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2010年12月29日

「火星ダーク・バラード」読

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「――地球へ行かせて下さい」
「何だって？」
「（中略）世界のことをもっと知りたいから」
（上田早夕里さん「火星ダーク・バラード」Ｐ４９１）

というわけで、上田早夕里さんの「火星ダーク・バラード」を読みました。

これはいったい、ＳＦなのかハードボイルドなのかメロドラマなのか、よくわかんなかったです。
文庫化に際して、結末を変更したということなので、当初どうであったのか分かりませんが、この文庫版を読む限り、強いていうとメロドラマのようです。

決してメロドラマだからということではない（誤解無きよう）ですが、結論からいうと、僕としては、あまり良いものとは思えませんでした。
テーマがはっきりしないという先ほどの点もありますが、この本の、特に会話部分が良くないように思えます。。まず、会話が冗長であるということに加え、地の文でめざしているイメージを、会話が裏切っているように思えるのです。たとえば、地の文ではハードボイルドの「水島」が、へたれな会話をするというわけです。

なにはともあれ、引き続き「華竜の宮」を読んでみます。