買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2010年09月07日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類


息子の頭に顎をのせ、さわさわと春風にゆれる木々をながめながら、エリンは言った。
「おかあさんね、そういう人になりたいの。松明の火を手渡していける人に」

(上橋菜穂子さん「獣の奏者(完結編)」P52)

というわけで、上橋菜穂子さん「獣の奏者(探求編、完結編)」を読みました。

しかし、この、やりきれない結末は、国家、民族間の争いという大きな歴史の中での個人の運命を思うとき、必然なのでしょうか?
そんな中で、作者の思いをメッセージとして伝えるには、ちょっと甘いけれども、やっぱり上の引用がふさわしいと思ったわけでした。

ただ、作品としての出来は、闘蛇編、王獣編のほうが格段によく、また、この2編で完結していますので、書かれてしまった「その後」を知りたい人でなければ、あえて読まなくてもよいのではないかと思いました。

個人の思いを超える流れの中で、エリンも精彩を欠いているように思いますし、なによりもジェシが魅力的には感じられませんでした。
クリウもよいキャラクターだと思うのですが、再登場しませんでしたね。
ちょっと残念かもしれません。

06215632.jpg

06215633.jpg

ところで、「獣の奏者」の外伝ということで、「 刹那 」が発売されました。


「ずっと心の中にあった、エリンとイアル、エサルの人生――彼女らが人として生きてきた日々を書き残したいという思いに突き動かされて書いた物語集です。――上橋菜穂子」
(講談社の紹介)

06216439.jpg





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010年09月07日 08時26分19秒
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

shov

shov

Calendar

Favorite Blog

ヒトラー 第五部 … New! 鴨ミールさん

リト@葉っぱ切り絵展 吟遊映人さん

2024年12月発売予定… ぴいたあ8888さん

眠りの底で 無花果。さん
ミステリの部屋 samiadoさん

Comments

aki@ Re:聞いた曲(2024.1.20)(01/20) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
shov @ Re:「フラニーとズーイ」(メモ12)(07/19) ご訪問ありがとうございます。 記事読ま…
ゆきこ@ 日本にとって大切な参院選 初めまして、こちらのブログとは場違いな…
omachi@ Re:「比ぶ者なき」(メモ11)(04/10) 歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知っ…
http://buycialisky.com/@ Re:「お嬢さまと青バラの君」(紹介)(03/30) differences entre viagra cialis levitra…

Free Space

設定されていません。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: