なんちゃって妄想ワールド(Memory)26


連合最大の拠点『リベル』。
SIRNはそこを陥落させようとしていた。
元テムジン隊でこの場での生き残り、セナ・メディナ。
彼ら2人も勿論その作戦の中に参加していた。
セナは、その作戦のドサクサに脱走を試みていた。
彼の想いはマイを連れて。
メディナもセナと行動する事を決め、彼に気持ちを伝えていた。
何度か考える様に言ったが、今更そうは出来ないと言われた。
そして数時間後、SIRN軍はリベル作戦を決行すべく、出撃した。

マイは先日セナに言われた言葉を気にしていた。
今まで何度も戦い、仲間を殺された。
でも、何故か今はセナを信じたい。
そんな気持ちになっていた。
裏切り者。
そうベッテルをはられても仕方がない。
でも、今そうしなければ後悔する。
そんな気がした。
あれから数日、その事ばかりを考えていた。
軍に残るべきなのか。
セナを信じて未来を切り開く夢を見ていいのか。
その時、机の上に置いていた携帯にメールが来た。
それは、敵軍にいるセナからだった。
何故そんな事が出来る?
不思議に思ったが、構わず内容を確認した。
それは、SIRNのリベル侵攻というものだった。
そして、マイは今リベルにいた。
嘘かもしれないが、マイは信じた。
上官に報告すべきなのだろうが、しなかった。
セナを信じた。
昔の様になりたい。
これが最後に辿り着いた答えだった。

「あれがリベルか。大そうなものだな」
空母に乗っている作戦の総指揮官が言った。
「全軍攻撃開始!連合のサル共に一泡噴かせてやる」
指揮官の号令と同時に、戦闘機とポットが大量に出撃した。
すぐに攻撃に移り、戦闘機部隊は空爆を開始した。
セナたちのポットも上陸し、2人は他の兵士たちと別の方向へ向かって歩いて行った。
「来るかな?あのコ」
メディナが言った。
「きっと来る。あいつ、ここにいるから」
2人は森の中へ入っていった。
そして、メールでマイが指名した場所に来た。
「ここだな」
そこには十メートル以上もある岩が聳え立っていた。
2人はその前でマイを待った。
待つ時間は襲撃開始から5分。
マイが基地から走ってギリギリの時間だった。
本気でついて来るならば、妥当だった。
待ち始めて4分ほど経った時、赤い髪の少女は来た。
「マイ・・・」
セナは嬉しかった。
「もう一度・・・、信じたかったから・・・」
ぎこちない会話だった。
メディナは邪魔にならない様に、微妙に後ろに下がった。
その時、彼らの頭上から声がした。
「戦闘中に敵兵と密会とはな!!」
それと同時に銃声が鳴り響いた。
「危ない!」
セナはマイを連れ、メディナと共に物陰へ身を隠した。
「しつけがなっていなかったみたいだな!セナ・ケレイト!!」
その声の主はユウキだった。
「ユウキィィィ!!」
セナはユウキを睨み付けた。
ユウキは銃を撃ってくる。
3人に反撃の隙はなかった。
「裏切り者を始末した奴が裏切り者になるとは、傑作だな!」
セナは唇を噛んだ。
「どうするの、セナ!」
「味方なんでしょ?!どうにかなんないの!?」
「あいつは味方なんかじゃない。優秀な軍人の仮面を被った悪魔だ・・・」
メディナはそれを聞き悲しい顔をし、マイは混乱していた。
「とにかく、あいつを倒さないと逃げても無駄なんだ。あいつが生きている限り、全ての人の運命はあいつが握っている事になる」
セナは思い切って物陰から姿を出し、ユウキに向けて銃を撃った。
ユウキはその場に伏せ、弾をよけた。
「お前を倒す!俺たちの未来を守る為に!!」
セナが叫び、ユウキは笑った。
「クククッ、ならば来るがいい!始まりの場所へぇっ!!」
彼は十メートルもある岩から飛び降り、森の奥の方へ走って行った。
セナは2人を見た。
「行くんでしょ?」
「あんたの気持ち正直にいきな。私はそれについていくよ」
2人の言葉にセナは勇気をもらった。
「ありがとう。行こう、未来を掴む為に」
3人はユウキを追った。

