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2005年07月12日
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 12日午後10時30分。

 しかも、朝の8時に関西空港にいなければ
 いけない。

 これがあるから、この稼業(記者のことです)、
 “やってらんないな”と思う。
 だって、興味もない人が来日しようが、離日 
 しようが、知ったことじゃない。
 自分が海外へ行く時でも、朝10時までの

 いや、朝が弱いわけじゃないんです。
 準備が下手で時間が掛かるので、少しでも
 時間の余裕が欲しくて。
 あしたなんか、朝6時には絶対家、出てないと
 いけないんだから、なんか失敗しそうで
 嫌なんですよ。

 で、今日。
 なんとか、部屋が綺麗にならないかと、
 今日は4時間ぐらいかけて物を少し放り出しました。
 それでも、本来の仕事部屋、ケンケンパ、が出来ない
 んだよなあ。ケンケン、いやケンも無理かもしれん。

 ほんまに。今月中には必ず、あの部屋から
 海が見えるように、片付けてやる、とさっき
 誓いも新たにしました。

 その最中に、本棚で発見した一冊を。
 丸山健二さんのエッセイ「メッセージ告白的青春論」

 昭和58年7月20日発行の4版目)。

 十代の後半から二十代の終わりまで、ある意味、
 丸山健二さんは私の生き方の師でした。
 群れずに、自分で考えろ、と大学時代、特に
 後半の3年間(私は5年通っていたので)は
 自分に言い聞かせて物事にあたってましたが、
 これも丸山さんの影響が大で。

 小説も「ときめきに死す」や「夏の流れ」は何度も
 教科書のように読み直させていただいたしばらく前
 までの最年少芥川賞受賞作家(22歳)だった方。

 でも、僕が出会った、というか知ったのは大学に入って
 からですから、だいぶ遅かった。それもラジオでの本の
 朗読のコーナーで、一週間、この「メッセージ」
 が流されたのを聞いてでした。たぶん、昭和55年
 の夏です。

 今、久しぶりに手にして開いてみても、今の自分の行動
 規範になってる部分が多くて。
 たとえば、冒頭。

 “他人の生きざまに対してああだこうだと文句をつけるには、
 自分自身のことを正直に打ち明けて、しかも自分の体験や行
 動の範囲を超えるような言葉を、たとえ小説家といえども口
 にしてはならない。”

 その通り、と言わざるを得ない。
 これを丸山さんが書いたのがおそらく35、6歳の頃。
 最初に読んだ時、僕は19歳(金=定価980円がなく
 て、図書館で借りた記憶が。だから、持っている本は実
 に綺麗です。丸山さんのエッセイ、結構線だらけにして
 るのに、これは保存版として買ってたみたい)、今44
 歳になって読んでも“同じやんけ”と思ってしまいます。

 あ、と思ってたら210ページに赤線が引いてありま
 した。引用します。

 “自分の実力を上回る言葉を振り回し、自分の行動の範囲
 を越えた言葉をひっきりなしに使うようになったら、もう
 そいつはおしまいだという証拠にほかならない”

 このあとに、線は引いてませんがこういう言葉が続きます。

 “見物する側の人間になってはならない、とおれは思う。
 「それならおまえ自分でやってみろ」と言われたら返す言葉
 がないような立場に立つべきではないと思う。しまいには当
 人がみじめったらしい気分になるだけなのだから”

 どう考えても正論、その通りだわな。

  なんとか、自分が費用を持つ形とはいえ、小説を出版した
 のだから、見物する側の人間とは今は言われずに済むのかな、
 と思います。ただし、“作家”とは言えない。認められたい
 のは確かですが。アクセス数が増える要因を作っていただいた
 勝谷誠彦さんは作家、として紹介して下さってますが、違うの
 は当の本人が一番分ってて。

 「メッセージ」の別のページに、丸山さんは自身の芥川賞作品
 =処女作、の売れ行きについて振り返った文を記しています。

 “本は売れなかった。世間ではおれの《夏の流れ》を夢も希望も
 爽やかさもない文学として拒絶した。初版の八千部が、半分の
 四千部しか売れなかった”

