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2005年09月12日
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テーマ: お勧めの本(8160)
 12日の午前11時。

 保存しながら書け、と言われてるのに
 そのまま書いてGONE。アホやなあ。

 ま、それはそれとして。
 思い出す限り書き直します。
 選挙も、ゴルフも終わって、さて。

 約束していた「ジェノサイドの丘」の再読からで。
 本の感想なんて、文芸評論家に任せるし、普通の人

 が寄せられていたあとがきの最初の15行に要約される
 と思う。
 無関心についての記述としてはこれで実は十分。

 で、「ジェノサイドの丘」と映画「ホテルルワンダ」
 おそらく、本を読み、映画を見た人は無関心でいられない、
 居心地の悪さを感じるに違いないのだ。答えは、日本人
 と思ってる人にも、他人事でない、というのが漠然と
 分かるからで。
  映画は僕はまだ見てないけど、「ジェノサイドの丘」に、
 十分このホテル臨時支配人ポール・ルセサハギナさんのやっ
 たことは描かれているし、聖職者の行動との比較で良心とは

 ヴィッチ氏は事実を再構築して書いて下さっているので。

 選挙が終わった翌日なので、余計思うけど、結局ジェノサイド
 って、政治なんだということが良く分かります。この本を
 読むと。

 殺人とレイプを政府が奨励し、政策とした世界。

 現大統領カガメの率いたRPF(ルワンダ愛国戦線)
 による新政府樹立宣言までの約百日間。

 本当に、そういう世界が存在し、一日に約一万人が
 四国を少し大きくしたぐらいの土地で殺され続けた
 という事実は知っていていいと思う。それも、山刀
 =マチェーテ、マス=棍棒、っていう原始的な武器
 でほとんどが叩き殺されてるっていうのは。

 2004年2月25日の真昼。
 南アフリカのヨハネスブルグを発った航空機でルワン
 ダのキガリに一人、降り立った時。頭の中は、前もって
 得ていた恐怖の知識で溢れていた状態。

 いくら外務省に4人の日本人が在住(その時、2人は
 日本に帰国中でしたが)していると教えられ、毎年
 ルワンダに足を踏み入れているジャーナリストの下村
 靖樹君に「日本よりある意味安全」と教えてもらって
 いても。

 それにしても。
 不肖は、写真集「イツデモ ドコデモ ダレトデモ」で、
 ルワンダの虐殺後の写真を掲載してたあたりに、恐怖は
 3日で慣れる、と書いてたけど、恐怖を恐怖と考える想像
 力さえ働かなくなる時がある、っていうのもあの時、
 学んだなあ。

 10年を経て、まだ虐殺の行われた当時のまま、バケツなど
 日常雑貨や落書きのある子供のノート、身分証明書、アメックス
 のカード、なんていう生活と密着した遺品が散乱したままの
 風通しのいい、だだっ広い教会。

 風が心地よかった。
 同時に、居心地はどこか妙で。
 片付けられてない人骨が散乱してたこととは
 無関係ではないけど、それほど強いつながり
 もなく。あの居心地の悪さは、なんだったのか?

 そこで泣き叫んだ人の声、起こったこと、
 そのあとの肉が腐る臭い、そういったもの
 を全く僕が経験してない、ということとは
 濃厚な関係があって。

 現場にいても、モノが起こっているリアルタイム
 の時でない限り、僕の想像力なんて貧困で。友だち
 がリアルタイムの時に、その土地にいた、とかでも
 どうだか。

 冷たい?
 そうかも。わかんない。
 ただ、起こってしまったことは、僕とは直接、関係
 なく。10年を過ぎてその土地に来て、じっと様子を
 うかがっても、それは散発的に訪れていたヨーロッパ
 系と見られる虐殺記念館観光のための白人となんら
 変わりなく。

 「わたしはルワンダに6回旅をして都合9ヶ月滞在したが、
 その間に見た新たな死体は交通事故で死んだ若い男だけ
 だった」(「ジェノサイドの丘」より抜粋)

 1995年5月に初めてルワンダを訪れたゴーレイヴィッチ
 でさえ、こうなんだから。ルワンダは、というか、
 非戦闘地域となっている首都キガリなどは、東京よりも
 安全だ。夜、街頭の光さえない(停電で)中を歩いても、
 何も起こりはしない。そこら中に、体の色が保護色となって
 いるルワンダ人が潜んでいるにもかかわらず。

 しかし。
 1994年4月から7月は違ったし、
 それ以前も1950年代の終わりから
 現在の政府が樹立されるまでは
 違っていたのは、知識として
 僕は知ってる。

 キガリの街のスーパーで、マチェーテがプリングルスのまさに
 真横、無造作に数百個もむき出しのまま並べられて、売られて
 いるのを見る時、想像力は嫌でも働いてしまう。しかし、
 次の瞬間には、紙一重と認識しながら、今は違う
 世界なんだ、と思い直す。

 「ジェノサイドの丘」の何度目かの読み直し
 を終えてルワンダの風景が久しぶりに頭の中を
 よぎり、いくつかのシーンが消え、文章のに定着
 させていない自分の怠慢を相変わらずと思い、で。

 これ以上、湿っぽい文章を続けても
 仕方ないので止めます。

 で、お願いですが。
 「めっちゃピンぼけ」に、何か読書賞を、
 ということで「AORINGO」さんが
 教えてくださった「ダ・ヴィンチ」の
 いい本のアンケート。 

 http://www.mf-davinci.com/Davinchi/enquete1/2005.html

 「めっちゃピンぼけ」の名を記入して投票して
 くだされば、嬉しいです。もちろん、いい作品と
 思ってくださってる方だけで結構なのは当たり前
 ですが。
 近いうちに、トップページにも掲載しますね。

 (下)「ジェノサイドの丘」(P・ゴーレイヴィッチ著、
 WAVE出版)。不肖や僕と同年代のジャーナリストが書いた
 本当に優れた本、っていうことで敬意を表するし、いい仕事
 を残せたんだな、となんか良かったな、とか言いたくなった
 りもして。まあ、僕はフィクションしか長いものは書く気が
 ないので、うらやましいとかも思わん。純粋に、この本に
 ルワンダでの取材の上でも助けてもらっているし。僕みたいな
 短期取材の場合、それまでの情報量が取材の奥行きに、確実に
 反映してしまいますからね。





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最終更新日  2005年09月12日 12時43分05秒
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