青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2024年11月07日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆Fender.US  Custom Shop  StratoCaster
ギターオーナー様は、Kosi様です
 とにかく弾き難いと言う事でお持ち頂きました


◆画像から確認して行きます

●ライトレリック仕様のカスタムショップ製です







●ラージヘッドは3点止めかと思ってましたが通常の4点止めです


◆リペア前のコンディションを確認しておきます

●ネックがストレートに調整されていて、6E/12Fで2.00mmですから、
 通常では弾き難い事は有りません


●このアングルで見ますと12フレット以降が高いと感じます


●ネックポケットに塗装の剥がれが有ります、これはライトレリック加工では無く
 一度以上ネックを外した形跡と思われます


●ネックを固定するネジにも外された形跡が有ります
  過去にネックを調整するためにロッド調整orネックポケットにシムを咬まして
 調整したのかも知れません。
 その時にはベストな状態に調整されていたと思いますが、年数が経過してコンディションの
 変化でその調整が合わなくなったと言う事だと思います。
 木材は生きてますので経過年数や置かれている環境で変化し、その度に調整する必要が有ります



●調整前の1フレットは3G〜6Eが微妙に高いです


●チューニングしてから1時間程経過してから、改めて弦高を測りますと6E/12Fで2.50mm
 まで上がって来ました


●1E/12Fは1.75mmですので、アコギのセッティングに近い状態です


●ネックスケールを当てると順ゾリが凄い事になってます


●最大値で0.28mmは、エレキギターですと超強度の範囲に入ります
 これでは12フレットが標準値でも弾き難く感じます


●イモネジはインチスケールです


●ロッドを調整する前にブリッジ駒の調整だけで弦高を下げて見ます
 6E/12Fで1.80mmです


●1E/12Fは1.50mmです
 ここまで下げても弾き難さは変わりませんでした。


●この画像はボディの上面の延長上にネックが来てますので、12フレットの位置と
 1フレット位置は、フラットトップのエレキギターでしたら、理論上同じ高さに
 ボディトップが来るはずですが、フレットボードの際からの高さが13フレットで6mmです

●1フレットでは8.0mmの高さになってますので、ネックのセット角度が約2.0mm
 お辞儀しているという事になります。
 ギターには完全に水平直角が出ている、正確な基準点が存在しませんので約2.0mmと言う事です
 セット角度と順ゾリの相乗効果で弾き難くなってます

◆リペア開始して行きます

●ネックを外して状態を確認しますと、ストレートに調整されてます
 弦のテンションが掛からない状態でストレートですと、弦を張りますと順ゾリが出ます


●調整前の位置をマーキングして、調整した位置が判る様にしておきます


●1フレットが0.5mmの逆ゾリになるようにロッドを調整します
 ハードメイプルは調整してから時間差で変化しますので一晩この状態で様子を見ます



●セット角度を調整するために、ESP製のシムを咬まします。
 緻密な暗算の結果【経験則です】0.25mmのシムを噛ませばOKです
 ズレない様に極薄の両面テープで固定します


●ネジ止めする前にクランプでネックを固定して、目視でネック角度を見て見ます
 違和感を全く感じませんのでOKになると思います。


●12時間以上空けましたのでロッド調整後のネックを確認しますと
 1フレットのクリアランスが0.5mmを超えてましたので、再度0.5mmに
 再調整して時間を空けてる事になりました。ハードメイプル材の時間差攻撃には
 忍耐が必要です。双六の振り出しに戻ったと言う事でも有ります。


●昨日は年金相談で休業してましたので、充分に時間が取れました
 1フレットのクリアランスが、0.5mmで変化してませんのでネックをセットして行きます


●ネックを取付て弦を張って横から見て違和感を感じませんので、0.25mmのシムでOKです


●チューニングをしてますと1弦が変な切れ方をしました。
 足元でボールエンドが落ちて転がってました。
 フェンダーで採用されている【ペグ】はチューニングの最中や演奏中に切れますと、ペグから
 弦が外れて飛んで行きます。
 50年程前に使っていた、ストラトのチューニング中に弦が切れて指に刺さった経験が有りますので
 ヘッドを周囲にいる人の方向に向けてチューニングする事は絶対にしないで下さい。
 今回、工房内は私一人だったので良かったです。


●弦高を設定して全ポジションを確認してますと、2B弦と1E弦の位置に違和感を感じましたので
 スペーシングルーラーで確認します


●ナットは巾は41.0mmです


●撮影する角度で見え方が違って来ますが、この画像は6Eを基準に撮影した物です
 6E〜3Gまでは中心に来てますが、2Bと1Eが外側に寄っていて弦1本分広くなってます
 今まで弾かれていて、全く違和感が無ければこのままでもOKですが、言われて見れば確かに?
 と言う事が有りましたら、ナットを交換しますのでお知らせ下さい 




●弦を張り変えてネックの状態を確認します
 最大値0.28mm有った順ゾリがストレートに修正出来ている事を確認出来ました



●ネックを持って上から見ても、ネックのセット角度に違和感を感じませので
 セッティングを決めて行きます


●フェンダーの曲面が急なフレットボードの特性【宿命】とも言える、1Eをチョーキング
 した時に3G弦付近でフレットに接触するポジションが2カ所だけ有りました。 
 今回は擦り合わせと言っても、表面をマイクロファインで磨く程度で済む程度です


●フレットロッカーで確認しますと、左右のフレットワイヤーと段差が有りました


●養生をして擦り合わせます


●フレットロッカーで左右との段差が無くなった事を確認しました


●プレーン弦の解放音の詰まりを感じましたので弦溝をクリーニングします


●溝をクリーニングして1E~3G弦の出音のバランスが取れている事を確認しました


●ヘッドストック周りの仕上がりです


●6E/12Fを限界値ギリギリの1.80mmにセットして有ります
 この弦高でセッティング出来るのは、Custom Shop製ならではと思います


●1E/12Fも1.30mmにセットして有ります


●全てのポジションでバズらない事を確認しましたが、ギリギリの弦高にセットして有りますので
 低すぎる様でしたら、お渡しの際にブリッジ駒で調整します


●リペアの完了です








🌻K2ギターファクトリー
  千葉県八街市 八街 に-67-3 
   代表 加藤 和久
   ☏ O8O-5376-O998 
   ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております 





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最終更新日  2024年11月16日 05時00分15秒
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