「ミナコの思考回廊」

「ガラス越しのふたり」



『ガラス越しのふたり』


キッチンの窓辺に肘をついて、噛み付くような日差しが照る空を見上げる。
チカチカする目線を降ろすと彼の横顔が伺えた。
庭に腰をおろした彼は、ぼんやりと抜いた草を眺めている。

(なに、考えてるんだろ・・・・・)



すると私の視線に気づいたのか、彼は顔をあげて言った。

「おまえも・・・れば・・・のに、・・・よ」

窓ガラス越しの会話はまるで自分たちの関係をあらわしているようだった。
彼が大声で語りかけてくれないと、届かない。

私に聞こえていないと気付いたのか、彼は手を叩いて泥を払ってから、窓を開けた。
そんなにたやすく窓を開けられるあなた。私にはできない芸当。



晴れやかに笑う彼をみて、月並みな言葉が頭にうかんだ。

ああ、あなたがいて本当によかった。



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