2002年01月18日
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兵馬俑の後は華清池へ。長恨歌で有名な場所なのだが、ここは中国では珍しく温泉があり風景もきれいなところだ。今でも暖かい湯がわき出ている。しかし、入ってすぐの九龍湖という池の中に上半身裸の楊貴妃の像があるのは興ざめだった。シーツのような布で前を押さえて片足から風呂に入ろうとしているポーズの大理石の像なのだが、まるでヘアスタイルだけ中国風のミロのビーナスなのだ。観光用に最近作られたものに違いない。S君曰く「楊貴妃はこいな乳しとったんか・・・」

ぐるっと4つの石造りの浴槽を見て回る。楊貴妃の風呂は意外と小さく、カイドウの花をモチーフにしたデザインはかなりオシャレ。周りに腰掛けられるように2段になっている。ガイドの話では、そこに座ったときにちょうど肩まで湯に浸かる高さなのだそうだ。私達は浴槽を上から眺めているわけだが、周りの床の石に柱を立てた跡がへこんで残っている。玄宗皇帝の風呂はさすがに大きくてりっぱ。その残り湯が召使達の風呂に流れていく仕組みになっている。

華清池は西安には珍しく、切り立った山の麓にある。庭園には楊貴妃が演劇を鑑賞したと思われる大きな建物や、春の花の時期にはきっとここで宴会をしたのだろうと思われる亭子(あずまや)がある。人工の池は回りに龍の頭を配し、たぶんそこから水が流れ込むのだろう。池の傍に植えられている柳の新芽のベール越しに見える庭園はなんとも幻想的で、唐の時代にタイムスリップしたような気になる。私は庭の方をもっとゆっくりと見たかったのだが、ガイドに促されて駆け足で通り過ぎてしまった。

すぐ近くのレストランで11時40分から1時間かけて昼食。私達が到着したときは誰も客がいなかった。そんな状況でウエイトレスさん20人くらいがかたまって私達の食事風景を眺めているのは異様な光景だった。日本人専用レストランらしく、12時を過ぎると日本語を話す客がいっぱい入ってきて、ほとんど満員になった。

食事が終わる頃、この店のマスターが錫製の酒かん器を売りに来た。「この八角形の外観は当店が独自に開発したオリジナル商品でございます」「中は二重構造になっていて、外側に湯を入れるとお酒がいつまでも冷えません」「柔らかい錫製ですので、もし凹んでも、このように手で元通りです」と流暢な日本語で説明する。しかし、誰も買わない。

食堂を出ると隣の部屋には土産物がいっぱい置いてある。結構高いぞ。みんな何も買わない。レストランの駐車場の端では現地の物売りが露店で土産を売っている。レストランとの約束なのか、ある線からは出てこない。私達がそちらを向くと、「100円!100円!」とか「200円」とか一斉に叫び出す。他を向くと呼び声が止まる。またそっちを向くと一斉に叫び出す。なんだか遊んでいるような気になる。売っているのは毛筆セットや民芸品だった。私達がレストランの門の外に出ると、そこはフリーゾーンなのだろう、寄ってきて1000円札に両替してくれと言う。出発の時間になって私達が外で待っているのに、ガイドと運転手はなかなか出てこなかった。






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最終更新日  2002年01月18日 12時34分44秒
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