について来い」
三宅が付け足す様に云った。
しかし、結城はこの男に親友を殺された。
「お前が・・・お前が勇を殺したぁぁ!!」
そう云い三宅に掴みかかった。
すると三宅は、
「今此処で俺たちが争ってどうする!生かしてやると云っている。なら今は自分が生き残る為にはどうすればいいか考えろ!!」
こいつは何を言っているんだ・・・?
親友を殺し、さらに自分たちの命を狙いかけた。
それなのにこいつは自分を生かそうと何故か必死になっている。
何故・・・?
「クッ・・・なんで俺を生かそうとする・・・」
結城が訊くと、
「お前、人の話訊いてたか?メインディッシュだって云ってんだろ」
と答えた。
その時、遠くで銃声が聴こえた。
「!?行かなきゃ。みんなを止めなきゃ・・・」
結城がそう云い、銃声の聴こえた方へ向かおうと立ち上がった。
そこに三宅が、
「お前が行って何かできる事があるのか!!それに、この娘はどうすんだよ!!」
と云った。
「俺にできる事は無いかも知れないけど、何もしないよりマシだろ!!」
そう云い、引き止める三宅を強引に払い、1人走り出した。
「ったく、しゃーない。行くぞ、お嬢ちゃん!!」
三宅が云い、結城のあとを追った。

結城がたどり着いた場所は小高い丘の見える場所だった。
丘の上には女子生徒が2人、男子生徒が1人居た。
彼女たちもゲームを止めようしているらしい。
銃声はみんなを呼ぶためだったみたいだ。
「みんなー、こんな事止めてー!!」
彼女たちは叫んでいた。
それを見た結城は、
「お前たちー!!」
彼女たちに向けて叫んだ。
すると女子生徒はそれに気付き、
「結城くん?結城くんね!!あなたもこんな事止めて、みんなで帰る方法を探しましょ!!」
と云ってきた。
「分かった、今からそっちに行くから!!」
と結城がいい、丘の頂上へ向かおうとした。
その時、銃声が聴こえそれと同時に丘の上に居た3人は倒れた。
その代わりに丘に1人の人が立っていた。
そいつは結城に銃口を向け、撃ってきた。
すると、
「おいっ、こっちだ!!」
と声が聴こえた。
それは三宅の声だった。
間一髪のところで追いついたのだ。
三宅の元に逃げ込み、そして、
「あ、あぁ・・・また、みんなが・・・・」
と、結城は嗚咽を漏らした。
しかし、彼らに休む暇などなかった。
「おい、ヤバいぞ。さっきの奴がこっちに来ている!!」
と三宅が叫んだ。
しかし、まだ結城は立ち直れていなかった。
「ったく、しょうがネェ奴だなお前はぁ!!」
と三宅は云い、結城を背負い、中倉と共に森の中に逃げ込んだ。

それと同時刻。
不運にもこのゲームにのってしまった5人が1つの場所に偶然集まってしまった。
そして、その建物の中で殺し合いは始まった。
「ったく、何なんだよお前らはァ!!何しに来たんだヨォ!!」
と叫びながら銃を乱射している男子生徒。
彼の名は畔戸 涼次。
素朴な感じな人物だが、わがままで、変な理屈ばかり通そうとするたちの悪い奴。
「アァ?てめぇがなんだよ!此処は診療所だろうが!治療道具取りに来たんだよ!!」
と反発したのが木下 佐助。
彼は、見かけは普通の少年だが、時折意外な一面を見せる男子生徒だ。
そこに割り込むように、
「ウッセーよ、テメェら!!どーせ俺に全員殺されるんだ。黙って死ねぇぇぇ!!」
そう云ったのは久谷 信。
スポーツ部に入っている為運動神経は良い。
いきなり面白い事を言ったりする男子生徒。
「ええぃ、テメェら邪魔なんだよ!!さっさと消えろぉぉぉ!!」
畔戸が罵声を上げ、木下に襲い掛かった。
すると木下は身軽にそれをかわし、攻撃の態勢に入った。
体勢が体勢だけに急所は捉えれなかったものの、腹部に切り傷を入れることに成功した。
「グゥッ・・・テメェはぁぁ!!!」
畔戸は言い放ち奥の方に逃げていった。
「逃がすかよ!!」
と木下は云い、畔戸を追いかけようとしたが、1発の銃弾によりそれは阻まれた。
「へへへっ、次は外さネェ」
と機会を窺っていた久谷がもう1度銃口を木下に向けた。
銃弾が当たる前に物陰に隠れ、畔戸が逃げていった方向に向かった。
それに気付いた久谷もそっちへ向かった。

