異論・極論・直言――マスコミが言わない解説、提言

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2026.09.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
(若い人には常識、告白文化)

が一大イベントになっている。男性もしくは女性から、「私と付き合ってください」
とか、「私と結婚してください」というシーンが出て来る。
 外国の人からも、「日本は告白文化という面白い習慣を持っている」と言われる。
 洒落たレストランを予約し、婚約指輪や花束を用意し、膝をつきながら、相手に
告白するという「臭い」行為が、今の日本では珍しくもなく、行われている。

 でも、今、80歳を超えるようになった筆者の経験から言えば、我々が恋愛をした
若い頃に、告白文化などなかった。
 男性と女性が知り合いになり、一緒に喫茶店でお茶を飲んだり、食事をしたりする

となる人か、更には「恋人」や「結婚相手」になる人かの見極めが始まる。
 いや、まだ貧しかったから、異性と時間をかけて話をする時は、喫茶店どころか、
公園でブランコに乗りながらとか、河原を散歩しながらという方が一般的だった。

 そして、相手をどう見極めるかと言えば、少し親しくなると、何回か会って、次第
に、自分語りが始まった。家族の事、学校時代の思い出ー成功談、失敗談、記憶に
残る出来事、そして、仕事での小さな成功、失敗、悩み、人間関係などの話に入って
行く。
 自分を語るだけでなく、自分語りのついでに、相手についても、同様な事を聞いて
行く。そこから、相手がどういう生い立ちで、どんな価値観を持ち、どんな事で喜び、
悲しみ、苦しんで来たかを知る。
 そして、この人は単に「1友人」に留まる人か、「親しい友人」や「恋人」「結婚

 重要なのは価値観の擦り合わせである。悩みを相談できる友人になったり、恋人や
結婚相手となるには、ものの考え方、価値観が共有できないと始まらない。だから、
自分自身の家族、体験談などを話す中で、話が通じる人かどうかの見極めをするのだ。

 そして、この人とは、「恋人」や「結婚を意識する相手」になっても良いと思えたら、
表情でそれを表し、小さな心の籠ったプレゼントをしたりする(高い価格のものを贈る

見定めをしていくのだ。
「付き合ってください」とか、「恋人になってください」などと言葉でいう必要はない。
相手の態度で、相手の心を理解したのである。
 自分が相手に好意を持ち、相手も自分に好意を持っているとわかると、手を握ったり
というような身体接触になり、それで、相手も拒否しなければ、キスをしてというよう
に進んでいった。
 わざわざ、「付き合ってください」などいう言葉に出す必要などはなかったのだ。

(同級生から自宅に手紙)
 勿論、筆者の若い頃でも、「告白」は全くなかった訳ではない。筆者自身の体験か
ら言えば、小学校、中学校、高校と、その時代なりの「告白」をされた。やり方は、
ある日、相手から家に手紙が来るのだ。
 今と違って、プライバシーがどうのなどと面倒な事を言わない時代だったので、
同じくらいの生徒の自宅は皆が知っていた。
 好きだとか、付き合いたいなどという事は書いていない。自分を語り、日々何を
考えていて、何を悩んでいるかなどという文面が届くのだ。
 自慢ではないが、筆者は学校の成績は良く、小学校でも中学校でも、成績はクラス
でトップだったし、身長もクラスで1番高かった。顔も親が良く産んでくれた。だか
ら、家宛にそうした手紙が来たのだろう。
 でも、そうした話は、筆者が生徒時代には、クラスで体験する人は当時、クラスに
50人の生徒がいたが、1人か、精々2人くらいまでだった。
 同級生に手紙を書いて、無視されたり、拒否されたら、恥しいと思う人には、文通
相手というのがいた。子供向けの雑誌や受験生用の雑誌に、文通相手を求めるという
欄があり、会った事もない、同じ年位の遠方の人と、手紙のやりとりをするという
習慣が、当時は存在した。

