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2014年01月26日
デンキノベル 3-3
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カテゴリ未分類
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[se scissors2]
(でも焼酎飲むかも知れない)とも思った。
僕の家系もそうだが、父親と母親は酒豪で、僕がビールや、チ
ューハイを飲んでも全然怒らない。
「こいつが弟分のマサヒコ」
そう言うと、ホームレスのおじさんは、カセットテープレコーダー
から軍歌を流し始めた。昔、街宣車-というか左翼のそれで聞い
しかし、昔博多まで行って、とんこつラーメンを食った時のこと
を思い出してしまう。
深夜の屋台で、ヤクザと同席すると、そんな歌が流れたのだ。
「うん、実に弟分という感じの子だね。」
どうも、任侠映画の設定みたいだ。
「ここは男塾段ボールハウスだ。」とユウコは言った。
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[bgm festival]
[filter white]
らしくなってきたなと思う――
ユウコらしい・・・
[se scissors2]
ちなみにだが、ユウコは幼少のころから空手を習っていて、
相当強い。小学生の頃は、全国大会で優勝したこともある、
と話を聞いたこともあった。
中学生になって、父親と揉めて、延髄蹴りで一発ノックアウ
てしまったといういきさつがあり、それは実際かなり面白い、
またハチャメチャな彼女らしいエピソードなのだけど、基本的
にはタブー。彼女が女の子らしくなったのは、そのせいじゃない
かな、とも僕は思う。
次の年から俺から、あたしという主語になっていて、面食らっ
たものの、基本的には全然変わってないところもさすがの仕上
がりだった。彼女が、その一件で急にお淑やかになったら、父
親も、死んで本望だったろう。いや、死んでないか――。
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それでも、彼女が暴力をふるった場面に一度も出くわしたこと
はなかった。
はあはあ――ふうふう・・ミーンミン・・。
どうしようか、と思った。
あなた女ですよね、から始めるべきなのだろうか。
いやいや、もう面倒臭いからそれはスルーしよう。
それにしても、暑い。段ボールハウスは、多分ユウコによる
ものだろうが、ファブリーズの匂いがした。
「男塾ですか?」
しかしやはりこれは言わねばならない。
はっきりとこだわりのない笑顔を見せながらユウコは応じた。
「そうだ。」
(そうだ、って・・。)
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ユウコが、暴力をにおわせる発言をしたことで、僕は少し驚
いた。たぶん焼きそばに、生クリームを添えるくらい驚いた。
それでも、僕はユウコの傍で泣き言も、ぼやきも、愚癡も言わ
ず、それを食べただろう。何食わぬ顔をして――。
ユウコは、携帯をしまい、段ボールハウスに胡坐をかくと、
「近頃、ここらへんは物騒になってる。だからあたしは、男塾
を立ちあげることにした。」と実際、かなり突拍子もないのに、
やはり自然な仕上がりでスキンヘッドを処理した床屋。
眉毛を剃ったけれど、これが最新の眉毛でして、はい。
「自分たちの手で町を守らなくてはいけない。」
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[bg https://storyblog.s3.amazonaws.com/uploads/picture/image/425/031042.jpg]
(近頃は物騒だから仕方ないな。)
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[bgm none]
[bg downtown]
「そうですね。うん、うん――」
と、よくわからないけど、僕は肯くことにした。
「どうだ、物わかりがいいだろ。」
と、ユウコはホームレスのおじさんに言って、笑った。
ホームレスのおじさんは、
「本当だね」と言った。
そういえば、あの男どうなった、とホームレスのおじさん。
「ああ、この前のストーカー男か――ああ、マサヒコは知らない
な。二十代の女性の、悲鳴。目の前には、男。道端で困っている
のに、誰も何もしない。そこへ、あたしが、この軟派男め、女々し
い奴め、としばきあげた、とまあ、こういう感じだ。」
「なるほど。」
(やっちゃったわけだ。)と僕は思った。
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そして、ホームレスのおじさんの方に視線を向けると、
「一応は、交番へ連れていって説教されてたし、あたしからも、
社会的指導(つまりまた、ぼこったらしい。)をして、反省したらし
いから、きっと立派な男になろうとしてるんじゃないかと思う。」
くるっと僕の方に顔を向けた。顔が近い――。
「マサヒコ、立派な男になれ。お前も今日からその一員だ。正義
の味方になれ」
強制らしい。でも、なろう、とその時に決めた。
即断即決ではなく、そうしなければならない、と強く思った。
「はい、頑張ります」
そんな僕等のやりとりに、ものすごく、目を丸くしていた。 ホーム
レスのおじさんが、言った。
ガスコンロでわかしたお湯で、コーヒーを差し出しながら。
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それにしても血管の浮き出た細い腕で、サラダばっかり食べ
ている菜食主義者を想像してしまう。
なんだか突然、オカズが少ない、と言ったお金持ちの子を想像
してしまい、少しブルーになった。小学生の頃にそんな友達がい
たのだ。でもそれは実のところ、僕でもあったのかも知れない。
確かに、そんな友達がいた。
でも、僕等はとある日、ちょんまげをしていないと言い切れるだ
ろうか。馬のかぶりものしていない、銀行強盗風ストッキングして
いないと言い切れるだろうか?
