なんちゃって妄想ワールド(Repetition)25


その大男は敵味方問わず大斧で吹き飛ばした。
「んだよ、ありゃ」
トオルは変なのが出てきたと思いながらジンと共にその男を止めるべく立ち向かった。
「おい!てめぇ、何のつもりだ!」
SIRNの軍服を着ているのにSIRNの兵士も構わず倒したその男にトオルの怒りは絶頂していた。
「トオル。奴を止めるぞ」
ジャベリンで攻撃するトオルを銃で援護するジン。
だが、その男が身に着けている鎧が全ての攻撃を無力と化させる。
「こんの仮面野郎がぁぁ!!」
ジャベリンで同じ場所を何度も突く。
そこにジンが、
「トオル、伏せろ!!」
と云った。
云われるがままに伏せると、頭上にスイングした大斧が通り過ぎていった。
「ナイス、ジン」
命拾いしたトオルはジンに礼をいい、奴をどうやって倒すかを考えていた。
鉄壁の鎧の攻略法。
仮面の部分以外は全て覆われている。
「顔面集中狙いしかねぇか」
そういうと、顔面のみを集中攻撃した。
大男は大斧で抵抗しながら顔面を守っている。
ジンも銃で狙うが中々当たらない。
「近寄らんと無理か」
ジンは敵との間合いを詰めていった。
そして、加速をつけ勢いよく飛び上がり、大男の顔面に照準を合わせた。
大男はそれに気付き、大斧で叩き落そうと振りかざした。
「トオル!!」
トオルはジンがひきつけている隙に、大男の真下に入り、顔面目掛けてジャベリンを突いた。
大男は回避し損ね、仮面を損じた。
「こいつは・・・」
ジンは仮面の下の顔を見て驚いた。
ブエル隊バリー・ガドゥドロー。
少佐という地位につきながら自分の隊を持つこともなく、リーチに信頼をよせ、部下になっている。
腕は一流で、SIRNの中でも尊敬されていた。
「何でアンタのような人が!」
ジンは怒り、バリーに訊いた。
「お前たちの知る必要のない事だ」
厳つい声で答える。
「邪魔をすると云うなら、アンタも倒さなければならんが」
「俺は死なん。死ぬのは貴様らだ」
その答えを聞き、ジンは容赦なく銃を連射した。
弾を詰めなおし、さらに撃ち続ける。
ジンの攻撃が止んだ時にトオルが攻撃する。
しかし全て鎧によって阻まれる。
「んにゃろう・・・こうなりゃ奥の手いくぞ、糞野郎!!」
すると、トオルはジャベリンにあけられていた穴に何かを入れた。
ジャベリンの刃の部分が加熱されたように赤くなり、湯気が出ていた。
「自慢の鎧ぃ、溶かしてやんよぉ!!」
そして、バリーに攻撃を再開した。
同じ場所を連続して攻撃していくうちに鎧の一部が解け始めた。
バリーは止めようと攻撃をしているがジンが撃ってくるので、それの対処をして、トオルを止める事が出来ない。
「あと一押しだぁ、だりゃー!!」
最後に快心の一撃を決め、鎧の一部が溶け、バリーの体に当たった。
「ぐふっ・・・」
バリーの口から血が出た。
さされた痛みと、加熱された刃の熱さで傷口に酷い痛みが走る。
「き・・・さま・・・らっ!!」
そう云って、トオルに的を絞り、大斧を振りかざした。
ジンが銃を放ち、トオルは回避しようとした。
しかし、バリーは銃弾を浴びながらトオルに大斧を振り下ろした。
避け切れなかったのでジャベリンで防ごうとしたが、大斧を支える事は出来ず、ジャベリンは折れた。
「畜生っ!」
とトオルは舌打ちし、後ろに退いた。
が、下から振り上げた攻撃がトオルの体を切り裂き、大量に血が噴出した。
「がっ・・・クッソ・・・ジンっ、逃げろ!」
その場に跪いたトオルに大斧を振り下ろした。
「やめろぉぉぉ!!」
ジンは叫びながら銃を連射した。
銃弾は顔面に数発、腹部にも数発当たった。
穴の開いた場所にも銃弾が当たり、バリーは攻撃を最期まで出来ないままその場に倒れ、動かなくなった。
「トオルっ!!」
ジンはトオルに駆け寄った。
「ヘヘッ、逃げろよな・・・ったく」
トオルは少し笑い、ジンを見ながら力尽きた。
ジンは、自分の身の回りにいる大切な人たちが次々といなくなっていく事に何か責任のような物を感じていた。
「また・・・俺は大事な奴を守れ・・・」
トオルを抱いたままジンはその場に泣き崩れた。

なんちゃって妄想ワールド(Repetition)26

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