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かにゃかにゃバーバさん
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himekyonさんコメント新着
東京タワーの見える病室で最期の日々を過ごすボクとオカン。そのボクが幼少期から現在までを回想しながら、オカンを見送り、亡くなった後約束の東京タワーの展望台でオカンの位牌を抱き東京を見つめるまでを描く。オカンの一生を画くと同時にボクの半生も描く。
夫と生活を別にし、一人息子を高校、大学と進学させ、小料理屋を営みながら息子の大学の留年も許す母。息子にも知らせず甲状腺がんの手術を受けていた母。病気がちになり仕事をやめることになる。そして、息子の住む東京に旅立つ母。広い東京駅で息子の迎えを待つ母。一緒に住み7年後、スキルス胃がん発病。抗がん剤治療の効果も無く、つかの間の親子三人の病院での暮らし。最期は夫と息子に看取られ旅たつ。
一つ一つのシーンが胸を打つ。
子を産み、育てあげる親。子供は親元を巣立っていく。子供にとっての親の存在のありがたさ。親子の絆の深さ。親が旅立ってもずっと心の中に親は生き続ける。
自分も上京し暮らしてきた。実家を訪れたとき精一杯のもてなしをしてくれた父母。寒風の吹きすさぶ中車の姿が消えても見送ってくれていた父母。既に両親は他界しているが、時が過ぎるごとに両親が自分の中に存在していてくれることを思う。昭和から平成になり時代は過ぎていくが、自分が育った時代が妙に懐かしい。
今は仕事を休んでいるが、再びベッドサイドで仕事をするとき、一人ひとりの患者様には何十年の暮らしの歴史があり支えるかたがたが多いことも胸に刻み心優しい仕事ができたらいいと思う。
明日、図書館に行って原作をかりてきて、読もうと思う。図書館に行くのは数年ぶりだ。