買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2008年07月12日
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皆川博子さんの「 死の泉
一度挫折しているので心配でしたが、ほんとうに面白く読むことができました。

クラウス・ヴェッセルマンの美に対する倒錯した追究が中心テーマなのでしょうが、それを彩るガジェットも、ゲルマン神話、ナチの収容所、去勢(カストラート)、不死(人体接合)など存分にとり揃えられており、ひとつ間違えば悪趣味に陥るところを、よく踏みとどまって効果を高めていると思いました。

そして、どんでん返しの「あとがき」です。
クラウス=ギュンター、ギュンター=フランツ、マルガレーテ=レナという読み直しを示唆されているように思い、再読すればどういう模様が展開するのか興味深いところですが、これは記憶に残っているところを組み替えて、語り=騙りの余韻に浸って満足することにしました。
というのも、この本については、読み替えにこそ意味があると思われるものの、なにしろ続けて再読するには気力がついていきません。
どなたか挑戦してみてください。


ところで、この本はギュンター・フォン・フュルステンベルグというドイツ人が書いた本を、野上晶という人が翻訳した事になっています。


「死の泉」の出版は1997年。
実際の皆川さんの「 薔薇密室 」は2004年、「 倒立する塔の殺人 」は2007年の出版なのですが、これはいったいどういうことなのでしょうか?
まったく、皆川さんには驚かされっぱなしです。





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Last updated  2008年07月12日 07時36分32秒 コメント(2) | コメントを書く


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