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2014年09月25日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 最古参の同僚が退職してからもう半年。
 この春も夏も、毎日毎日が忙しくあっという間に秋の彼岸も過ぎてしまう。
 常勤職員として働けるのもあと3年を切り、忙しいにもかかわらず毎日が充実して、利用者さんのお宅に伺うのが楽しくて楽しくて仕方がない。
 余暇を楽しむというより、毎日の仕事を楽しんでいるといった感じ。
 看護師になって35年目の秋を迎えて、やっと仕事の楽しさを噛みしめられるようになった。

 患者さんや家族、同僚の医師や看護職などと向き合うことができず、自分にたいする拘りもあったのだろうが、還暦を来年にした今、若かった時に苦しい思いばかりしてきたことが嘘みたいだ。30年も苦しんだ結果として、楽しめるようになってきたのかもしれないけれど。

 年齢から言えば、今更自費で研修に出かけたりして、何を学ぶの? などど言われる方もおられるのだが、経験を振り返れば振り返るほど、自分がいかに無知で無遠慮だったかを身にしみて思う。

 彼岸の中日の23日、老人健康福祉センターで介護職や看護職の相談や指導に携わっている理学療法士の「拘縮予防とポジショニング」のセミナーに参加。

 眼に鱗、といった言葉通りの衝撃の午後の3時間であった。書籍や動画で学んだ知識は、実践できないと何の意味ももたない。分からないことの恐怖で机での勉強ばかりしていて、ベッドサイドに行けなかった私。自分は何が分からなくて、何ができないのか。何なら自信を持って出来るのか。そんな基本的なことが全く整理できなくて、体を動かせなかったのかもしれない。



 「眼で見て覚える」ことがすごく苦手なのだと思う。

 少人数の実習形式で、直接指導者から具体的に教えていただき、五感という身体感覚を研ぎ澄ませて学ぶ経験が足りなかった??

 看護ケアは相手あってのお仕事なので、対象となる患者さんや利用者さんが果たして楽だと感じているのか、そのことを一つ一つ確認していくことをしなければ、ケアの技術は多分変化していきない。

 彼岸中日の研修は、そのことが非常に明確になった。言葉にできない方に対して、体の反射で不快を知ることができる。ケアをしている時間は、自分がすることに気をとられるのではなく、相手に感じていること考えることを知らなければ、ケアは遂げられない。

 件の理学療法士、「看護師は患者の安全、安楽を追及している」というのに、施設や病院で看護師のケアを受けている患者さんが入院や入所期間に廃用症候群が進行してしまうのはなぜでしょうか」「やさしくしたい、優しくしたいと言っているのに、ケアで表皮が剥離したり、爪切りをしながら出血させてしまうのは、相手の障害特性の理解が足りないのでは?」

 要するに優しい看護師になりたい、優しい看護師だ、と言い切るのに実際のケアを患者を苦しめているケアをしていることに気がつかないのですか、という厳しい問いかけなのです。

 午後の実習で学んだ6項目の技術。

 さっそく昨日と今日、説明しながら実技をして家族に本人の変化を観察、触覚で確かめていただく。

 無断で勝手にはできないので、研修を受けてきたことと実習で本当に体が楽になる経験を話してみると、みんなデモンストレーションをしたいという。午後伺ったお家で、息子さん二人はエンジニアなので物理や数学と得意でものづくりの職人さんなので、ケアをしながら説明していくとすぐに理解を示してくれた。今までのケアは何だったの??と言わんばかりに「今日の母は朝から体が緩かったけど」ですって。それに加えて「勉強をしてきたらすぐに試したくなるタイプ?」とも言われてしまった。

 ケアの初めにしたポジショニング効果か、ケア終了時まで丸めたバスタオルなどを外しても、全身の筋緊張は少なく体がユルユルしてたのです。
 リラックスするって、こんなにも体が楽になるんだなぁとしみじみ。



 頭で考えた通りに、身体が動けるようになるってとにかく楽しい。


 おまけ・・・。
 先週から整理して、本の断捨理を始めた、ふと勉強用のテーブルの下のボックスに2年前に発行されたこの講師の本が並んであった。ページをめくると、つい先一昨日聴いた内容。なーんだ、一度は眼を通したのに、その時はその内容の素晴らしさを理解できていなかったんだ。何かを分かるようになるには、やっぱり経験と知識の統合が必要だったんだ。

 この年になっても、患者さんから学ぶことは尽きず、ずっと昔に養護教諭の実習で「20年経験を積んでも良い授業ができたって思えるのはほんの片手にもならない」とおっしゃっていた教師がいたが、たった一つの仕事しかしていないのに満足できたって思える日がやってくるのだろうか。

 無限大の恐怖感におののいて、来る日も来る日も勉強し続けた日々より、今のほうがずっと自分の心や体にとってもましな時間になっているのだけれど。






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最終更新日  2014年09月26日 23時52分11秒
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