ディサイション・パワード 第15話「宇宙」


ジミュートはそれに気付きそちらへ向かった。
「おいおい、邪魔すんじゃねぇよ」
ジミュートがなめた口調で云った。
「ジミュート!!」
ヨウが叫んだ。
そしてこう云った。
「そこを通してくれ!親父たちはヴィーナスを浮上させる!!」
ジミュートはそこの声を聞いて気付いた。
「貴様ぁ、ヨウかぁぁぁ!!何でてめぇが生きてんだよ!」
ヨウが生きていた事を知らなかったジミュートは少し同様した。
そして斬りかかってきた。
「くっ、何で判らないんだ!お前たちは見捨てられたんだぞ」
「知った口をぉぉぉ!!」
そこに紫郎が増援にきた。
「ヨウ!お前はミイ、ヨーランとヴィーナスを討ちに行け!」
「だが・・・」
「こいつは俺が引き受ける」
ヨウは少し考えて了解した。
そして美衣とヨーランと合流した。
「ミイ!ヨーラン!俺の機体につかまれ!!」
2人は突然云われた事に戸惑った。
が、躊躇している時間はなく云われるがままに従った。
「ちゃんとつかまってろよ。一気にヴィーナスまで行く」
そして2機を連れてその場から消えた。
「何ぃ?!消えただと」
ジミュートは焦った。
その時、ジミュートの機体に衝撃が襲った。
「お前の相手は俺だろうが」
それは紫郎の攻撃だった。
「なめるなよ、雑魚が」
ジミュートは誰からも馬鹿にされたような気がして腹が立っていた。

ヴィーナス付近に3人はワープした。
そこにはエリア内を護るディスや戦闘機がいた。
「流石に守りが堅いな」
「雑魚に構っている暇はない。行くぞ」
3人はそれらに目もくれずヴィーナスの方へ向かった。
しかし、防衛隊は追尾を続けてくる。
「しつこいな」
ヨーランが鬱陶しがった。
そこでヨウが行動を取った。
「防衛隊、聴こえるか?こちら反乱軍所属睦月ヨウ。政府はこれよりヴィーナスの浮上をさせようとしている。これを止めなければ全てが滅んでしまう」
睦月という名前に防衛隊の兵士たちは戸惑った。
しかし、防衛隊の隊長が兵士たちに喝を入れ、また追って来た。
「事が起こらないと分からないのか!」
ヨウは怒った。
その時、周囲一帯に大きな振動が起こった。
空気が一変し、皆の動きが止まった。
「何だ・・・?」
「ヴィーナスが浮上を始めるんだ」
その時、海面から何かが見え始めた。
それは巨大で胸の前で手を組んだ女神の姿をしている金色の物体だった。
「あれが、ヴィーナス・・・」
その大きさは半端無く、人の最大収容量は15億人と云われている。
「くそっ!ミイ、ヨーラン!アレを止めるんだ!!」
3人はヴィーナス母体へと攻撃を開始した。

内部では巨大エネルギー砲『ハロ』の発射準備が行われていた。
「システム起動、オンライン。エネルギー充電完了。いつでも発射可能です」
それが伝えられ、創が訊いた。
「発射予定高度は」
「残り4600メートルで達します」
創は不敵な笑みを浮かべ、席の前に立った。
「予定高度到着後ハロを発射しろ。あとは行く末を見守るだけだ」
気持ちが緩みかけた時、オペレーターが云った。
「反乱軍、ヴィーナスに向け攻撃を開始しました。中には政府軍もいるようです」
それを聞いて、創が指示を出した。
「フィールドを展開。奴らの攻撃など効かんさ」
すると、ヴィーナスの周りにフィールドが展開された。

ヨウは攻撃をしたが、フィールドによって防がれる。
「上官!ヴィーナスにフィールドが展開されたようです。攻撃が通用しません」
永原は落ち着いて指示を出した。
「アレのエネルギーとて無限ではない。撃ち続けろ。政府軍の中の物分りのいい者にも支援してもらえ」
「了解しました」
ヨウの説得が防衛軍にやっと理解してもらえ、共にヴィーナスを止めようとしていた。
しかし、それだけの人数でもまだ決定打には至らない。
ヨウは少し焦っていた。

