なんちゃって妄想ワールド(Repetition)9


「早く残りを沈めろ!逃げられるぞ!!」
ジークがついさっき見たのは敵艦隊の残存部隊2隻の撤退の様子だった。
「りょ、了解しました」
アリスはあたふたしながら次の行動に移った。

「もう無理ね。作戦は失敗だわ。陸に上がった兵士、できる限り戻して」
トミィは冷静に命令を下していた。
「あの3人、戻ってくるでしょうか」
ストがトミィに不安げな様子を見せつつ云った。
「彼ら、何考えてるか分からないからね。3人がいなくなったら戦力的に痛いわ」
如何にか3人には戻ってきてほしいと願う艦内。
ちゃんと彼らに命令が伝わっている事を祈りつつ、敵艦からの攻撃に対応していた。

「あぁ?撤退命令?」
フルは母艦から放たれたと思われる信号弾に気付いた。
「仕方ない、退くぞ」
「でも、こいつらっ!」
フライドの忠告を一瞬無視しようとしたリンジだったが、事の変わり具合をやっと理解し、3人は艦のほうへ走っていった。
「はぁ・・・はぁはぁ・・・」
疲れ果てた2人は、敵兵の撤退に安堵の色を見せた。
「あいつら・・・強い・・・」
マサキは息を切らせながらクシィに云った。
「俺たちも・・・油断できんな・・・」
珍しく弱気なクシィを見て、奴らの強さが半端ではないという事を改めて感じた。
「とりあえず、戻ろう」
2人は基地へと向かった。

シュウたちは敵が撤退していくのを見て、戦わなくてすむと心のどこかで思った。
「どうすればいいんだ?これから」
トオルはこれからの事を2人に訊いた。
「基地に行こう。艦はドックに来るはずだ」
シュウが答えた。
そして、3人は基地へと歩き始めた。

残りの2隻を逃してしまったが、味方には被害が少ないという現状に、モノトーン、セピアの中ではクルーたちの安堵の表情が見れた。
『ご苦労だったな。3隻はドックへ。修理、補給もせねばなるまい』
ジークが云った。
「分かりました」「了解しました」
アリスとセピアの艦長が同時に応答し、ドックへと向かった。
と、そこに1隻の艦の姿が見えた。
「あれは・・・?」
アリスは首をかしげた。ふとあることを思い出した。
エクアルの増援だ。正面での攻防戦に参加してくれていたらしい。
そこにジークが、
『エクアル艦。貴艦もドックへ向かうといい』
『ご好意をありがたくお受けいたします』
ジークの行為をアイは受け入れた。
そして、4隻はドックへと向かった。

基地正面ゲートへと向かい、歩いていたマサキとクシィは3人の不審者を見つけた。
「誰だ!お前たちは!」
3人の少年少女はそちらを向いた。
片方の腰に2つの刀を提げている少年。
肩に弓、背中に矢の束を背負っている少女。
背中に両端刃がついている槍を背負っている少年。
明らかにおかしい連中だった。
「どこの所属の物だ」
マサキは銃口を3人に向けた。
「おいおい、SIRNの兵士は物騒な事すんだな」
両刃の槍を持った男、トオルが云った。
「俺たちはエクアルから援軍に来た」
シュウが短く答えた。
「何か証明する物は。証明できないのか?」
疑ってかかるマサキに、スゥがエクアルの国民。
さらに一部の者だけが持つ勲章を見せた。
「それは・・・。本当、の様ですね。失礼しました」
マサキは謝罪し、基地内へと案内した。

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