新英語教育研究会神奈川支部HP

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ルター、学校へ行く(私立女子高編13~25)


●ルター、学校へ行く(私立女子高編その13):キダタローさんの「ジャズマンのお話」+反省

 NHKFMで作曲家のキダタローさんが映画『グレンミラー物語』の中で空襲を受けたグレンミラーの楽団やタイタニック号でもオーケストラが演奏を止めなかったのは、止めないことでお客さんがパニックにならない効果もあるけれど、演技者としての「魂」だと話していた。「どんなことがあっても演奏会場に行って演奏する、そういうバンドマン魂がありましたが、今は弱っているかな」というお話でした。
 9月になり、授業開始したルターは、授業者として、昨日はかなり恥ずかしいことがありました。気を引き締めて参ります。

October 3, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その14):スピーチコンテスト+太田裕美コンサート

 今日は前期の成績処理のため、登校したら、生徒たちは前期の終業式の前にスピーチコンテストをしていた。「アフリカの少年兵のことをテレビで知り、自分の思いを重ねてみた」生徒、「同性愛者の知人男性が躁鬱病で苦しんでいるのを知り、精神疾患に関心を持ち、臨床心理士になりたいと思っている」生徒、さまざまなスピーチがあったが、そのなかでも高3の教えている生徒が宮沢賢治の「世界ぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」を引用していたので自分とリンクしてビックリした。
 この夏に新英研のM先生に資料再送をお願いしたところ、資料と、なぜか宮沢賢治の「世界ぜんたい幸福に~」のからカラーコピーがおまけとして入っていたのだった。すてきなメッセージだと思ったので、部屋に飾っておいたのだ。そのことばが今日、目の前で再現されたので、ほんとうに驚いた。世界の幸福と、個人の幸福。どちらも追求していきたいと感じた。片方だけで成立することはないと私は思っている。

 昨日は大田区蒲田のホールで太田裕美コンサートがあり、姉と出かけた。「なごり雪」「22才の別れ」を作った伊勢正三さんも参加し、2時間半の充実したコンサートだった。ファン層は50歳前後のおじさんが半数。力強い感じがした。
 曲はO.ヘンリーの小説「最後の一葉[ひとは]」をモチーフにした「最後の一葉」が印象深かった。「レンガ塀の最後の一葉、Hello Good-by ありがとう青春、こごえる冬に散らない木の葉、あなたが描いた絵だったんです」という歌詞で、叙情的なピアノにあわせて歌われていて、小説とこの歌をセットで授業で扱いたくなった(できるかな??)。
 松本隆さんの作詞の曲が多いのだが、「たんぽぽ」が好きなので、ぜひ生で聴いてみたいと思った。2児の母としてはつらつとしている太田裕美さん。すてきです。

November 8, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その15):『コスモス2』のLesson 10の特別授業

 『コスモス2』のLesson 10は「ゴッホと浮世絵」がテーマ。3クラスの合同授業で、美術のH先生に10年前に描かれたプリント教材「美術教養4コママンガ」のシリーズでゴッホの一生を語っていただいた。
 ゴッホの描いた「カフェ・タンブランの女」を小学生の頃に観て、焦点が合わない女が描かれているのは、ゴッホが間違えて描いたのかとずっと思っていたら、十数年前、世田谷美術館のゴッホ展の解説で「目の前に並んでいる皿の数が飲んだ酒の数と一致しており、数杯飲んだあとの女の顔だった」ことが判ったときに、疑問が氷解し、その勢いで描かれたプリント教材だということを教えてくださった。高3の生徒達に向かって「20歳になるまでに出会った疑問やテーマがその後の人生を支えるから、そこを覚えておいてください」と話された。生徒は「あと、2年か~」とつぶやいていた。ルターが文法、特に冠詞にこだわるきっかけは、大学1年のころの「犬が好き事件」(このHpの左のコラムにあるMy Favorite Things『新英語教育』(三友社)の2002年1月号「授業に歌を」をご参照ください)だったから、H先生の仰るとおりだな~。なんて心で思った。
すばらしい1時間だった。

November 12, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その16):ルター、卓球のトーナメントの賞品をもらう

