なんちゃって妄想ワールド(Repetition)10


セイント艦内に入り、アイから今後についての説明が始められた。
「議長と話し合いをし、決めた事です」
それは、モノトーン、セピアと共に行動するという話だった。
「護衛だ。俺もお前たちも出来れば戦闘などしたくない。だが、戦場に出たからには腹をくくれよ」
戦いに関しては嫌っていたセイントクルー一同。
だが、できる力を持っているのに、何もしないまま黙って世界の行く末を見届けるだけでいいのだろうか。
それで後悔しないだろうかと。
彼らは悩みぬいて戦う事にした。
だがしかし、この状況下で1人、振り切れていない人物がいた。
「シュウ。お前の意思でここに出てきているんだ。迷いが死につながる事もあるんだぞ」
ショーイが少々きつめにシュウに云った。
「分かっている」
そう云ってシュウは部屋を出た。
前大戦の最終決戦。
あの時、スゥの目の前で彼女の仲間を殺したシュウ。
スゥはそのショックでそこだけポッカリと穴が開いたように何も覚えていない。
覚えていない。故に彼女はまだ彼が生きていると思っている。
「変わってしまったよ、あいつは」
自分は自分自身を守るためといい、彼女の大事な仲間を殺した。
しかしそこは戦場だった。
死。
それはいつ自分の身に降りかかるやもしれない。
それを覚悟にその場にいる人たち。
『仕方がないことだろう』
そう仲間たちは説得した。
だが、彼は『彼女の仲間を殺した』と、それが理由で心を閉ざしてしまった。
「あいつ。もう元には戻らないのかな」
トオルは心配そうに云った。
「元は敵同士だったし、元のあいつは知らないけどさ、あんなヤツじゃない、そんな気がして」
一同は黙り、部屋中を沈黙が覆った。

ショーイはエクアルへ亡命した後、国の為に役立てないかと国家に申請したらしい。
それがバレィの目に留まり、ボディーガードとして雇われた。
スゥはシュウと家族を亡くし、独り身となってしまった子供たちが集まっている建物で一緒に暮らしていた。
子供たちと一緒に生活し、面倒を見て、平和に暮らしていた。
トオルは国防兵として、国の平和に勤めていた。
主には災害があった時には救援など、『戦い』とは無関係の事をしていた。
アイは、造船場で船の製造、修理、改造などを勤めていた。
船といっても戦艦ではなく、漁船、ボートなど一般的なものだ。
そこに、前大戦で戦歴を残した彼らにバレィは『特務隊』として参加してくれるように無理を云った。
最初は彼らも完全拒否だった。
しかし、考えていくうちに、放っておいたら朽ちてゆく世界。
自分たちには少しでも未来を変える力がある。
結論を出すのに確かに時間はかかった。
そして、『無駄に命は殺めない』という条件で彼らは了承した。
元『ポセイドン』クルーで参加していないのは3人。
ユウとエイトはもう戦いたくないと結論を出し、戦場には出なかった。
そして、ロト。
彼は死んだ。
仲間も誰もいない場所で、敵に討たれて。
敵を求め、快楽を求め、そして死んだ。
ポセイドンクルーはロトの死を受け入れるのに時間がかかった。
シュウは今でも彼が生きていると信じている。
「そろそろ行きましょう。バレィ議長にスタンド議長の所へ1度顔を出しておけと云われましたし。誰か、シュウも連れてきてね」
セイントの戦闘員、そしてアイはスタンドとバレィのいる基地内へと向かった。

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