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2008年03月04日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay


 これは昨日今日に感じたことではなく、もっと遠くの、故郷の桜並木でも同じような感じに遭遇したことがあった。
 まだまだしっかりと閉じた固いつぼみは、実際に近づいてみると色はない。
 それなのに、全体を包見込む霞のような桜色を、わたしはいつもこの時季に感じるのであった。

 最初に出遭ったのは、悲しみのどん底にいた故郷の川沿いであった。
 来る日も、来る日も、そのどんよりと重たい苦しさからの解放はなく、いっそ……と何度考えたことだろうか。
 それでも一雨ごとに春が近づくことを知らせる雨上がりのある日、やはり見るとはなしに眺めた桜並木全体を、この桜色オーラが包んでいた。
 目の錯覚なのだろうかと、車を土手に片寄せて、わたしはその桜並木に目を凝らしたのである。
 厳しかった冬の寒さをまだ半分抱えている季節に、わたしの心は少し綻びた。


 それから、どのくらいで桜は開花したのだろうか。
 一月だったかもっと早かったか記憶にはないのだけれど、桜色オーラを感じると、毎年わたしは元気になった。

 今日も、当時を思いながら、ほんの少しだけ元気をもらった。
 わたしはそれを密かに、蕾色の季節と呼んでいる。





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最終更新日  2008年03月04日 23時50分38秒 コメントを書く
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