 昨日は高3のレッスンテスト(2期制なので、試験範囲が広くならないように、英語科では1レッスンごとにテストすることにしている)の印刷のため、授業がない日なのに1時間半をかけて学校へ行ったルター。しかしそれは真の目的ではなく、高3の生徒5人と先生2人とで卓球をするためだった。学校で卓球するのは3回目。学校には卓球部がないので、自由に使えるのだ。
 ルターは小中高と卓球部なので強いのだが、中学で卓球部だったOさんには負けてしまうこともある。1回目のトーナメントでOさんが優勝、2回目のトーナメントでルターが優勝した。そこで生徒が賞品をくれるという。「うちの学校らしい、賞品だけど…」と言いながら生徒がくれたのは「カレーセット」。カレーのルー1箱とじゃがいも2個、ニンジン3本、たまねぎ1個だった。もらってほんとうにうれしかった。物もさることながら、その賞品を選んだ「心」がうれしかったのだ。
 この学校ではいわゆる総合の授業の中で、3クラスで「畑仕事」「共食」「学習」に分かれて、「共食」のクラスが3クラス分の食事を用意する。メニューはカレーだったり、天ぷらだったり、いろいろだ。その余った食事が職員室にまわってくることがしばしばある。昔と比べて、時間数が減ったそうであるが、、ルターはこの学校に来て、食べ物も豊かだが、心が豊かだな、と感じていた。
 このカレーセットは、ルターが教えてきた他の学校では考えられない賞品だった。教育って、こういうさりげない場面で出てくると思ったよ。素敵な学校に来られて、ルターは幸せだと思った1日だった。

November 20, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その17):高2のクラスで+例会でヒントをもらう+例会の後の飲み会で

 昨日は高2のクラスで基本に返ろうとういうことで、現在形と過去形(-edのみ)のつづりと発音のプリントを使って板書で解説。やってみて…、う~ん、かんばしくない反応。どうしたものかと思っていたところ、神奈川支部の例会のI先生のレポートで、百マス計算にヒントを得た動詞の活用ワークシートのフォーマットの紹介があり、ルターの頭の中はクルクル回り始めた…。次週の土曜日の授業で試してみたいと思っている。ルターはプリントの作成ポイントは「何が学習者の手元に残るか」だと思っている。後日談はまた…。
 例会の後の飲み会では、いつも行く東急東横線大倉山駅そばの「好善(よしぜん)」でみんなの大好きなちゃんこ鍋を食べながら歓談するのが楽しみである。乾杯が終わって話そうとしていたところ、隣の座敷から喧噪が聞こえて来るではないか。夫婦と子ども(小さな女の子)の家族連れなのだが奥さんが声を荒げてダンナさんにからんでいる。「こうした方がおししく食べられるっていってるの!」と言う奥さん。そこに可愛らしい声で「おかあさんが、大きな声を出すからだよ」と女の子が諭す声が聞こえてきて、ダンナさんも「子どもの前でよしなさい」と奥さんに声をかけるのだが奥さんの気持ちは収まらないようで、しばらくの間、諍いが聞こえた。子どもの声は神の声だな…、と思いながら独身者ルターは、複雑な心境で聞いていた。この家庭、大丈夫かと。こんなにかわいらしい女の子がいるのに離婚することになるのか…、声を荒げる奥さんが悪役のように見えるが、もしかしてダンナさんが浮気でもしていて気がむしゃくしゃしているのか…、きっとダンナさんは嫌気が差しているだろうからいずれ浮気するだろうな…、悪循環だなぁ…、などなど想像が膨らんだ。
 核家族になって夫婦のあいだに入る人が居ないのは、ほんとうに辛いことだ。子どもにはその任は重すぎる。仲介人があてに出来ないなら、自分で解決するしかない。女性はもっと賢くならなければならない。昭和20年代に婦人公論に連載されていた、伊藤整さんの『女性に関する12章』は座右の書だが、あの本ではまさにこのようなケースの処方箋が書かれていた。自分の生徒たちには、女性としてこのような袋小路に入り込まないように「考えるわざ」「遊び」を伝えて行きたいと思う。
 この文章を書いていて「仲良きことは美しき哉 実篤」ということばが思い浮かんだ。男性も女性も人として美しく生きてほしい。

November 23, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その18):11/21基礎英語2+11/23英語授業研究学会に参加

 11/21基礎英語2でAre you going camping?を「キャンプに行かない?」と講師の方が和訳をコメントしていたので、早朝からルターは「がっくり」きたが、同時に「負けてはいけない」という意欲も湧いてきた。Are you going camping?を「キャンプに行くの(ですか)?」という和訳が標準とされるまでルターは訴え続けるよ。