奥には2人の男子生徒が何かを作っていた。
「やった、出来たね・・・これでゲームを終らせれる・・・」
と云ったのは堂間 ムラコだった。
「うん。でも君が日頃からこんな物作ってたとはね」
ムラコ氏に相槌を打ったのは近藤 武蔵だった。
彼らは名前が変だとか、そういう理由で虐められる事がしばしあったという。
そこで、虐めてきた奴らに仕返しをしようと、今回の修学旅行のためにパーツを組み立て、設計図を持ってきていたのだ。
しかし、殆ど兵士たちに取られていたので足らない部分をこの診療所で探していたのだ。
この仕返しの道具というのは爆弾だった。
まさかこういう形で役に立つとは。
「みんなを殺せば終るんでしょ?このゲーム」
ムラコ氏が言うと、
「そうだね、そうすれば・・・」
と近藤が相槌を打った。
「さっきから外が騒がしいけど、まさか此処に来るとかないよね?」
とムラコが云った。しかしその願いも虚しく、次の瞬間、ドアが荒々しく開けられた。部屋の中に入ってきたのは畔戸だった。
「ハア、ハァ・・・テメェらも邪魔すんのかよぉ・・・!!」
苦しそうに畔戸が云う。
その後からも足音が聴こえる。
「チィッ、しつこい・・・。テメェら、俺は奥に行く。囮になってろ・・・」
畔戸は身勝手な事を云い、奥へと進んだ。
「そんな・・・」
近藤が云うと、それとほぼ同時に木下が入ってきた。
「アァ?何だお前ら。畔戸見なかったか?」
近藤たちに敵意も持たずに訊いてきた。
「奥に行ったよ、あいつは」
堂間が云い、それを了解した木下は畔戸のもとへ急ごうとした。
しかし、そのあとに久谷が部屋に入って来て、
「ハァ、疲れたぞ・・・でも、これでジ・エンドだな・・・」
そう言い放ち、木下を撃った。間一髪逃れたが左腕を被弾し、血が流れ出た。
「クッ・・・」
と苦痛が顔に表れた。
しかし、久谷は容赦することなく木下の近くまで寄って来た。
しかし、急所は狙わず、足を撃ち抜いた。
「ぐあぁ・・・」
激痛が足に走り声が出る。
恐らく負傷した木下はもう相手ではないと判断し、もしものために動きを封じただけであろう。
久谷は木下の前を通り過ぎ、2人のもとへ向かった。
「どの道全滅しかありえんのだろ?このゲームは」
と言い放ち、近藤と堂間を撃った。
その時、銃声が聴こえ、久谷が床に倒れこんだ。
「ヘヘッ・・・ざまぁみやがれ・・・」
負傷した木下が云った。
床に転がっていた銃で久谷を撃った。
恐らく畔戸が逃げる際に落としたのだろう。
「ヒャヒャ、ご苦労ご苦労」
不気味な笑い声が聴こえた。それは自分の後ろからやってきた。畔戸だ。
「あいつは厄介な奴だった。よくやってくれたね」
畔戸が云った。
全ては畔戸の作戦だった。4人を戦わせ、弱っている最後の1人を殺す。
そうやって自分は生き残ろうとしていた。
「さぁ、次はお前が死ぬ番だよ」
と云い、木下を蹴り飛ばした。
にしても、何故あいつはピンピンしているんだ・・・?
「俺が何故無傷かとか思ってるか?それはな、俺の武器が防弾チョッキだったからだよ。銃は殺した奴から奪ったヤツでね」
と説明をし始めた。
そして、木下が蹴られた時に落とした銃を手に取った。
木下はふと自分の横に転がっている爆弾に気付いた。
まだ勝機はある。
そう思い、畔戸にばれない様そっと爆弾を手にした。
時限型らしい。
しかも、堂間は焦っていたのかすぐ終らせたかったのかタイムリミットは1分。
そう設定していた。
そして、爆弾を作動させた。
目当ての物が見つかり満足そうな畔戸は木下にトドメを刺そうと木下の方に向かい、何の抵抗もしない木下に余裕をかまし、
「ヘヘッ、最後になんか云う事あるかい?」
と云った。
木下は、
「俺は1人じゃ死なネェよ・・・」
と云った。
「フザケンナッ!!」
逆鱗した畔戸は銃口を木下に向け、撃とうとした時、
「これで・・・終わりだ・・・」
と木下が云い、畔戸に爆弾を投げた。
その瞬間大きな音と共に爆発が起きた。
畔戸は直撃し、爆弾の威力によって身体はバラバラになり、肉片が辺りに散らばった。
木下は爆風で飛ばされ、窓から外へ出ていた。
「俺の・・・勝ちだったな・・・」
横になっているところに1つの人影が。
それは転校生の日向だった。
冷酷なその表情から不敵な笑みをこぼし、一言こう云った。
「やはり殺しあうしかないのかね、人間は」
そして、持っていた銃で木下の頭を撃ち抜いた。

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※この物語はフィクションであり実際の人物・団体・地名などとは関係ありません

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