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2004年08月21日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay
 28歳で、母の元を去った。


 失恋の痛手に耐えかねたわたしは、逃げるように故郷の地を後にした。
 それほど辛い恋だった。
 彼が好きだけど、一緒にいると息苦しくてたまらなかった。
 どきどきして食べ物が嚥下できないほど好きだった。

 母の夢は、わたしがお嫁さんになることだった。
 浮き沈みの無い、平和な結婚が夢だった。

 あなたにはふさわしくないから、と。

 わたしは都会の片隅で、彼に似た人と恋をした。
 母は、彼を気に入ってくれた。
 「あなたにはもったいない人」
 そういって、誰よりも喜んでくれた。
 背の高い彼のために、特注の布団を縫って待っていてくれた。
 「わがままで気が利かない娘ですが、心根は可愛いですから」
 精一杯の誉め言葉を添えて、わたしを彼に託した。

 それなのに、わたしは今、一人になった。
 時折、『あなたにはもったいない人』を思い出す。
 心の中で、母にごめんなさいを繰り返している。






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最終更新日  2004年08月22日 10時54分34秒
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