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ベルギー(四歳)の雑記部屋
秋葉の秘密!(後編)
4
そして次の日の朝食。
「紅葉狩り・・ですか?」
目をパチクリと秋葉。
「そう紅葉。急な話だけどちょうどシーズンだろ?皆でどうかなって思ってさ」
「確かにシーズンはシーズンですけど」
「だろ?何でも琥珀さんが凄くいい所を見つけたらしいんだ」
「・・・琥珀が?」
秋葉の目が疑わしげに細められる。
「何か裏があるんじゃないでしょうね兄さん」
「な、う、裏ってなんだよ秋葉。そんなものある分けないじゃないか、ねぇ琥珀さん」
「そうですよ~秋葉様。たまには皆で旅行というのもいいじゃないですか」
「・・まぁ、それは」
毒気のない琥珀さんに秋葉が言いよどむ。
つまりそれは旅行と言う提案に揺らいでいるという事で。
・・・いけるかもしれない。
当たり前の話だが何だかんだ厳しい事を言っていても秋葉だって楽しいことが嫌いなわけじゃないのだ。
「ダメか?」
考えるそぶりを見せる秋葉に畳み掛けるようにして尋ねる。
秋葉はしばらく間を置いて、
「・・・・分かりました。旅行もたまには悪くないでしょう。琥珀、準備を頼むわよ」
と腕を組みながら首を縦に振った。
おぉぉ!
ミッション成功!
後ろでキャーー!やりましたー!とガッツポーズをとる琥珀さん。
いやー意外に言ってみるもんだ!
だけど
――――だけどここまですんなり事が通るというのもなんかおかしくないか?
例えば何か後ろめたいことがあるから、その代償行為として旅行の提案をのんだとか。
一度もたげた疑惑という奴は中々消すことができない。
ここは一つ。
モヤモヤとした秋葉への疑惑を晴らすためにも今回の旅行で秋葉の秘密が何なのか、秋葉の口から直に聞きださなくては――
「とか、張り切っちゃてたんだけどなぁ」
日は変わって旅行当日。
背中には琥珀さんお手製の料理を満載した重箱やら水筒やら敷物。
およそピクニックに必要と思われるもの一式を取り揃えたリュックサックの感触。
天気は快晴そのもの、遠く広がる青空の上にはちょうどいい日差し加減の実に機嫌のいい太陽。
まさしく小春日和というやつだった。
まさに紅葉にもってこいの日和。
だというのに俺は大きなため息をついていた。
『兄さん、少しお話があるのですが』
そんな風に切り出した秋葉の表情は硬くどこか変だった。
ぎこちないと言うか、なにか言い出しにくいことでも切り出そうとするかのように。
『実は先日、話した旅行の件なのですが』
あ、嫌な予感。
『そ、その、急によんどころのない用事が入ってしまいましてその・・』
まさか・・
『今回は私は不参加という事で』
『よんどころのない用事って・・・遠野の家関係の事か?』
『い、いえ、そういう分けではなくて何と言うか私自身の個人的な問題と言うか、そもそも丸一日、屋敷を離れるという事は・・じゃなくて、いや考えてみれば最初から賛成などしなければ良かったのですがその時は気が付かなくて・・その、でも決して行きたくない分けではないのですが、そちらの用事を外すわけにもいかなくて』
言ってることが支離滅裂な上に要領を得ない。
しどろもどろになりながら伏目がちにこちらの様子を伺ってくる秋葉はいつでも物をはっきりと言い、決して気遅れなどしない秋葉とは到底かけ離れていた。
『ですので旅行の方は兄さん達だけでいって来て下さい』
もちろん『そもそも秋葉の秘密を聞き出すための旅行だったから秋葉が行かないなら意味がないから止めとくよ』などとも言える分けもなくかといって、その身全身から分けありオーラを出している秋葉を前に『じゃぁ止めにして日をずらそうか』といえるような雰囲気でもなく。
「うわ~、凄いですよ志貴さん!翡翠ちゃん!見てください紅葉ですよ!イチョウですよ!綺麗ですね~!」
遠野家から駅まで向かい、電車で移動する事、2~3時間。
さらにそこから琥珀さんの案内に従い歩く事30分ほど。
俺たちは見事な紅葉を目の前にしていた。
もみじやイチョウといった秋になると色づく木々が茂る広場。
俺たちと同じく紅葉目当ての人たちもまだらにいるが、さすが琥珀さんが穴場と言うだけあって混みすぎず寂しすぎずという感じ。
「赤いですね~、黄色いですね~、綺麗ですね~!」
当初の目的はどこへやら、無邪気にはしゃぐ琥珀さんの声を聞きながらため息を一つ。
結局、秋葉抜きで目的地まで行ってしまったという自爆っぷり。
本末転倒と言うか何というか。
「志貴様、顔色が優れませんが」
グダグダと考え込む俺を翡翠が心配そうな目で覗き込んできた。
うー今頃、秋葉なにしてるんだろう。
「急な用事って仰ってましたけど実は男を連れ込んでたり~♪」
表情から考えている事を呼んだのか口元に嫌らしい笑みを作りながら琥珀さん。
「こ、琥珀さん!悪い冗談は止めてくださいよ!」
「冗談だったらいいんですけどね~♪」
「う・・」
秋葉に男・・・
ありえない、そんなことありえるはずが・・・・・・
「琥珀さん、翡翠ゴメン!俺ちょっと用事が出来た!二人で少しの間、楽しんでて!」
「ちょ、志貴さん?!」
唖然とする二人をよそに俺は全力で屋敷へと走っていった。
5
息を切らしながら帰り着いた屋敷は案の定、静かだった。
人の気配が感じられない。
それは当然の事のはず。
なぜなら今、この屋敷には自分以外誰もいないはずだからだ。
「今日は・・・がいないので・・・あなたと・・・・わ」
――――――――なのに
なんで秋葉の声が聞こえてくるんだ?
