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2006年05月23日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay


救急車で運び込まれた夜、急性膵炎と診断され、治療を受けているのだ。
まさかこんなことで入院生活を余儀なきされるとは、思っても居なかったから強いショックと、軽い諦めの境地で白い石膏ボードの天井を眺めているのだけれど。

激痛を抑えるために筋肉に打つ痛み止めは、チェーンのように二週間続き、ようやく痛みが身体を去った。
今は、最後の仕上げで、もう一息といったところ。
おかげでかなり健康を回復した。

大好きな新緑は、いつの間にか緩やかに通り過ぎて、窓から見える海は、少しずつ梅雨空の趣を添えている。

こうして寝ていると、ついつい思い出すのが、末期がんで横たわっていた今は亡き元夫の寝姿。
辛かっただろうなー。

際限のない痛みが続くのではと、恐怖や錯覚に苛まれ、時には涙さえあふれ出た。
本当に、その身になってみなければ分からないことが多いのだと、改めて思い、彼の姿が次々と浮かぶのだった。
あの時の、彼の末期がんの痛みは、わたしの痛みの数十倍だったろうに、じっと耐えて、耐えることが自分の宿命でもあるかごときに見せた姿は、わたしや娘たちにとって忘れられない残像となった。
本当に悪いことをした、と今となっては遅いのだけれど、そんな風に浮かんでは消えるのだった。

それと同時に父や母の、入院時の姿も浮かび、切なくて胸が痛んだ。
顔を見せてもらうだけで、患者にとってはどれほど嬉しいものなのか、と分かるからだ。
わが娘たちは、その辺りの機微を理解し、毎日覗いてくれた。
それがどれほど励みになったことか、今しみじみと感謝の思いが湧くのである。





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最終更新日  2006年05月23日 05時57分55秒 コメント(12) | コメントを書く
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