僕は彼女から、そんな風に思われている自分を知っていたし、
それでやっぱり、ブルーになる。
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[se scissors2]
酔っ払いの男と会話しよう。
「口のききかたを教えてやる」
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と、そこで、ホームレスのおじさんのフォローが入った。
「ユウコさんは、別に道理の外れたことをしていないよ。ただ、
治安を守る仕事を自発的にやってるだけ。時間が遅いのに、
ゲームセンターでたむろしている子供を帰らせたり、たとえば、
暴走族とかに、少し、力で対抗したりするだけだよ。」
そうか――と、僕はひそかに唸った。
高校一年生になってユウコはついに、ウルトラバカになったの
だな、と。こいつやっぱりすげえ、と僕は逆に感動していた。そん
なの警察に任せるべきなのに、しかも、女なのに、ついに、そん
なことまでやるようになったのだ。将来は、警察官だろうか、と僕
はぼんやり思ったりした。
ここまできたら、アマゾネスになるのか、と僕は思った。
「では、マサヒコ、ついて来い。」
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ユウコと共に段ボールハウスを出ると、田舎の町――とは、もう
言えなくなった、盛況した、街路をすりぬけていく。
田舎とは言っても、一歩外へ出ればこんな感じだ。
どこにでもビジネスがあって、どこまでも大きな物が出来上がる。
コンビニ。カラオケ。劇場前広場のパチンコ屋。路地裏。コインロ
ッカー。彼女はそこをねり歩き、目を血走らせる と、そこへ、オカマ
が現れる。身長は百八十センチはあろうかという体格で、あきらか
に筋肉質。それなのに、ワンピースなるものを着、そこはかとなく、
髭の剃り跡があるオカマが。
「ユウコ~ッ」とした発情したモンスターボイス。
「ああ、どうした、マドレーヌ。」
マドレーヌ? っていうか知りあい?
しかし、このマドレーヌちょっと声が大きい。
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[bg https://storyblog.s3.amazonaws.com/uploads/picture/image/425/031042.jpg]
(魔物よ、魔界へ帰れ。)
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[bg none]
[bgm daily-life]
[bg downtown]
僕はすっかり面喰いながら、それでも、ユウコの隣でキョロキョ
ロしていた。
社会見学の感じが強くあった。
「近頃、変態が店に来るの。」
(大丈夫、変態はあなたですよ。)と、僕はにこにこしながら、言
おうかと思ったが、ユウコは真面目な顔で、
「いつだ?」と言った。
僕はそれを聞きながら、無農薬野菜のことをつとめて考えた。
そろそろ、ぬか漬けのキュウリ食べたいなと思った。
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[bg https://storyblog.s3.amazonaws.com/uploads/picture/image/425/031042.jpg]
(きゅうり食べると、お腹が冷える。)
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[bg downtown]
しかし、話は続いていた。
「いつも十九時頃に店にやってきて、すっぽんぽんで、お酒飲ん
で帰るの。気持ち悪いったらありゃしない。こんな店だと思って、
馬鹿にしてるのよ。警察にも言ったけど、民事不介入とかいって、
ほんとはただ、気持ち悪いから相手したくないだけなのよ。偏見よ。
別にそういうプレイでもなんでもないのに」
(そりゃそうですよ)と僕は笑顔で言いたかった。
「そいつを、しばきあげよう。」
そう言うと、ユウコはレトロな看板の店へと行き、おもむろに服を
脱いだ。なんだかよくわからないが、すっぽんぽんになった。
僕は呆気にとられながら、ユウコのきれいな身体を見つめた。
「まあ、きれいな身体。」とマドレーヌは言った。
「いや、あの、何してるんですか、ユウコさん」
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「裸には裸だ。男塾。」
僕はすっかり混乱していた。変態がもう一匹増えたような気がし
て、僕はこわかった。僕はもちろんユウコの裸に興味がないわけ
ではなかったが、かといって、こんな形で、神様感謝しますという
わけじゃない。それとも何か、僕は男ではないのか、とビックリし
てしまう。
なんというか、カルチャーショックを味わう。
原初の頃から、ここはプライヴェートビーチだった。
まったくのノープログレ。僕もおそらく、ユウコに向かって、お前
の身体になど興味はない、と言わねばならないのだ。なんにせよ、
純粋にこわかった。
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しかし、ふっと僕は思った。
このままでは、僕まで服を脱がされそうなシチュエーションではな
いだろうかと思ったのだ。僕はその瞬間、つとめて強い声で、
「許さんぞ変態!」と僕は言った。
明らか色んなことを誤魔化していた。
マドレーヌが驚くくらい、大きな声だった。
「買いだしに行って来ます。クソウ変態め、いたいけな女性・・・
そうだ、女性に、破廉恥な真似を、許すものか!」
「そうだその意気だマサヒコ!」
「買いだしに行ってきます。飯を食わねば戦えない! 精のつ
きそうなものを、買ってきます。」
「おう、行け、弟分よ!」
僕はドアをものすごい勢いで飛び出した。
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最終更新日 2014年01月26日 20時21分46秒
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