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2005年03月18日
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見て、今朝の5時。今日一日が始まるまで
に、書いてしまいます。

 映画の出来映えなんかのことは専門家
に任せて、自分にも関係することを。

 開始早々、画面にテロップが出ます。
「この映画は東京で実際に起きた事件をモチーフ
にしています。しかし、物語の細部や心理描写等


 これが大事なんですね。現実に起きた88年の
「西巣鴨子供4人置き去り事件」をモチーフに
してるのですが、換骨奪胎の好例ですよね。
監督の演出ノートってやつを見ても「当事者には
会ってない」というんだから、状況から想像力で
作り上げたのは間違いない。

 で、現実にはモデルが存在してしまうのですから、
どう「フィクション」と謳っても、見る者が現実とリンク
していることを知っている以上たとえばYOUさんのやった
母親は改めて「無責任」と思われるわけで、ということは
実在している母親も16、7年も経ってもう一度、「無責


 映画が評判になり、後年まで残れば、残るほど(幸か
不幸か、映画の出来は本当に素晴らしくて、映画史に残る
のは必至なのですが)、実在の母親は過去の行動を忘れら
れなくなる、ということになります。映画は、そう取られ
ない配慮もあってか、優しく子供にも気配りを持って接す

起きた事実をそのまま残してる限り、余計“となりの奥さ
んでもこういうことがあるのか”ということになって、現実感
のある怖さになってるような気がします。

 モデルがある創作のややこしさはそのあたりで。
僕は今回の小説「めっちゃピンぼけ」では、現実に
モデルとなってくれた宮嶋氏に会うどころか、細部
の提供まで受けました。「何書いてもええで」という
許可ももらってます。しかし、現実に書いて見ると、
モデルが動いた空間で問題が起こってくる。完全に、
舞台を変えてしまえば良かったのですが、学校など
名称が変わってるだけで、知ってる人の誰が読んでも
それ、と分る。しかも、肯定的に書いてるとは限らな
い。
 「誰も知らない」では、現実にあったといわれる
虐待(誰が誰を、かは知りません)、とかいう部分
は全く描いてません。配慮だけでなく、映画の展開
上、必要もない、と思いますが。登場人物に対しての
温かいまなざし、という視点は一環してます。そこまで
配慮しても、やはり母親のように、傷つける可能性
のある人物が出てきてしまう。

 映画「青春の殺人者」(原作は中上健次さん)のモbデル
となった千葉の親殺し、小説「宴のあと」(三島由紀夫さん)
の選挙の舞台裏、同じく三島さんの「金閣寺」。
そこまで古くなくても柳美里さんの事件もありました。
「プライバシー」と簡単にいうのは、僕は憚られるのですが。

 映画や小説の出来が良ければ、いいほど、実在のもう
書かれたくない人の負う傷は深くなる。「誰も知らない」
、は優れた映画だと思います。それゆえに、残る意味合い
も大きい。おそらく、監督や制作者の方も作品の成功に
手放しで「万歳!」とは思ってないはず。もし、そういう
感性の人なら、これほど寡黙で、ぎりぎりまで感情を表さ
ない、繊細な映画が作りだせるとも思えない。

 まあ、「青春の殺人者」の長谷川和彦監督なんかが
どうだったのかも含め、現実には僕もこの映画のスタッフに
取材してないし、作った側の「衝撃的な事件」をモチーフに
成功した際の心理なんて分りませんが。


 (下)映画にはなんの関係もないけど、あの子供
たちには戸籍がなかったんだろう、と考えるとこれが
貼りたくなった。ルワンダのとある寺院で見つけた
虐殺の犠牲になった方のIDカード。人種の「ツチ」
がすべて。「誰も知らない」状態のほうが、いい
土地もきっとあるのです。2004年2月26日撮影





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最終更新日  2005年03月18日 10時54分29秒
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