新英語教育研究会神奈川支部HP

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雨の日と月曜日は Rainy Days and Mondays




Rainy Days and Mondays 雨の日と月曜日は

■ 授業での2つの展開例:分詞/句動詞
 この歌は、憂鬱な気分を抱えながらも結局は彼のところに行ってしまう「彼女」が主人公。その心の揺れが「分詞」や「句動詞」に込められている。歌を読みとりながら、文法事項の定着に使える、まさに「授業に歌を」にピッタリの曲だ。
 2つのアプローチを紹介したい。
■ 分詞の持ち味は「~して…」の「…」にあり
 Rainy Days and Mondaysには現在分詞が多用されている。
Talking to my self...「自分に話しかけて…」
Feeling old...「年をとった感じがして…」
Hanging around...「ぶらぶらして…」
Walking around...「歩き回って…」 
 ここで注目していただきたいのは~ingの和訳の「~して…」の「…」である。「…」という意味だからこそ、述語動詞として用いるときには、現在進行形ではis / am / are「いる」、や過去進行形ではwas / were「いた」のように、be動詞が必要になる。分詞構文では、別途、述語動詞が必要になる。
 分詞を扱うときに私がこの数年提唱しているのは以下の2点。
(1) 部分訳をつける。
(a) 現在進行形から現在完了進行形へ
I am         running.
いる        走って…
I've been      running for thirty minutes.
(ずっと)いる   走って…
(b) 過去進行形、SVC、分詞構文
He was        running.
いた        走って…
He came       running.
きた       走って…
Running down the street, he came up.
走って…        彼は…
Night coming on,    he went home.
夜が 始まって…     彼は…
I am busy      doing my homework.
忙しい       宿題をして…

(2) 「感情や体調を表わす-ing / -ed」と「動作を表す-ing / -ed」を区別。
・感情や体調:人の気持ちは-ed、物事の評価は-ing
・動作:人がする側で-ing、物はされる側で-ed
  動作 I am    running.
     いる   走って…
  感情 I am   excited.
     いる   興奮して…

 いくら注意しても、*I am exciting.と生徒が言ってしまうのは「興奮している」というのを「動作の進行」と勘違いしているからである。私は「人の気持ちは-ed」「物事に関する評価は-ing」と生徒に話している。
  動作 This book is   written in English.
     いる       書かれて…
  感情 This book is     boring.
              退屈な…
 以上述べたのは「基本」である。人もknown(知られ…)、loved(愛され…)たりする。そして物事同然に「者」[もの]としてa boring person(つまらない人)のように人物評価されうる。

■現在分詞では「誰が?」、過去分詞では「何が?」と問いかける習慣を!
 冒頭でTalking to my selfノ「自分に話しかけて…」と始まるが、ここで発問したいのが「誰が?」という問いだ。すでにmyselfで、主語は「私」だと判明しているのだが、Sometimes Iユd like to quitのところにきて「私が」という主語が判明するということを強調しておきたい。

■句動詞(Phrasal Verbs)から擬態語へ
 Funny but it seems I always wind up here with you.(ばかみたい、結局いつも一緒にこうしてここにいるみたいね)のwind up。辞書でひくと「~というはめになる」「結局~になる」のように書いてある。この歌を扱うときには「なぜwindという動詞を選んでいるのか?」を考えさせながら、英語の句動詞の醍醐味を生徒に伝えたい。
 英語の句動詞の醍醐味とは「動詞をずらしていってニュアンスを出すこと」だ。そのためには句動詞のグループ化が欠かせない。日本語では擬態語「ぐるぐる/くねくね」「ぶらぶら」と表現するところを、wind(ねじを巻く)、hang(ぶらさがる)という動詞が表している。彼女が悩んで「どうしようかな」と思っている気持ちやためらいの「くねくね感」がwind upに表れている。
(1) 「場所を表わす副詞」の意味を確認
周囲
├ about 辺り
└ around 周囲
その場
├ up 登場から停止へ
└ out「突出」「発生」

(2) 他の句動詞との違いを示す
 turn up(現れる)とend up(結局~に終わる)の中間的位置にあるのがwind upだと示す。
turn up turn:変化して~になる
show up show:姿を見せる
pop up pop:「ポン!」というイメージ
wind up wind:「くるくる」巻くイメージ
end up end:終了する


Rainy Days and Mondays 雨の日と月曜日は
Carpenters ♪カーペンターズ

1.  自分に話しかけて…、
2.  年をとった感じがしたり…
3.  時々、やめたくなる
4.  何もかもがしっくりしないようなの
5.  ぶらぶらしたり…
6.  何にもできないで、しかめつらするだけ
7.  雨の日と月曜日はいつも憂鬱

8.  私の今の気分を
9.  かつては「ブルーな気分」と言っていた
10.  何か間違っているというわけではない
11.  なじんでいない感じがしたり…
12. 歩き回って… 
13.  寂しがり屋のピエロ
14.  雨の日と月曜日はいつも憂鬱

15.  ばかみたい
16. 結局いつも一緒にこうしてここにいるみたいね
17. だれかが自分を愛していると知るのはいいもの
18.  ばかみたい、これが唯一することだなんて
19.  自分を愛してくれる人を走って見つけるだけ
20.  私の思いは行ったり、来たり
21. 口に出して言う必要はない
22.  あなたも私もどんなものかだいたい知っているから
23.  ぶらぶらしたり…
24.  何にもできないで、しかめつらするだけ
25.  雨の日と月曜日はいつも憂鬱


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