なんちゃって妄想ワールド(Memory)11


「お前、すごいじゃないか!」
「敵将討ったってなぁ」
「最初ヘラヘラした奴だと思ってたけど、見直したぜ」
集まったクルーたちに、もみくしゃにされながら褒め称えられた。
セナは嬉しそうに笑った。
そこに、ユウキたちがやってきた。
「よくやったな、セナ」
ジークが最初に言った。
セナが人の間を掻い潜り、皆の前に立った。
「ジークたちのお蔭さ」
「お前がねぇ。未だに信じれんな」
ミヤケが口を挟んだ。
「まぁ、頑張ったんだ。そう言ってやるな」
ユウキが言い、それからセナを褒めた。
すると、そこにロンがユウキ、セナ、ミヤケ、ナツメを呼び出す放送を流した。
「呼び出しだって。なんだろ?」
「呼ばれているんだ。行ってこい」
4人はロンの居るブリッジへと向かった。

ブリッジに入ると、ロンが振り向き、4人の方へと来た。
「来たな。お前たちに昇進のお知らせだ」
ロンらしい言い方で、昇進が4人に伝えられた。
「昇進!?よっしゃー!」
上官を目の前に、構う事無くセナが喜んだ。
「おい、セナ」
ユウキが注意する。
「本艦は一度ニューオーリンズへ帰投する。その時に昇進式が行われるそうだ。お前らの一張羅、用意しとけよ」
「軍服しかありませんよ」
ロンの冗談でその場が明るくなった。
「そういう事だ。一張羅はなくとも、準備はしておけよ」
「了解しました」「了解です」
4人は敬礼をし、ブリッジを去った。

その頃、マイたちの隊は、ギアナ基地奪還を成功させていた。
先日奪取されたばかりの基地を、数日で取り戻した。
連合の兵士たちは歓喜の声を上げて喜んでいた。
勿論マイたちもだ。
「とりあえずは完了だな」
ディランが言った。
「少しは休む時間あるかな?最近動きッぱじゃん」
ミルが疲れた様子で言った。
「そうね。私も休みたいわ」
マイもミルに賛成だった。
そんな話をしている時、1人の兵士が彼らの前に現れた。
「マイ・ミハルド少尉はどなたで?」
「あ、私です」
マイが名乗り出た。
「誠に残念な事なのですが、ギン・ミハルド大佐が戦死なさりました」
兵士の言葉にマイは驚愕し、周囲の空気が一変した。
ディランとミルは悟り、少し距離を置いた。
マイは腰から崩れ落ち、我慢していた涙が抑えきれなくなった。
ディランとミルは、沈痛な面持ちでマイを見た。
そして、マイの方へ駆け寄った。
「マイ・・・」
ミルが優しく語りかけた。
「うえっ・・・うっ・・・うっ・・・」
嗚咽を漏らして泣くマイ。
そこに、伝えに来た兵士が言った。
「あの、フォルタレザへ侵攻したSIRNの部隊は特定できているんですが」
ディランが兵士を見た。
「どこなんだ」
「先日ギアナを陥とした部隊です」
マイはハッとした。
セナのいた部隊だ。
涙を拭き、立ち上がった。
「それ、本当ね?」
まだ涙で目が潤んでいるが、鋭い目付きで兵士に訊いた。
「え、えぇ。間違いまりません」
兵士が少しビビッて答えた。
マイはそれを聞いて決意した。
「次に会ったら、あの部隊をぶっ潰す」
それは普段の彼女なら絶対に言わない様な言葉だった。
2人は驚いて彼女を見た。
そこには、以前の彼女の面影はなかった。

数時間経ち、サミズはニューオーリンズに到着していた。
港では、数人の人が立っていた。
上官クラスが1人と、数人の護衛兵士だ。
『遠路ご苦労だった。貴艦の到着を歓迎する』
そうブリッジに入ってきた。
「歓迎ねぇ。まぁ、今回は歓迎されるだけの事してきたわけだし」
ロンが独り言を言った。
「一気に4人も昇進ですよ。私も鼻が高い」
副長のピットが言った。
「お前が昇進するワケじゃないだろ」
ロンが言い、ピットが照れ隠しで頭をかいた。
「まぁ、すぐ降りれると思う。準備しとけよ」
「わかりました」
2人は下艦の準備を始めた。

ユウキたち昇進組4人が、基地長の部屋に来ていた。
周りには大勢の上官クラスの人間が立っている。
「ケイゴ・ユウキ少尉。戦艦3隻、戦闘機13機を撃墜した成績を賞して中尉の位を与える。おめでとう」
基地長に勲章が手渡された。
「ありがとうございます」
そして次に、ミヤケとナツメが戦闘機の撃墜数が賞され、中尉に昇進した。
最後に、セナが勲章を手渡された。
しかし、その昇進の仕方が他の3人とは違った。
「セナ・ケレイト二等兵。敵大将を討ち取った事を賞し、中尉の位を与える」
ユウキたちは驚いた。
「マジかよ。一気に俺らと同位・・・」
「すごいな・・・」
「えぇー、あいつと一緒とか。心外」
「まぁ、それだけの事をしたって事よ」
3人は最後の台詞を言った人物を見た。
ちゃっかり会話に参加していたのはロンだった。
セナは流石にこの場所では礼儀良くし、勲章を受け取った。
周りにいた人たちに拍手を受け、4人は礼をした。

マイたちの隊には、1日の休息後の命令が下った。
それは、ニューオーリンズ基地侵攻だった。
今そこにはセナたちがいる。
だが、そんな事をマイは知らなかった。
「ニューオーリンズか。結構でかいとこだな」
ディランが言った。
「でもそこ陥としたら戦況有利になるよね?」
次にミルが言った。
「何処であろうと関係ない。SIRNは全部私が潰す」
マイがそう言った。
父の仇。
彼女は、それを取るにはそれしかないと考えていた。
「あぁ、全力でかかるさ」
ディランがマイの肩を叩いた。
「うん。頼りにしてる」
2人は、久しぶりにマイの笑顔を見た気がした。
「よっし、頑張ろう!」
ミルの掛け声で、3人は気合を入れた。
そして、ニューオーリンズ侵攻作戦が後日行われる事になる。

なんちゃって妄想ワールド(Memory)12

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