 11/23筑波大駒場で開かれた英授研の集まりに参加したルター。新英研神奈川支部から3名、勤務校から2名の先生方が参加していた。
● 中学のビデオ授業研究:素敵なU先生
 中学のビデオ授業研究で、天気の言い方を取り上げていたので、「It will be fine tomorrow.と言うのは神や天気キャスターでないと違和感があると『レクシス・プラネットボード』でコメントしているネイティブがいる。自分が天気キャスターという設定ならよいが、実際の発話ではthat節にして、I think that it will be fine tomorrow.やIユm afraid it will rain tomorrow.のようにしたり、予兆をあらわすbe going to「ゆくゆく~しそうだ」を用いて、It is going to rain.のように使っているので、展開を考えていくとよい」と意見を出した。U先生はすぐに真意を理解してくださったようで、うれしかった。こういう素晴らしい先生に習える生徒は幸せだなと感じた。

● Kさんの講話
 Kさんの講話はたいへん為になった。Kさんは誰かに似ているな、と思ったらマーチン・ルーサー・キングだった。I have a dreamの心意気で闘ってほしい。
● 織田稔先生の冠詞についての講演
 ルターが一番楽しみにしていたのは織田稔先生の冠詞についての講演だった。残念ながらsomeが無視されていた。講演後の織田稔先生にルターは駆け寄ってsomeのことをお話ししたが、終始視線を合わせてくれなかった。早く記事を投稿し、本を書いてsomeの名誉を回復せねば、と感じた。

November 26, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その19):Rhyme「押韻」について

●11/25NHKラジオ第2の「シニアのための物知り英語塾」でディズニー映画『ピノキオ』のWhen You Wish Upon A Star「星に願いを」を紹介していた。

If your heart is in your dream, 心が夢の中にあれば
no request is too extreme. どんな願いも、度が過ぎているとはならない

この歌詞の「心が夢の中にある」というのは不自然な気がしませんか?
 これは歌では押韻を優先することがあり、意味上は「夢が心の中にある」が正しく、
 dream / extremeという押韻を優先させ、韻を踏むようにdreamを行末に移動してあるのです。
If your dream is in your heart, 心に夢があれば
ということです。

 講師の方は「押韻」にまったく気づいていないようだった。
 (Your heart is in ~というフレーズを展開していたぐらいだから…)
 押韻というルールは英語のネイティブスピーカーだから分かるというものでもない。10数年前に「英語でポップスを」というNHK教育のなかでも、英語ネイティブの講師は気づいていなかった。

● 高3の授業でWinsor McCayマンガのLittle Nimoを取り上げた(すばらしい作品です)。取り上げたマンガがマザーグースの歌Hey! diddle, diddleをテーマにしていたので、クイズを出した。
Q:「なぜお皿はフォーク(fork)とではなく、スプーン(spoon)と逃げたのでしょう?」
Hey! diddle, diddle,
The cat and the fiddle,
The cow jumped over the moon;
The little dog laughed
To see such sport,
And the dish ran away with the spoon.
(http://www.amherst.edu/~rjyanco/literature/mothergoose/rhymes/heydiddlediddle.html)
A:「月(moon)とスプーン(spoon)で押韻するため」

 高3のクラスでは、ビートルズのHello GoodbyeとItユs Been A Hard Dayユs Nightも扱った。
 Hello Goodbyeでは、「I say high, You say low、という歌詞があるが、なぜ反対語はたくさんあるのにhighとlowを選んだのでしょうか?」と問うて「helloと韻を踏むため」と教えてあったのだが、今回のマザーグースのクイズでは気づいてもらえなかった…。
 せっかく英語を学んでいるのだから、どの生徒にも卒業する前までにRhymeはしっかり伝えたいなあ、とルターは考えている。

November 27, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その20):ルターが今の学校に来て嬉しく思っていることについて

 以前も書きましたが、4月から勤めている今の学校に来て嬉しく思っていることは「食べ物」が豊かなことである。生徒たちは学校のそばの畑で作物を育て、長野にある施設で米を育てている。昨日(土曜日)は高2の2時間があって、そのあと学校で作業しようとおにぎりを買って持っていった。すると給湯室からいい匂いが…。高1の生徒たちが作ったという、ごぼうとダイコンと人参の入った豚汁があるではないか! まさにピッタリの昼食になった。そして高2の生徒の句動詞(Phrasal Verbs)の教材を根詰めて作っていて5時になって帰ろうかな、と思ったら、また給湯室に食べ物が増えており、山盛りになった、蒸かしたサツマイモと30個あまりのおにぎりが…。これも高1の作ったものだそうだ。サツマイモはおいしいのでその場で2本食べ、「持っていってもいいですよ」の言葉に甘えて4本持ち帰った。朝、温めて食べたら紫イモでおいしかった。
 20年前、大学のM教授が「食事がおいしくない学校はダメですよ」と学食批判をされていたが、確かに食事がまずいのはダメですね。以前居た学校の食事がまずくてイギリス人の先生が食べるたびにboringって嘆いていた。食事がまずくては、やる気がでないですよ。
 ルターの持論としては「食べ物がおいしい国が勝つ」というものがあり、イギリスとアメリカはどうも舌が麻痺しているとしか思えないし、ドイツは素朴すぎる。やはり最後に勝つのはフランスや中国でしょう。特に中国はお粥がおいしかったなぁ。
 食事がおいしいこの学校がすてきな学校になるようにルターもがんばるよ。

