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2005年12月25日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay


 その集大成のような出来事が、元夫の死であった。
 凄絶な闘病生活は、健康であるわたしの身には想像をはるかに超えたものだった。
 末期がんの彼は、細い管から送られるモルヒネでその痛みを緩和されていたのだ。
 きっとその激痛から免れたいと、日々を送っていたに違いない。
 自分が一日でも長生きすることが、元家族に償える唯一のできることだと信じて、彼は頑張った。
 どんなに辛い病床に居ても、心はわたしや娘に馳せていたのだろうと思う。
 諸事情で週末しか見舞えなかったのだけれど、そのわずかな時を首を長くして待っていてくれることに、またわたしが出きる唯一だと信じるのだった。


 医師から余命宣告されたより、一年だけ多く生きて、この世を去って逝った。
 きれいごとではすまされない。
 一度は別れた相手である。
 気持ちが素直に戻るまでには、わたしの中では人知れぬ多くの葛藤があった。
 『死にいく者の勝ちじゃん』という気持ちを、中々拭い切れなかったのだ。

 でも、闘病という生き様が、わたしを少しずつ変えてくれた。
 死に水は取れなかったけれど、直前まで交信しあった携帯メールは、すっかり元の夫婦に戻っていた気がする。
 「絶対に幸せにしますから」と、わたしの父に誓ってくれたのに、志半ばで旅立って逝った人。
 その存在の重さを、今になって思い知らされているのだけれど、わたしは残された人生を、まだまだ楽しむ自由を満喫したいと思う。
 そうすることが、彼への恩返しのような気がするから。





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最終更新日  2005年12月25日 14時18分44秒
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