 筆者は自宅宛てに同級の女性から手紙が来た時に、何をしたかと言えば、「無視」
をした。返事は勿論書かないし、学校で会っても、それ以前と変わらない態度で接し
た。
 何故、そうしたかと言えば、筆者は2歳半で父親が死亡したいわゆる母子家庭で、
極度に貧しかった。だから、デートする金も余裕もなかったし、勉強とスポーツに
打ち込み、それ以外の事に時間を割く余裕が金銭的にも、心理的にもなかったのだ。

 中学の時に、学年で一番人気のあった同じクラスの女性から手紙をもらったが、
筆者は無視をした。すると、その女の子は、学校で、他の生徒がいる中で、「手紙
を書いたのに、どうして返事をしてくれないのよ」と文句を言った。
 その時の事は今でも覚えているが、筆者は「学生は勉強が本分で、それ以外に事
に興味はない」と返した。
 そのやり取りを聞いていた、同級生の男性が「彼女を振るなんて、もったいない
な」と言ったが、筆者はそれも無視をしていたら、騒ぎは収まった。

(告白文化はアニメの影響か)
 かつて日本の若者の間でなかった「告白文化」がいつから、そして、いかにして、
定着したかわからないが、筆者の予想では、漫画、アニメの果たした役割が少なく
ないと思う。
 アニメでは、告白などのシーンが良く出て来るから、多くの人が、それが変では
なく、自然なものとして、受け取られるようになったのだと思う。

 前にも書いたが、筆者は終戦の少し前に生まれた。筆者の同級生の父親は戦争に
駆り出されて、その多くが戦死した。だから、中学生の時に、クラスの3人に1人
は、母子家庭だった。
 戦争に負け、工場も家も学校も焼け、小中学生の頃は、生徒の服にツギがあたっ
ているのは当たり前だった。筆者の通った小学校にプールが出来たのは、小学校6
年生の時だった。それくらい、当時の日本は貧しかったのだ。
 そして、筆者が高校に入る頃から、日本が高度成長時代になり、猛烈に働くのが
当然の時代になった。筆者自身も月の残業時間が100時間を超えるのも体験して
いる。休みは週に1日で、週休2日制になったのは、社会人になって、5年、10
年経ってからだった。

 団塊の世代は筆者の3年位後から始まる。戦争に行った父親が戦地から帰って
来て、それで大量に生まれたのが団塊の世代である。
 わずか数年だが、団塊の世代は日本が少し豊かになってから、育っているので、
年の差は歳だが、ものの考え方、価値観が大きく異なった。
 筆者とその上の年代では、男は結婚しても、指輪などつけなかった。それを
男も結婚指輪をつけるようになったのは、団塊の世代からである。そして、団塊
の世代は楽器を弾くようになって行った。
 筆者の世代は貧しくて楽器など手にする余裕がなかった。数年で、このくらい
価値観が違った。
 筆者は告白文化は、団塊の世代に芽をふき、団塊ジュニアの時代位から、日本
に定着したのではないかと思っている。

 そして、告白文化に影響を与えたのはアニメだと筆者は考える。
 筆者が高校生の時には、アニメという言葉はまだなく、漫画だった。そして、
漫画で子供達に人気があったのは、「赤胴鈴之助」や「巨人の星」そして、
「サザエさん」だった。
 それがテレビの普及とともに、映像化されたアニメが広くみられるようになり、
漫画ではなく、アニメとなり、そのやりとりが若者の生活に大きな影響を与えだ
したのだと考えている。

 筆者は告白文化が悪いとは思わない。
 ただ、筆者が学生、生徒時代の時のように、金がないので、喫茶店に入る事も
なく、公園のブランコや河原の散歩をしながらの会話の時代は、相手の態度と
発する言葉から、相手を理解し、自分との相性を考えた時代と、少し豪華なレス
トランで食事をとりながら、会話をする今の時代で、どちらが心が豊かで、真の
意味の心のキャッチボールをしているかと言えば、筆者の時代の方だったような
気がする。
 少なくても、筆者の時代には「以心伝心」のように、相手の態度、言葉の端々
から、相手を思いやったり、言葉に出さなくても、相手が何を考え、何を欲して
いるかを考える習慣があったが、今は、唐突に「私と付き合ってください」と
言わないと、相互の心が通じ合えない場面が多いのかなと感じたりする。

