買書とつんどくの日々

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2007年12月15日
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蜂飼耳さんの「紅水晶」を読みました。
やっぱり詩人さんですね。言葉使いがおもしろいです。
「くらげの庭」の冒頭を引用してみます。

「輸入物の苺を食べてはいけない、と清子からいわれている。とくにアメリカから来る苺には魚の遺伝子が組みこまれているから、口にしてはいけない、と止められている。どうして魚の遺伝子なんかを?と訊くと、清子は背後から脅かされたように両目を剥いて、皮よ、と声を低めた。皮、ですか?そうよ、苺の表側のね。運ぶ途中で痛みやすいからって、皮を少しでも丈夫にするために魚の遺伝子を組みこんだのよ。え、でも、動物と植物を混ぜることなんて、できるんですか?できますよ。まるで自分の発見であるかのような誇らかな音声を織りまぜて、清子は断言した。」

ちょっとユーモラスなところを引用しましたが、この本全体の印象としては、張りつめているのに静かさがあります。
ただ、表題作の「紅水晶」は小説としては破綻しているのではないか、と思ってしまいました。
僕には、引用した「くらげの庭」と特に最期の「六角形」が面白かったです。
でもほんとは、もう少し幻想的なものを期待していたんですけどね・・・。





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Last updated  2007年12月15日 17時51分56秒
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