December 3, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その21):学校の忘年会が横浜中華街で

 今日は学校の忘年会が横浜中華街でありました。エビチリが特においしかった! 35名ぐらい参加者がいたと思いますが、貸し切りの部屋で最後に円陣になって手をつないでみんなで心を一つにして校歌を歌いました。「あれ、何かに似ているぞ?」 そうです。新英研全国大会などのつどいの最後に歌うWe Shall Overcomeと同じでした。この日、ルターがこの学校に呼ばれた理由がわかった日となりました。よかった、よかった。

December 7, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その22):クリスマスソングを聴く+CDを借りる

● 水曜日の昼休み、隣の席の数学のK先生が「高3の選択授業の生徒たちがホールでクリスマスソングをこれから歌うそうです」と教えてくださった。さっそくで早速行ってみると、地下1階に生徒が飲み物やパンを買ったりするスペースに円卓が5つほどとグランドピアノが設置されていて、音楽のD先生の伴奏のもと、15人ほどの生徒が昼食を食べている生徒を前に歌い始めた。吹き抜けになっているので1階、2階にも聞こえる。「ホワイトクリスマス」や、なつかしい「荒れ野の果てに 夕日は落ちて … オ~、オ~、オ~、グローリア」という歌など、4曲ほどを歌ってくれた。私の母はクリスチャンなので、子どもの頃は家でその歌を歌ってくれたことが思い出された。しばし、思い出に浸ったルターだった。
● その数日前に高3のTさんが「補習してください」というので図書館でいっしょに勉強したとき、反対に最新ポップス・ロック事情を教えてくれた。そして今日CDを3枚貸してくれた。英語科のS先生からもSさんも好きだというGreen DayのCDを借りているので4枚のCDが手元にある。みなさんはご存じですか、この4組? 教えるというより、教えられた放課後でした。
 ・Jessie McCartney「Beautiful Soul」:あどけない少年。ピノキオの星に願いをカバーしたり、
曲調が古く、4枚の中で私にはいちばん合っているかんじがしました。 
 ・Green Day「American Idiot」:グラミー賞を獲っている3人組。主張のある歌詞が特徴。
 ・D-SIDE 「Gravity」:この3人組はテレビで観た気がします。明るいポップス調。Gravityの前奏の曲調がスピッツに似ている…。
 ・Blue「best of Blue」


December 9, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その23):演劇鑑賞で非日常世界へ

 昨日は代々木上原にある東京ジャーミイ(トルコ文化センター)というトルコ様式のモスクでクラシックス・アップデート(http://homepage2.nifty.com/cud/)という集団の「つづきゆくものがたり」という千夜一夜物語のお芝居を観ました(昨日が最終日)。学校に講師に来ているすてきな女性が出演していてチラシをいただいたのがきっかけです。場所も(モスクに入るなんて、なかなか出来ない経験です!)衣装も異国情緒があり素敵でしたし、歌を多く取り入れていて芸大の学生さんが参加していて聞き応えがありました。役者さんもよかった。
 ストーリーは知っているものではありましたが、観てよかったと思いました(ちなみにルターが小学6年の時の学芸会の出し物はアリババの話で主人公を演じた)。ライオン狩りに行っている間に他の男と合っていた后を斬り殺した国王(哀れでした…)。それが契機になって、国中の処女を一晩の花嫁として迎え、女になった后に向かって「女は裏切るものだ」と毎朝切り捨てる。「ここで死ねば、裏切ることはもはやないのだからお前も喜べ」という理屈で…。この不条理に終止符を打ったのは、賢婦シェハラザードの豊富な物語でした。その過去の物語が尽きたとき、千夜一夜のあいだに生まれた3人の子どもたちとともに「新しい未来の物語が始まるのです」と語るシェハラザード。千夜一夜もよく我慢してたな~と思いました。「人間は変わる、しかし、そのぐらい期間をかけないと人間はかわらない」という重さを感じました(脚本が巧みでした)。
 チラシには「芝居はあなたの身近な非日常」というコピーがついていて、「非日常の物語が退屈な日常から人を救う」という芝居のテーマと重なり、私自身も浮上しました。

