医師が病気になったとき-特発性大腿骨頭壊死-

医師が病気になったとき-特発性大腿骨頭壊死-

大腿骨頭壊死はどんな病気?2


非外傷性に大腿骨頭に壊死が生じてしまう。大腿骨頭がその結果、圧潰をきたし(すなわち潰れてしまうこと。)そのため二次性の股関節症になってしまう疾患。副腎皮質ホルモン投与と、アルコール多飲に関連した症例も広義の特発性大腿骨頭壊死症としてあつかうが、外傷(大腿骨頚部骨折、外傷性股関節脱臼など)、大腿骨頭すべり症、骨盤部放射線照射、減圧症に合併する大腿骨頭壊死症および小児に合併するPerthes病は除外する。
 副腎皮質ホルモン(ステロイド)の投与歴、アルコール多飲歴が壊死発生に深く関係していることがわかっているが、その壊死の発生機序は判明していない。病因としては、脂肪塞栓説、骨頭内圧亢進による血管圧迫説、静脈還流障害説、血液凝固異常説など。
(発症頻度、年齢)青、壮年期。ステロイドは20代。アルコール性は40代にピークを有する。男女比は2-3:1で男性に多い。女性はステロイド性(SLEなどの膠原病)、男性はアルコール性が多い傾向にある。(アルコール性とは、1日3合以上あるいは全体としてそれに相当する摂取量を15年間以上摂取した者をアルコール性とする。)ステロイドはパルス療法などのように、短期間に大量のステロイドを投与された症例に多い。逆に5-10mgの少量を長期にわたって投与されている症例には少ないとされる。
 わが国では年間3000人の発症率であるといわれているが、近年のアルコール摂取の増加、ステロイド使用の増加、MRI検査での診断能の上昇にともない、診断される症例は増加するものと思われる。

私の場合
アルコールが間違いなく原因です。一般の方にはよくわからないかもしれませんが、医者の中にも私をふくめて大量飲酒者は多くいます。私の妻は結婚前に某酒造メーカーでマーケッティングを行なっていましたが、飲酒量を職業別にしらべると医師の飲酒量は多い方であるとのことです。私の父も1日3合飲酒します。私の以前勤めていた大学病院の上司も飲酒量が多く、よく学会で一緒に飲むとつぶされていました。もちろん、全く飲まない医者、まったく飲めない医者も多くいますが、医者も他の職業と同様、ストレスが多くありますし、むしろ収入がある分酒代に苦労しないので、沢山飲む医者は多いと思われます。(私見ももちろん入っています。)
年間3000人の発症率は、かなり少ない病気の部類に入ると思われます。芸能人でも癌になって闘病した人は多くいますが、この病気で闘病中の人はきわめて少ないことがわかると思います。私の知るかぎりでは、美空ひばりさんだけです。彼女もアルコールはかなり飲んでいたようですね。美空ひばりさんのような不世出の歌手と同じ病気になった私はむしろ光栄なことと思わねばなりません。年間3000人しかならない病気になった不運を嘆くより、そう考える方がいいのではないかと、自分に言い聞かせています。

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