なんちゃって妄想ワールド(Repetition)28


「何の為にこんな事を!!」
ガルーは答えた。
「我々は世界に制裁を下す者ではない」
「お前っ!なら何故!!」
シュウは激しい攻撃をしながら訊く。
「あの方の考えに背く。それは私の生きる意味をなくす」
大剣が振り下ろされ、シュウは回避した。
「自分の考えはどうなんだ!そいつが間違えていると思ってるんだろ!!」
シュウは一気に間合いを詰める。
2本の刀を活かした攻撃にガルーは数歩後退する。
さらにシュウは云った。
「そいつを救うにはそんな事させてはいけないだろ!!」
ガルーが一瞬動きを止めた。
シュウはさらに云う。
「分かっているんだろ!なら俺をそいつの元に」
シュウはガルーがまだ洗脳されていないとふんでいた。
説得を続け、ガルーの気持ちも揺らいでいた。
「貴公はあの方を止めれるというのか」
「何もしないよりはマシだ」
2人は武器を下ろし、マザーのいる部屋へと向かった。

ジークはシステムルームに辿り着いた。
「間に合え、間に合え!」
ニュークリアスキャンセラーの機動をした。
しかし、その時にはタイムリミットが30秒を切っていた。
ニュークリアスキャンセラー機動完了時間がかかる。
セイントのブリッジ内でも得体の知れないタイムリミットを止める為に必死だった。
「何故止まらない!!」
アイは焦っていた。
タイムリミットまで10秒を切った。
「まだか!クソッ!!」
地下室ではマザーがモニターでタイムリミットを待っていた。
「10、9、8…」
時間が迫っていた。
「3、2、1…」
そして、モニターの時間が0になった。
「終わり」
マザーが作戦の成功を確信し、表情が崩れた。
しかし、何も起こらなかった。
「何・・・?」
そこに2人の男が部屋のドアを開けた。
「そこまでだ。お前が作戦の首謀者だな」
それはシュウとガルーだった。
「ガルー、裏切ったな」
マザーは表情ひとつ変えずに云った。
コードネームではなく本名で呼んだ。
「マザー。あなたに道を正してもらいたい」
ガルーは説得を始めた。
「2人で何が出来るという?」
マザーの顔は余裕に満ちていた。
「『リバース』。貴様らはセイントと呼んでいたか。あれは作動しなかったみたいだな。何をした」
シュウとガルーにマザーは問い詰めた。
そこに1人の男の声と、大勢の兵士が現れた。
「そこまでだ、ロード・ミリィ。大人しく投降しろ」
その声の主はジークだった。
マザーの正体はロード・ミリィ前議長、その人だった。
「何故私だと分かった。ん?」
ロード滑らかな口調で冷静に訊いた。
「全部その男から漏れた事だ。捕らえろ」
兵士たちは一斉にロード目掛けて突進した。
「私はタダでは死なない!」
そういうと、後ろにあったボタンを力強く押した。
すると、警報音と共に何かが作動した。
「何をした!!」
捕らえられたロードにジークが訊く。
「作戦の失敗などありえない。貴様らのまいた種で自分たちの身を滅ぼすがいい」
「何の事だと訊いている!!」
ジークが怒鳴りロードに訊く。
「宇宙が次なる場所といい、夢を描き、持ちたる技術を全てと注ぎ込んでばら撒いたゴミだ」
ジークには心当たりがあった。
最近、観測庁からの報告で気がかりなものがあった。
宇宙上に浮遊しているデブリが限りなく地球に近づいているというものだった。
「貴様の仕業か」
「もう手遅れだ。誰にも止められない」
ロードは1人勝ち誇った顔で連れて行かれた。

マサキはファーストに向けて激しい攻撃をしていた。
そこにファーストが、
「失敗か。なら、全てが終わりだな」
と云った。
「あんたたちは・・・」
マサキの中で何かが弾けた。
突然動きが変わった敵にファーストは動揺した。
「クッ」
爪で攻撃を流そうとするがその場しのぎにしかならない。
次々と繰り出される攻撃を必死に防ごうとする。
「あなたは、あなたたちだけは!!」
マサキはショーテルで爪を弾き、胸から抜いた銃をファーストに向け、放った。
胸部に銃弾は当たり、そこから血が出ていた。
「何かをためらっていた・・・か?」
最後のマサキの動きを見て、ファーストはそう思った。
マサキはファーストの頭に銃口を突きつけ泣きながらこう云った。
「俺はアンタを殺したくない。投降してください・・・」
そのマサキを見て、ファーストはフッと笑いこう云った。
「今生き延びた所で何も変わらないさ。みんな死ぬ。世界は滅ぶ」
マサキは引き金を引いた。

オペレーションルームでは慌しい様子が絶える事がなかった。
観測庁からの報告が絶えなかった。
デブリは今も肉眼で確認できた。
世界中の人は昼にもかかわらず流れ星を見た。
人々は空を見上げ、何が起こるか分からずにいた。
数多あるデブリの大気圏で燃えきらなかった物が地上に落下した。
その瞬間に海面は蒸発し、森林は焼け、地はえぐれた。
戦場にもその脅威は降り注いだ。
リーチとの戦闘で瀕死の状態になっているスゥ。
そのスゥを抱え司令塔へ向かおうとしていたショーイ。
戦友の死に悲しみを覚えたジン。
圧倒的な力量の相手、ライトレスと戦い、仲間のほとんどを失ったモノトーンクルー。
戦艦の中で死の覚悟をしていたセイントクルー。
ジークと共に司令塔内部でその光景を目の当たりにしていたシュウ。
そして、裏切られ1人立ち尽くしていたマサキ。
それら全ては一降りのデブリによって一瞬で消滅させた。
デブリは地上にある全ての物を滅ぼした。
全てはロードの思うがままに終わった。
彼女は世界のマザーとして消えていった。

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