 ここですね。確かに、芥川賞作品、それも最年少受賞っていう
 ハクまで付いて当時はこれだけしか刷ってなかった。しかも
 この売れ行き。ただ、やはり部数が5千以上はいると思うのです。
 出版社に刷ってもらう部数が。本当に、その人が作家ならば。
 新人だから、とか無名だから、とかは関係ない。
 それぐらい、出版社がリスクを背負って、はじめて作家の
 発掘って出来るんじゃないのか、と思ってます。

 で、振り返って僕の本。
 刷ったのが2千部。2百部が謹呈用で、僕と出版社で
 分けてますから、実質1800部。
 この部数で、プロなんておこがましくも言えない。
 だって、印税単純に計算しても、一ヶ月だって
 生きていくのが苦しいぐらいの額でしかない
 んですよ。しかも、出版費用の大半を僕が
 負担してんだから、何をかいわんや、で。

 加えて。
 その1800部が売れ切れてない。
 いや、売れ切れるどころか、まだ半分
 ぐらいは市場にあるのでは、と僕は推測
 してます。

 ほんまに。
 ここに来てくれた方で、少しでも興味を持たれた
 方、一度手に取って読んでみてください。
 そこからしか、僕も始まらないので。

 いや、売れてない訳じゃあ絶対にない。
 宮嶋の活躍や、勝谷さんらの無償の協力も
 あって、毎日確実に全国のどこかで売れてます。
 それは分ってるんです。

 ただ、出来れば5千部と言わないまでも、もう千部。
 つまり約三千部、市場に流通させたい、というのが
 僕の希望で。ささやかなものなんですけどね。

 あと千部。
 出版社に刷ってもらう価値の本当にない小説だった
 のか、どうか。確かに、好評価ばかりでないのは
 確かでしょうが、ここのフリーページやその他の
 媒体での紹介のされ方を見ても、どうしても三千部
 市場に出るのがおかしい小説といは思えないのです。

 もし、協力してもらえるならば、
 読まれて、良かったと思われた方は、本当に
 お友だちに紹介してみて下さいませんか?
 お金がなくて読みたいけど、買えない、と
 言う方は「めっちゃピンぼけ」を最寄の図書館
 に入るよう、願い出てくださいませんか?

 情けないお願いだけど、大切なことかな、と。
 埋もれさせたくない、というのが正直なところで。
 それと、三千部あれば「作家です」という看板を
 掲げよう、と出版前から思っていたのも事実で。
 そこまでいかなければ、やはり作家としては
 《バッタモン》、本業=記者、という形しか
 ないだろうな、と思っていたわけで。

 僕にとっては、このページを覗いてくださってる
 人たち以外、大きな力になってもらえそうなバック
 なんか持ってません。それが主義でしたし。

 出版から2ヶ月で、もう本がなくなった書店が
 多くなった中でのお願いです。丸山氏の「夏の流れ」
 は芥川賞作品ですから、8千部で当り前なのですが、
 今回、直木賞候補に挙がっている「となり町戦争」
 などと、隣り合わせで並んでいた本屋さんもあること
 を考えると(手前みそですみませんが、作品の質、
 大きく劣っているとはどうしても思えません。両方読ん
 でて、“勝負にならないじゃん”と僕の作品について思われた
 方がいるようでしたら、どこで差を付けられたのか、
 教えていただければ光栄です)。

 丸山さんの本から、おそらく丸山さんが一番嫌う、
 他者へのお願いになってしまった。でも、本を
 手にしてくださるのは、他者だ、っていうことも
 意識からはずしたらダメと僕は思ってます。だから、
 今は、丸山さんがバイブル、ってことは絶対にない。
 二十代の、全くモノを知らなかった頃とは違います。

 (下)「メッセージ 告白的青春論」の表紙。三十代
 の行動派作家として鳴らしてられた頃の丸山さんの作品
 らしい表紙です。簡潔で、言いたいことをズバッと書く
 無駄のない文体だった丸山さん。今は、文章に関しては
 全く正反対の方になられて。行動派、というのも違う方
 向になられてるようです。
 正直に告白しますと、約10年前に出された「千日の瑠璃」
 を読んだのを最後に、とりあえず買ってはいますが、丸山さ
 んの作品読むのは止めてます。
 文章を書く上で、今の僕には逆効果のように思ったので。





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最終更新日  2005年07月12日 23時52分51秒
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