ユウキを追う3人に向け、彼は振り返りざまに撃ってくる。
3人は避けつつ追い続ける。
「そろそろ時間か・・・。無様に消えろよ」
ユウキはボソッと呟いた。
その時、セナが気付いた。
自分たちの後方から足音が聞こえる。
後ろを振り向くと、SIRNの兵士たちが追ってきていた。
「アリエル隊のメンバーだ・・・。マズいぞ!」
確実にセナたちを追ってきていた。
すると、アリエル隊の兵士たちは彼らに向け、銃を撃ち始めた。
3人は茂みに身を伏せ、銃で応戦した。
その間にもユウキとの距離が離れていく。
その様子を見切ったマイがセナに言った。
「あんたたち先に行きなさい!」
「なっ、お前。そんな事!」
セナが言い聞かせる様に言った。
「あいつを倒さなかったら意味ないんでしょ!!」
「だが・・・!!」
3人は応戦しながら叫びあう。
「絶対に追いつく。伊達に連合の軍人やってたわけじゃないのよ!」
必死に言うマイに、セナは折れた。
「・・・わかった。でも約束だ!絶対に一緒にいこう」
「うん・・・、わかってる・・・」
珍しくマイが女の子っぽい感じだった。
「絶対だぞ!」
セナはメディナの手を引き、ユウキを再び追い始めた。
マイはそれを見送り、目の前の敵に向き直った。
「私にもぉ、また守らなきゃいけないものが出来たのよぉぉぉ!!!」
手榴弾を手に取り、ピンを抜いた。
それを敵に向け投げ、茂みに飛び込んだ。
前方にいた敵兵が吹き飛び、バラバラになった。
さらに茂みから飛び出、腰のホルスターの銃を抜き、敵に向けて連射した。
「約束したんだからぁ、こんな所で死ねないのよぉぉぉ!!!」
撃っていた銃を敵に向け投げ、ナイフを抜き敵の方へ突進した。
「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」
1人の兵士を斬り、持っていたマシンガンを奪った。
さらに落ちていたマシンガンを手にし、乱射した。
「あの子たちの邪魔はさせないんだからっ!!!」
弾が切れ、二丁のマシンガンを投げた。
それは敵兵に当たり、兵士はその場に倒れる。
その兵士たちが持っていたマシンガンを強奪し、さらに撃ち続ける。
「うおぉぉりゃああああああ!!!」
鬼神の様になったマイは、容赦なく敵を撃ち殺す。
その時、アリエル隊小隊長が指示をした。
「埒が明かん。投槍隊構えろ」
隊の後方で三枝槍を投げる構えをした兵士が10人ほどいた。
マイはそれに気付いていない。
前方の敵を撃ち倒していく。
「よーいっ」
小隊長が号令をかける。
マイはそこでそれに気付いた。
体の向きを変え、投槍部隊に攻撃をしようとした。
が、最後に神は彼女を見捨てた。
マイの目の中に太陽の光が差し込んだ。
眩しく、思わず目を細め、動きが鈍った。
「てーっ!!」
小隊長が最後の号令をし、投槍部隊は一斉に槍を投げた。
太陽の方向から複数の三枝槍が飛んでくる。
マイは太陽に向け手を伸ばした。
回避は間に合わず、死を覚悟した。
最後にセナとの何かをその手に掴もうとしたのだ。
最初の槍がその手を貫き胸部に刺さる。
2本目3本目の槍が肩と横腹に突き刺さる。
4本目はそのまま地面に刺さり、5本目が腹部を貫いた。
その後数本もほとんどが彼女の体に突き刺さり、貫通した。
弁慶の立ち往生よりも悲惨な姿になっていた。
「・・・ァッ。ト・・・ッサ・・・ッ」
マイはまともな言葉も出せないで、そのまま前に倒れた。
そして、この戦争の掟。
ナノシステムの効力によって、マイの全てが消え去った。
「小娘ごときに戦力を殺がれ過ぎたか。残りの2人も排除するぞ」
アリエル隊はすでにユウキの忠実な駒となっていた。

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