[ ID:364 ] 04年12月06日(月) 08:48:23 辻貴之
吉田茂の負の遺産
いま産経新聞に、 吉田茂の「遺産」 と題して論文が掲載されています。
私自身、吉田茂が残した政治の功罪はプラス面のほうが大きかったと考えています。なにしろ、あの戦後復興に果たした手腕は見事なものがあったと考えるからです 。
しかしながら、負の遺産も少なくありません。今日の日本の置かれた状況を考えると、とりわけその思いを深くします。
昭和二十五年六月、アメリカ国務省顧問ジョン・フォスター・ダレスが講和をめぐる交渉のため来日します。(この来日中に朝鮮戦争が勃発します)
講和に当たって再軍備を求めたダレスに対して、吉田はその要求を断ります。その理由というのが「日本は再軍備に伴う経済費用や国民一般の激しい抗議に耐える余裕がない」(産経新聞)というものです。
ダレスにとって、「国の基本である国防を、経済や国民感情にまかせるということが、どうしてもりかいできなかった」(産経新聞)のである。
昨日も多くの人々と話をする機会がありましたが、少なからぬ人がいまの日本を憂いています。 その原点にあるのが「国を守る気概」の喪失です 。もちろん、それには左翼の影響が大きなものがあります。しかし、吉田茂にも、その責任はあるように思います。


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