緑と清流

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神秘家の庵

神秘家の庵

2009.01.16
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カテゴリ: その他
写真の花は「ジョーイセルリ」
ジョーイセルリ


ことわざ
「思い立ったが吉日」
 何かをしようと思い立ったら、日を選ばずすぐに取り掛かる方が良いということ。日の良し悪しは関係なく、思い立ったその日が実行に良い日なのである。


わらしべ長者 2

 若侍が藁しべを持って歩いていると、アブがきて顔の廻りを煩く飛び回るので、木の小枝を折って追い払うが、すぐに戻って来るので、捕らえて持っていた藁しべに繋いで腰にくくり付けて歩いていた。
 アブは若侍の腰の周りで飛び続けていた。

 京から長谷詣でに行く途中の女が、牛舎に乗って通りかかった。
 一人の美しい稚児が、車の簾を担ぐように乗り出して、若侍とアブを見て、
「あの男が持っているものは何だ、あれを貰ってきてくれ」
と、馬に乗っている警護の侍に命じた。
「お前が持っているものを、若君がご所望だ、奉れ」
「これは観音様からの賜わりものですが、ご所望なら差し上げましょう、その代り、喉が渇いていますので、食べ物をくださいませんか」
 すると、紙にくるんだミカンを三つ、車の中から差し出された。
「わらしべ一つが、ミカン三つになった」
と思って、それを木の枝に結び付けて、肩に担いで歩いていると、人品賤しからぬ人が、これも長谷へいく途中だったが、
「喉がからからだ、水を持って来てくれ」
とお供の人に言うが、生憎と水はなかった。

「水は無いですよ、どうしたんですか?」
「長谷へお参りに行くのですが、歩き疲れて喉が渇いて、水を求めているのです」
「では、私が持っているミカンを上げますよ」
と言って、三つのミカンを差し出すと、主人は、
「もう、死ぬかと思っていた、旅の空で死にたくはない、極めて嬉しいことだ、どうお礼をしたら良いだろう、食べ物があったらご馳走してあげなさい、それから、布を三段お礼に差し上げ、京の邸を教えて、必ず訪ねて参るように」

 若侍は、布を三段小脇に挟んで、
「わらしべがミカン三つになり、ミカンが布三段になった、これこそ観音様のお助けだ」
と心の底で喜んだ。
つづく

現代語「源氏物語・須磨」はこの前にあります。





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最終更新日  2009.01.16 12:04:31


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