素直にスキと言いたい (過去の経験から



10代の終わりから20代のはじめ頃のこと

好きになった人がいた。
その人もあたしのことを好きだと言ってくれていた。

でもたった2回のドライブに出かけただけで、
付き合うことにはならなかった。
そのとき印象がわるかったわけでもないし、
あいかわらずいい人だなぁ・・と思ったにもかかわらず
その後の誘いにも曖昧な答えしかしなくて、
いつのまにかその人はあたしから距離を置くようになった。

友人としては仲良かったけれどそれだけ。

2年くらいして卒業を目の前にしたある日
小さなメモをふと渡された。

   かわらず笑顔でいてください
   笑っている顔が一番好きでした。

・・そのとき気がついた。
その人はずっとあたしのことを想ってくれていた。


どうしてその人の気持ちをちゃんと大切にしてあげなかったんだろう。
思い出してみると、友人になってからも
さりげないところで、あたしを気遣ってくれていた。

そのいくつもの瞬間が思い出されて
なんてことをしてしまったんだろう・・と後悔してしまった。

どんなに悔やんでももう間に合わない後悔。


数年の間、その人に対する感情が未消化のまま
ぐずぐずとココロの中で泡立っているような気がした。


それからあと、いろんな人を好きになって、
何人かの人と付き合って
そして、結婚もしたけど

どこか感情を押し込めてしまっていて、
素直に 好き と想えなくて・・表現できなくて・・
いままで生きてきた。

たしかに好きだという感情がそこにあっても
自ら距離を置いて、その感情のなかに100%の自分を
投じることができなかった。

蒼は好きな人がいるとわかりやすい。
といわれた事がある。
いいなぁ。と想う人がいると、すぐに顔にでるらしい。

でも、いいなぁ・・と想った瞬間から「けど、いいや・・」
という感情が始まっている。
熱しやすくて、冷めやすい・・のかな?

だれかから「○○さんのこと好きでしょ?」
と言われたときには正直、もう終わっている。

感情を伝える暇もない。


だから他人から「仲いいですよね~」といわれても
ココロの中では、

 そうでもないのよ・・と冷めた自分がずっといた。


常にそうだった。
どこか打算的なあたし。
誰にも気づかれないけど、ずっとずっとそうだった。


本当は、冷めている自分のことは好きじゃない。
毎日新しく湧いてくるキモチは熱いほうがいい。

素直に毎日 「スキよ」 と言える人になりたい。








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