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2008年12月10日

「スメラギの国」読

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朱川湊人さんの「スメラギの国」

猫に似たヒュンという生き物「スメラギ」との接触により目覚めた特殊能力を用い、猫の王国を建設しようとする猫「ルイ」。
誤って「スメラギ」の子「プリンス」を殺してしまい、猫たちとの凄まじい闘争に巻き込まれる人「香坂志郎」。
最初に目覚めた猫でありながら、もとの生活のまま、人との共生を生きようとする猫「ジンゴロー」。
一人息子を交通事故で亡くし、喪失感の中で、加害者への鬼のような復讐心に燃える人「村上」。
新たな能力への過信から過ちを犯し、傷つきながら、「村上」との接触を通してさらに新しい共生に目覚める猫「チョコ」。

この２人と３匹を中心に話は進んでいき、半ばは少し痛々しいホラーで、最後はかなりベタでセンチメンタルなハッピーエンドとはなりますが、自称猫党（？）の僕としては、猫と人の殺し合いというのは、けっこうキツかったのでした。

僕には、残念ながらこの本が良い本とは思えなかったのですが、時を超えて存在しているこのヒュンという死なない（死ねない？）猫に似た生き物、という発想にとても強く惹かれるものを感じました。

朱川さん、ぜひ続編を書いてくださいね！

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