 その他、子どもっぽい感想ですが、浮気はいかんな、とか、毎日工夫しないとダメなんだな、ということも感じました。あのような古典を持つイスラム世界、女性性のとらえ方が今にもつながっているようにも感じました。

December 10, 2005
●ルター、学校へ行く(私立女子高編その24):今日は高2の前期中間テスト+目黒雅叙園で中華料理

 今日は高2のテストが終了。国語のN先生に「あれ、今日はおでかけですか?」と見抜かれてしまったルター。珍しくスーツ姿であった。午後から姉の家族と母と食事会なのだった。甥っ子(小5)の誕生日が来週なので『ナルニア国ものがたり』をプレゼントした。不動前の本屋さんにはエンデの『はてしない物語』がなくて、それをあげようとおもっていたんだ、と話すと、姉のダンナさんが「最後がどうなってるか気になって今図書館で借りてきている」とのことだった。エンデを読んでいると知ってうれしくなった。いいダンナさんである。今回の会報は遅れて今日N先生に発送した(すみません…)。その中で『はてしない物語』のことを書いているので、私も今日読み返したばかりだった。
 姉からは「HPに最近日記がアップデートしていない」との指摘が。というわけで、まとめて、どどんと書いてみました。今日の中華はエビチリも麺もデザートもおいしかったので、甥っ子たちもよろこんでいた。目黒雅叙園では結婚式がとりおこなわれていて、一回ぐらい、してもいいよね~と姉と話し合った。
 お隣にあるお寺が八百屋お七ゆかりの寺だと聞いたり、雅叙園のお手洗いが広くて橋があって川が流れていたのでビックリしたり、おもしろかったです。

●ルター、学校へ行く(私立女子高編その25):高3で最後の授業

 早いもので4月からの授業も19日で終了。そこでプリントで何か「はなむけの言葉」を、と
考えて「新聞を読もう」ということで、以下のような内容で紙面を構成した。
 1) 投書欄
  12/17の朝日新聞朝刊の投書欄。神奈川在住の61歳男性が郷里佐賀県での昭和20年代の農家の餅つきを振り返って、子供だった自分が手伝いたいというと、祖母が「隣に行ってホケマクイを借りてきて」と言われ、隣家に行くと「隣に貸したままになっている」と言われ、ホケマクイを探し求め近所を一巡してしまったという。ホケマクイとはホケ(湯気)を絡め取る道具という意味だそうだが、実際には存在せず、「子どもを餅つきから排除するのではなく、手伝っていると思わせる先人の知恵だった」という。
 この記事を引用し、庶民の知恵とその新聞社の世論形成の場でもある投書欄をまず読むように勧めた。
 2)死亡記事
 「ネパールの赤ひげ」と呼ばれたマグサイサイ賞受賞の岩村昇さんが27日に亡くなったという、11/28の記事。貧しい人を診る医師のことを「赤ひげ」という比喩を用いること、アジアのノーベル賞と言われる「マグサイサイ賞」のこと、この2つだけでも高校生にとって勉強になるはずだが、岩村昇さんのことに触れる、よい機会になると思う。新英研の福岡大会でお会いしたアフガニスタンを支援するペシャワール会の医師、中村哲さんもマグサイサイ賞を受賞している。そのことも当日触れたいと思っている。
 3)リコール記事
 ナショナル(松下電器)の石油ヒーターの事故は大きな問題になっているが、それ以前からリコール記事をみるようにと、授業で話していたので、重ねて話したい。
 4)国際欄
 フランスでの暴動はラップ音楽があおったせいだという議員の主張に対し、ドピルバン首相がノンと答えた、という12/1の朝日の記事。
 日本の人も声の大きい人に負けてはいかん、と言おうと思っている。また「こういう人もいる」「こういうこともある」と認めてしまう「価値の相対化」の恐ろしさについても話したいと思っている。おかしいことはおかしい、と言える人になってほしい。

 生徒たちに先日、新聞を読んでいるかと聞いたらほとんど反応がなかった。テレビのニュースしか見ないらしい。大丈夫か、日本? これ、教育が悪いせいだと思うよ。某ミネラルウォーターの中にガラス片が入っているかもしれないというリコール記事が最近あった。みんな知らぬ間にガラス片を飲む程度で済むんだったら、いいけど。
 自分が知らない間に放射能に被爆していたり、あるいは他者が被爆することに荷担していたり…。そういうことにつながっていると思うよ。私はそんなことに荷担したくないよ。

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