(有名女子アナとの会話)
 筆者は40歳過ぎて、大手マスコミを退社し、独立してフリーのジャーナリス
トになった。筆者の専門分野が外資系企業、人事問題、そして、「小さな世界一
企業」と言われる分野と、他の人や、大手マスコミが当時、ほとんど光を当て
ない分野だったので、頼まれて、本も25冊書き、テレビの情報番組に解説や
説明をするように言われて、結構出演した。
 その中で、当時、日本を代表する女子アナと落語家が司会をする番組があり、
4,5回呼ばれて話をした。そして、それがきっかけで、その女子アナから、
筆者の事務所に食事の誘いの電話があり、3,4回二人で一緒に食事をした
事があった。

 会って話をすると、特に何か特別な事を話をするというのではなく、話題
は、彼女が司会をしている番組に出演した「〇〇大学教授がこんな話をして
いた」というような事が、食事時間の主な話題だった。
 向こうから午後に電話があり、今日の夕方、時間があったら、一緒に食事を
しませんかという話なのだが、特に、今日話をしたいという事がある訳でも
なく、自分が番組で聞いた話をし、筆者はそれに合いの手を打つというだけ
の時間の過ごし方だった。

 初めての時はともかく、2回、3回とこんな話が続くと、この人は何のため
に筆者を食事に誘ってくるのかと考えるようになった。彼女は美人で、知名度
の高い女子アナで、番組も何本も持っている。
 でも、話はこんな感じで、自分自身、自分の家族、学生時代の思い出や、仕
事での小さな失敗、成功というエピソードなどを語ろうとしない。
 だから、筆者もプライベートな話はせず、合の手を打つような会話の連続で、
時間を過ごした。

 ある時、この有名女子アナが帰りの地下鉄のエスカレーターで「私、後2年
位で40歳になるんです。子供の事を考えると、悩ましいですよ」と言った。
 彼女が自分のプライベートの事を話をし、筆者の事も聞いて来ていたら、
自分に対する真剣な問いかけだと思うが、そういう会話が一切なかったので、
筆者は、余計な事を何も言わずに、その日は別れた。

 この女子アナとは、その後、自然消滅のような形で、食事をする事もなくな
ったが、その数年後、筆者の事務所で、事務所の女性と一緒に食事をしていた
時に、この女子アナがテレビに出ていた。
 自然と、事務所の女性と、この女子アナの話題になり、そのエスカレーター
での話をしたら、事務所の女性は、「〇〇さん、それは彼女からの求愛ですよ。
多くの女性と付き合って来て、多くの女性の相談にも乗って来た〇〇さんに
しては、それも気が付かなかったのですか。鈍感ですね」と言った。

 その時、筆者は事務所の女性に「だって、彼女は私の個人の事を何も聞いて
来ていないから、知らない。私が独身か、妻帯者かも知らない。それで、
どうして、求愛になるんですかね」と答えたが、事務所の女性は「経緯は
ともかく、それは自分に子供をくださいという告白ですよ」と言った。

 事務所の女性が言った事が正しかったのか、そうでなかったのかはわから
ないが、もし、事務所の女性が言うように、告白だとしたら、50歳を過ぎ
て、有名女性アナに告白をされて、どう対応して良いかわからなかった筆者
は、時代についていけていないおじさんだったのかなと、考えさせられた。
 ちなみに、この有名女子アナは、有名受験校を卒業して、早慶クラスの
大学に入り、そのテレビ局に、その年、採用1人で採用された才媛で、美人
でもあった。
 若い人からすると、彼女も筆者も今はじいさん、ばあさんだが、年寄り
同士でも、少し年が離れると、価値観が違うのかもしれない。





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Last updated  2026.09.19 09:43:17
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