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2005年01月25日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay


 スーパーの棚に並んだものだから、大した品ではない。
 ただなんとなく、口に含んでみたかったのだ。


 姉の近所に住む、老夫婦の暮らしぶりは見事だった。
 毎日判で押したように、同じ事を脈々と繰り返し、
 歳時記を片手に、日々を丁寧に暮らしているのだから。
 その証拠に、家の周囲には草一本、塵一つなかった。

 そして、そろそろドブロクの季節だなーと思えば、
 毎年同じ頃に、美味しいお裾分けが届くのだった。

 数日前、そのドブロクが届いたと、姉から電話が入った。
 近くに住んでいれば、一緒に飲めるのにね、と。

 以前、わたしはその作業過程から立ち会って、盗み酒をさせてもらったことがある。 
 まだご飯粒のある状態の中にざるを浮かべて、溜まった液体をお玉ですくうのだ。
 香り高くほの甘いその味は、驚きの旨さなのだった。

 それには叶わない市販の濁り酒を、わたしは口に含んだ。

 八十をいくつか過ぎた、その老夫婦の得意満面な笑顔が浮かんだ。

 わたしの一番辛い時期に出会った、優しい人たちである。





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最終更新日  2005年01月25日 13時58分35秒
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