Tapestry

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RED DRAGON

「レッド・ドラゴン(RED DRAGON」 2005-05-25

とにかく怖かった~。実はこの「レッド・ドラゴン」、古い方の映画も観たことあるし、
原作も読んだから(トーマス・ハリスは大好きな作家)あらすじも最後のオチも知っていたのに、
それでも怖くて、夜なかなか眠れないほどだった。
スリラーとして、それほど上手くできた映画だったと思う。
前の映画も原作も、どちらのイメージも壊していないし、役者陣もみんな良かった。

猟奇殺人の犯人を捕まえるために、精神科医のレクター博士に助言を求めに行った、
FBI捜査官ウィル・グレアム(エドワード・ノートン)だったが、
ある事からレクターその人が犯人であることを知り、殺されそうになりながらも、
彼を捕まえる。その後、精神的なダメージから引退し、
フロリダで家族とひっそりと暮らすウィルだったが、新たな殺人事件の捜査を依頼され、
レクター博士に助言を求める事になってしまう。

頭が良くて緻密な捜査に手腕を発揮するウィルという役柄に、ノートンはぴったりはまっている。
原作や前作では、ウィルのイメージはもう少し強そうではあったような気がするが、
一見ひ弱そうなノートンでも、かなりいい線いってたのではないだろうか。
ひ弱そうだからこそ、結末を知っていてもなお、「この人大丈夫だろうか?」などとい
う不安に駆られて、恐怖感が募ったのだから。
始終涙目で淡々と話すウィルは小犬みたいだ、と思ったし、
FBI捜査官でも、生身の一人の人間なんだという事を感じられて、その点も良かったと思う。

アンソニー・ホプキンスがはまり役なのはもう、言うまでもないが、
犯人のダラハイドを演じていたレイフ・ファインズも良かった。
ダラハイドの救いようのないクレイジーなところも、
彼自身が、愛する女性を救うためにその狂気と闘おうとするシーンも、涙なしでは見られなかった。
やるせないのは、このような猟奇殺人を犯すようになった犯人というのが、
必ず幼少の頃に信じられない深い傷を負っているということ、
自分ではもはやコントロールできないトラウマを抱えているということ。
レクター然り、このダラハイド然り、である。

ストーリー自体も面白いし、なかなかいい映画にしあがっていると思う。
★★★★☆かな。怖がりの人にはお薦めできないけどね。


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