2002年09月01日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
※これは完全にフィクションであり、実際に存在する団体や組織とは一切関係がありません。

「今も、使ってはいけない農薬を使っている農家がいるんです」
Nが続ける。
「この問題を解決しないと、日本の農産物は安全だなんてとても言えません。実際に農家が使っている無登録農薬は、ダイホルタンとプリクトランです」

無登録農薬には2種類ある。外国で生産され使われているが、日本での登録・認証を受けていない農薬と、過去に日本で使われていたが、発ガン性などの問題が発見され登録を抹消された農薬だ。今回問題になったのは後者だった。

Nから提出された資料にはこう書かれてあった。

ダイホルタンは、かんきつ(そうか病、黒点病、他)、りんご(斑点落葉病、黒星病、他)、たまねぎ、もも、すいか、しろうり、メロン、かぼちゃ、まくわうり、きゅうり、トマト、ぶどう、いちご、茶、キャベツ、なし、ばれいしょに使われる殺菌剤で平成元年12月に登録が抹消された。その後平成8年9月に厚生省の食品衛生調査会で再評価がなされ、作物中に検出されてはいけないものとなった。その際「動物試験において発ガン性が認められており、無毒性量を評価しうるデータがないことから、ADI(一日摂取許容量)を取り消すことが適当である。」との評価がされた。

プリクトランは、りんご、なし、かんきつ、茶、カーネーション等のハダニ類を防除する農薬で、昭和62年12月に登録が抹消された。その後、平成6年6月に厚生省の食品衛生調査会で再評価の結果、作物中に検出されてはいけないものとなった。その際、「催奇形性に関して無毒性量が評価できなかったことから、ADI(一日摂取許容量)を取り消すことが適当である。」との評価がされた。

チーフが質問した。


「農薬会社が、それらの農薬をまだ製造しているからです。日本で使えなくても、使える国はいっぱいありますから・・・たとえば東南アジアや中国のような」
「それじゃ、輸出された農薬を逆輸入したということか?」
「それもあるでしょうし、日本で製造されていなくても台湾や韓国、フィリピンの工場では今も造られているんです」
「今の農薬取締法で、無登録農薬を販売した業者は処罰できるだろう?」
「はい、もちろんそうですが、問題はそれほど単純じゃないんです。無登録農薬を使っているのは主に専業農家だと思われます」
「・・・というと?」
Nが続ける。
「我が省は日本農業の中核となる担い手として専業農家を育成しようとしてきました。しかし、過度の合理化や、国際競争にさらされた結果、専業農家の中には違法と知りながら効果の高い登録期限切れの農薬を使う者がいるのです。その方が農薬の散布回数が少なくて済みますから。たとえ一つの業者を処罰しても、他の業者を探すことは簡単です。国内の業者がダメなら今の時代、インターネットを使って外国の業者でも探せます。なにしろ専業農家にしてみれば生活が懸かっているんですから・・・」
「なるほど・・・真剣に農業に取り組むあまり、正しい方向を見失ってしまったと言う訳か・・・それで、我々が取るべき対策は?あるのか?」

スタッフ全員が固唾を飲んでNの発言を待った。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2002年09月01日 12時00分44秒
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

鶴亀彰@ Re:50年前のビデオ(2)(08/08) 突然のメールで失礼致します。私はカリフ…

バックナンバー

2026年09月
2026年08月
2026年07月
2026年06月
2026年05月

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: