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2015年08月01日
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カテゴリ: 日々の仕事雑感
今の会社に就職したのは20代後半。

 そのころは、まだ訪問看護が医療保険の対象になっていなく、外来看護師が仕事中に気になる患者さんを自分の時間を利用して訪問して、具合が悪くなっているから主治医に往診してほしいとか、とても自宅で過ごせそうもないから入院して治療を受けたほうがいいとかお話ししたのが訪問看護の始まりで、往診の合間に訪問看護をして床ずれの処置とか退院して間もない患者さんが無事で過ごしているかなど安否確認をしていた。

 Zさんは30歳になったばかりで、ALSという難病と診断を受けて会社をしめざるを得なくなり、退職してしばらくしたら離婚して、次第に体の動きが悪くなって、階段昇降機を区と都の補助金で設置したり、呼吸困難になると入院して呼吸器を装着したり、体が不自由になるたびに新たな治療を受け入れて生活をされていた。

 訪問看護の職場から透析室、診療所と移動していったが、Zさんが様々な治療を受け入れて自宅で生活をしていることは風の便りで知っていた。ヘルパーさんたちやボランティアの方々の手助けでコンサートに行ったり、お花見に行ったり、紅葉狩りに行ったりすることも。

 どういうわけか、訪問看護の仕事に戻ってくると、Zさんは看護師に年齢制限の希望があって35歳以下ではないとダメとか、そんなわけで私はZさんの担当になることは無くここ7年過ぎてきた。

 たまたま、今週は担当の看護師が家の事情で休みをとらざるを得なくなり、やむを得ず私が担当することになった。定期訪問の担当になるときには、何回か先輩の看護師と同行訪問して、マニュアルに記載できない細かなことの指導を受けて、ご本人から一人でも訪問しても大丈夫というお墨付きをもらって、やっと訪問看護ができるようになる。

 今回はアテロームの切開手術後のガーゼ交換で毎日訪問看護の指示が出た。

 35歳未満ではないし、事前の技術指導も受けていないし、どうしたものかと心配であったけど、私の名前も声も覚えていてくださって、眼球の動きで文字盤を追い介護福祉士さんが読みとるというコミュニケーション手段をとっているのだけれど、「懐かしいです。相かわらず、お優しいですね」と言ってくださった。


 自分の20代のころがどんなだったかもう覚えていないけれど、そんな風に患者さんに受け止められて、久しぶりに看護師を続けていて良かったと思った。




 看護師の仕事は特別に派手でもなく、名もなき仕事のうちの一つになると思うが、それでも時には患者さんやその家族の方が顔を覚えていてくれて懐かしい出会いをすることがある。


 今年の東京は、梅雨明け以来暑い日が続いている。雲ひとつない青空とか、アスファルトから熱気がもうもうと顔に迫ってきたり、入道雲がモクモク湧いていたりとか、 アーァ、夏なんだなぁとしみじみと感じる。

 小学生の頃、夏休みにアスファルトの道路を歩いて学校のプールまで。帰りの道でアスファルトの道に陽炎みたいに空気が流れていた。泳ぎ疲れたからだと冷たいアイスキャンディーと入道雲。


 夏生まれのせいなのか、夏には桃とか李とか、冷えたキュウリやトマトとか。食べものの思い出が一杯で、夏は熱くても好き。もうアイスキャンディーを道路を歩きながら食べないけど、夕方のビールはとてつもなく美味しい。


 Zさんの25年、私の25年。


 それぞれがそれぞれの境遇で、一生懸命に生きてきたのだと思う。





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最終更新日  2015年08月01日 20時02分16秒
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