紫郎にヨウから指示が届いた。
「おい、手伝えつったってこいつらどうにもならんぞ」
「そのまま連れて来い!そうすればあとは俺が何とかする」
紫郎はリリスとフィンに指示を伝え、ヨウたちの方へ向かった。
「逃げる気かぁ?させるかよ」
ジミュートと弥生、春が後を追った。

「発射予定高度に達しました」
創は発射許可を出した。
「精々悪あがきをしてみるんだな、イレギュラー共」
ヴィーナスの組まれた手が前に伸ばされ、そこにエネルギーが溜まってきた。
「まずい!もう決める気だ!!」
そして、ハロが撃たれた。
「全員フィールド全開!あれを受け止めるんだ!!」
皆、ヨウの指示に従うしか術がなかった。
何百ものディスのフィールドが壁のようになり、ハロのエネルギーを受け止めた。
そこに紫郎たちが合流した。
「すまん!」
そういってフィールドを張り、受け止めようとした。
リリスとフィンもその中に入った。
ジミュートたちはその光景を見てその場に立ち止まった。
「所詮俺たちも捨て駒だったって訳か」
春が2人に云う。
「ふざけるな。俺が捨て駒だと?」
ジミュートが怒りを露にした。
「なら、決まりね」
そういって3人もそれに参加した。
「姉さん!春!ジミュート!!」
ヨウはそれに驚いた。
「俺たちも死んではいけない理由が出来てな」
春がヨウに云った。
「中でも彼が一番燃えてるわ」
弥生がジミュートを指して云った。
「3人とも・・・ありがとう」
ヨウは皆が団結したのを確信した。

エネルギーに耐えれえず、ディスが次々と堕ちてゆく。
ヴィーナス内部では少々騒がしくなってきた。
「議長!ハロのエネルギーが徐々に中和され始めています」
「何、完全に消し去る事など不可能だ。じきに決まる」
創は余裕をかましていた。
それを見ていたノゥが管制室から出た。
「これは議長の負けだな」
ノゥがナツメに云った。
「えぇ、もうすぐ彼に託したもう1つの力が発動するわ」
「この時のためだけの力だ。無駄にはしてほしくないがな」
2人はガラスで外が見えるフロアに居た。
「ここで彼らが耐えてくれないと我々が困るのよね」
ナツメがエネルギーを受け止めるディスたちを見下ろして云った。
「ところであれを託したのは誰なんだ?」
「とても面白い子よ」
ナツメが嬉しそうに云った。
ノゥは全ては訊かず、納得して外を見た。
「また来たいものだな、この星に」
「えぇ」
2人は外を見たまま立っていた。

ヨウたちは徐々に中和を成功している事を永原から聞き、もう少しと耐えていた。
「くそっ・・・無理か」
「弱気になるな!」
その状況を見て、ヨウは深刻な顔をした。
「あいつらが・・・親父たちが勝手な事をしなければ・・・」
ヨウの横をディスが堕ちていく。
「必要ないと人を切って・・・金に目を眩ませて・・・」
ヨウの機体に異変が起こった。
「ふざけるなよ!!」
眩い光がヨウのディスを包んだ。
そして、その光がハロのエネルギーを弾かせた。
エネルギーは小さくなり、空中で消えていった。
しかし、全部が全部消える事は無く、大きさが足りたエネルギーが地表に落ちた。
それはその一帯を焼き尽くしていった。
「ヨウ・・・」「ヨウ!!」
仲間たちがヨウの機体に寄って行く。
ヴィーナスは宇宙へと飛び立って行き、地上に残った者たちはそれを見ていた。
「まだ・・・また戦わなきゃいけない」
ヨウがコックピットの中で独り嘆いていた。
そして、1度この戦いは幕を降ろした。

ディサイション・パワード 2部第1話

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