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かにゃかにゃバーバさん
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himekyonさんコメント新着
Sさんは一人暮らし。数えで90歳。交通事故の後遺症があり、転倒し骨折したこともあり、外出はたまに病院にいく以外に全くしていない。慢性の頭痛と肩こり、食欲不振。笑顔を見たことがない。

週一回の訪問だが、訪問すると体の不調と頭痛、肩こりの辛さを訴え、挙句の果てはヘルパーさんや看護師の不手際を舌鋒鋭く批判する。ちょっといたたまれなくなる。
元看護師。整形外科のクリニックに長く勤めたという。「大先輩ですね。」と声かけると「結構はやっていたのよ」と。二人の子供を大学まで進学させ、長男がある団体の事務局長をしているのが自慢のよう。

訪問看護の内容については、「皆さんにお任せよ」といいながら、マッサージだけを希望されている。一時間の訪問看護では、血圧などを測ってから45分ほど痛みのある首や肩のマッサージをする。今日もご希望通りマッサージをする。
マッサージ後「楽になったわ」と仰るが笑顔はない。

ふとひらめいて「お花はすきですか?」と尋ねてみた。
「お花は好きよ。仏壇のお花は切らしたことがないの。」とSさん。
「お花見ます?」とコンデジの液晶画面で国バラから撮っていたお花の写真を見ていただく。
「きれいね。」といいながら、眼をキラキラさせながら画面を見つめる。
「ありがとう。」とも。

花の力は偉大だ。マッサージでも見せてくれなかった笑顔を、表情の輝きを、ちょっとした精神のきらめきを引き出してくれた。
24時間、365日。自宅で過ごす毎日。週に数回のお子さんやお孫さんの訪れを待つほかは痛みや凝りに耐える毎日。生活の中に華やぎがない。かってはバリバリと仕事をしていただろうと想像できるSさん。
お花が好きと聞いて、ちょっと扉が開かれた感じがした。
次の訪問のときは何枚かお花の写真を印刷して届けようと思う。お花を見ながら昔話も伺ってみようと思う。
アジサイの蕾がまた開いていた。

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