ディサイション・パワード 第6話「参入」


艦橋に案内され、中に入ると永原艦長が居た。
「永原上官、お久しぶりです」
ヨウが永原に云った。
「久しぶりだな。この様な場所で再び会うとは夢にも思わなかった」
永原もヨウと再会できて嬉しそうだった。
そこにヨーランが本題を話し始めた。
「あなた方は政府を裏切って我々に加勢したいと?」
「そういう事だ。まだ信じてもらえんのは仕方がないとは思うが」
永原が自分たちの信念を伝えた。
「そこでなんだが、この艦を母艦とさせてもらえないか?そうすれば君たちの戦闘も今まで以上にスムーズ且つ迅速に行えるようになると思うのだが」
ヨウの説得もあり、永原の事は信用していた。
なので、少し話し合った結果コレクションを母艦として使うこととなった。
「しかし格納出来るディスの数にも限りがある。どうするか」
永原が云った。
美衣とヨーラン、焔が話し合った。
「格納出来る数は7機までだ。元々搭載してある1機を除いて残り6機か」
焔が悩んでいた。
そこに美衣が意見を云った。
「ヨーランと焔は乗った方がいいよ。あとヨウ君も」
美衣に言葉にヨウが反発した。
「おい、俺がいつお前たちと一緒に戦うって云った」
そこに永原が云った。
「私からも頼みたい。君の力も必要となるだろう。力を持っているんだ」
少し説得されたのち、リリスも連れて行く事と、あくまで永原の下に付くという条件付でヨウの乗艦が決定した。
「ミイもやり手だろ。俺たち3人のチームワークは伊達じゃないしな」
焔が美衣を推薦した。
それで美衣の乗艦も決定した。
そして、美衣がもう1人推薦した。
「フィンちゃんはどう?」
美衣の云うフィンとは、反乱軍に所属している『フィン・デュナミス』の事だった。
歳は若干15歳だが、相当な腕の持ち主だった。
しかし、以前戦闘の時にディスを失い、戦う術をなくしていた。
「でもあいつのディスはないんだぞ?どうさせるつもりだ」
そこに永原が口を挟んだ。
「出港前に聞いた話なのだが、兵庫沖人工島『サーカス』付近でディスの存在が確認されたという事だ。まだ手を打たれていなければ数奇捕獲できる」
3人はその話に乗った。
そこへ1人の男が艦橋に入ってきた。
「おぉ、君らが反乱軍の人たちぃ?」
陽気で緊張感のない喋り方の男だった。
『日下部 紫郎』24歳。
永原の部下で、ディス部隊に小隊を持っていたエースだ。
そうだ、とヨーランが返事をした。
「よっろしくね~。長い付き合いになると思うけど。ジャッ」
挨拶をした後に早々と艦橋を出た。
「腕は優秀なのだが・・・」
永原は呆れたように云った。
この艦の行く先はサーカスと決まった。

政府ミーティングルームにジミュートと春、そして弥生の姿があった。
そして、政府上層部の睦月 創とディス部隊最高指揮官の『ノゥ・アンノーク』の姿もあった。
「2人のエースパイロットを失ったらしいな」
ノゥが云った。
さらに続ける。
「それに足して1機のディスが大破か。相当厄介な様ですな、副議長の息子殿は」
ノゥの嫌味に創は終始黙った。
そして、こう云った。
「弥生、お前も次からは出なさい。そしてヨウを止めてくれ」
弥生は了解した。
続けてノゥがこう云った。
「君たち3人にはディス先攻部隊の指揮を執ってもらいたい」
突然の申し出であったが、3人は迷う事無く了解した。

ミーティングが終了し、ジミュートたちは出撃の準備に出ていた。
「しかし結構な数で攻めるんだな」
春が云った。
春がこう云うのも無理がなかった。
ディス数機と戦艦1隻の為に、自分たちを含め30機。
半端ではなかった。
「抜かるなと云うことだろう」
弥生が云った。
ジミュートはすでに自機の所へと向かっていた。
ヨウの攻撃で右腕を失ったジミュートのディス。
機械ではないのでパーツ交換で修理と云うわけにはいかない。
変わりに『義手』みたいな物をつけていた。
腕自体がセイバーとなっていた。
整備士がジミュートに気付き、義手の事を云おうと近づいた。
そして、顔を見て驚いた。
顔の半分まではないが、深々と傷が刻み込まれており、右目が閉じられていた。
「ヨウ、傷の礼はしてやるよ」
整備士は後ずさりし、ジミュートは自機に乗り込んだ。
『ディス部隊は出撃してください。繰り返します…』
オペレーターから指示が出て全機出撃体勢へと移った。
「オーシャン、久しぶりの戦闘だろ。大丈夫か?」
春が弥生を気遣った。
「なめるな。ヨウは私が仕留めてみせる」
弥生は自分の弟、ヨウを討とうと決意していた。
それを聞き、春は少し安心した。
「睦月 弥生、ディス出るぞ」
「如月 春、ディス出撃する」
「ジミュート、いくぜ!!」
3人のエースパイロット、ヨウの元仲間がヨウを討つ為に空へと飛び立った。

ディサイション・パワード 第7話「暴走」

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