医師が病気になったとき-特発性大腿骨頭壊死-

医師が病気になったとき-特発性大腿骨頭壊死-

大腿骨頭壊死はどんな病気?3


私の場合
右の大腿骨の壊死で治療を受けることになりましたが、北里大学受診時の主治医の先生から「左にも若干の所見があるのですが、左に股関節痛などの症状はありませんか?」ときかれました。そのときは症状はなかったのですが、その後1-2ヶ月して左足に股関節痛が出現しました。太ももをあげるとき、あぐらをかくときなどに左の股関節の内側に痛みを感じるようになりました。手術前後も痛みはあり、いまでも軽度の痛みがありますが、幸い悪化はしていません。入院中に何人かの骨頭壊死の患者さんと会いましたが、やはり片方の手術後、他方の痛みが徐々に出現し、「患部をかばっているせいかな」と様子をみていたところ悪化し、主治医に相談したところ他方の股関節も壊死状態になっていて、結局両足とも人工関節になったという人がいました。


(臨床症状)股関節痛が多い。階段をふみはずした時、歩行時に歩道から車道に下りたときなどの小さなストレスで股関節痛が生じることが多い。この初期の疼痛はすでに無症状の小さな壊死が発症している骨頭に小さな外力が加わって軟骨下骨層圧潰が生じていることによる。その痛みは2-3週間で落ち着くことが多い。その他膝痛、臀部痛をともなうことも多く、膝疾患、腰椎疾患の診断で治療され診断が遅れることがあるので注意が必要である。

私の場合
最初の症状は、以前書いたように、右の臀部痛でした。椅子から立ち上がるときに、ズキッという痛みを覚えました。マラソンや歩行に支障ありませんでしたが、次第に悪化して右足で立つとつよい痛みがあり右足で立ったり、踏ん張ったりできなくなりました。階段も左足でのみ上がってゆくようになりました。それでも佐久の鯉マラソンに出場したところ、右足をかばわなければ歩けなくなりました。この症状が4-5週間持続しましたが、湿布で徐々に改善し、5月下旬の学会の際には広い会場を歩き回ることが可能になりました。もちろん階段も普通に歩けるようになったのです。今思うと、この症状が初期の疼痛であったわけです。しかし、よくなったなと思った翌日には、また痛みだし、痛みで寝返りもうてなくなるほどの痛みになってしまいました。今でも憶えているのは、仕事の帰りに上司と仕事場の病院の建物から出る瞬間になんともいえない重苦しい、右足のつけねがえぐられるような痛みが急に出現し、歩けなくなってしまいました。その日はなんとか家にたどりつきましたが、翌日に整形外科を受診したところMRI、レントゲン検査で、大腿骨頭壊死と診断されたのです。

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