所々、聞き取れなかったが間違えるはずもない確かに秋葉の声
屋敷の中ではなく外から。
中庭?
いや、それよりも
『あなた』ってダレダ?
何だか頭がもやもやする。
上手く思考できない。
胸が動悸する。
一つ、二つ。
出きるだけ物音を立てないように中庭まで移動。
中庭に近づくにつれ秋葉の声がはっきりと聞こえてくるようになる。
そして秋葉以外の何者かの気配も。
気づけばズボンのポケットの中を確認していた。
冷たいだが頼もしい感触。
って、俺は何を考えてるんだ物騒な!
「こ、こら!や、止めなさい!そ、そんな所を舐め・・・キャッ、く、くすぐったい、や、止めなさい!」
舐める?
プチ
何かが切れるような音。
何かはわからない。
途端、視界がクリアになり世界が本当の姿を曝す。
線だらけのツギハギノ世界。
・ ・あれ、俺いつのまに眼鏡を外したんだ??
そして右手の冷たい感触に驚く。
あれ、俺いつのまにナイフを・・
あ、あはは、ば、馬鹿だな俺、冷静になれ。
俺は何を考えてるんだ?
このまま中庭に飛び込んでナニヲスルキダ?
「あっ!や、止めなさい!く、はぁっ!、ちょ、こら!いい加減にしないと、あぅっ!そ、そこは駄目です!?」
ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!
そこってどこじゃああああああああああああ!!!
「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」
一挙動で短刀の鞘を外し中庭に躍り出る!
「し、しき!こら!やめなさい!」
え、しき、って・・
「にゃぁ」
え、にゃぁ?
ちょっと冷静になって今の状況を考えてみる。
俺は眼鏡を外し右手に抜き身のナイフを持ったと言うとんでもなく物騒な状態で
そこには猫と戯れる秋葉がいたりして
「に、兄さん?!」
「なんてベタベタなーーーーー!!」
俺は叫びと共に石になった。
5
「つまり、猫を拾ってきてしまったのはいいんだけど、前に琥珀さんが猫を飼いたいと言ったときに駄目と一蹴した手前、言い出せなかったと」
あれから秋葉が状況を飲み込み、俺の石化が直るくらいには落ち着いた後。
秋葉はついに『秘密』を語ってくれた。
一ヶ月前、学校の帰り。
もらってくださいと殴り書きで書かれた段ボール箱の中でにゃぁにゃぁ鳴いているのを見つけたらしい。
何日もそのまま放置されていたようでそのときの衰弱の具合はひどい物だったと言う。
しかしそれだけであれば可哀想とは思い何がしかの処置をすることはあっても家まで連れて帰ることもなかったのだろうが。
「な、何となく兄さんに似てるなぁと思ったらほおっておけなくて」
顔を赤くしながら秋葉
俺に似てる?
言われて改めて猫を観察してみる
グレーの毛並みが綺麗な子猫。
俺が見ていることに気づくと、なんだなんだ?と言う風に首をきょとんと傾げるしぐさを見せる。
「にゃぁ?」
俺に似ているかどうかはよく解からないが・・・
ともかく、そんな理由があり内緒で中庭で飼っていたらしいのだが。
それがここしばらくの不審な挙動の理由だったというわけだ。
さらに今回の旅行を断ったのは紅葉を見に行く事が決まった次の日から急に猫が風邪をひいてしまい面倒を見なければならなくなった、と言う次第らしい。
「でも、なんでそこまで、かたくなに内緒にしてたんだ?確かに一度、駄目だって言った手前、言い出しにくいのは解かるけど」
「いえ、その、そもそも琥珀が言い出した時だって私は賛成してもよかったのですが・・・特に琥珀が言い出したという所にきな臭いものを感じて」
『うっふふふふ~!さぁ猫さん覚悟はいいですか~♪』
う、何故か注射器を片手に満面の笑みの琥珀さんが脳裏をよぎる。
た、確かにきな臭い。
そして琥珀さんならやりかねない。
「それにうちには翡翠もいますし」
「にゃぁ?」
秋葉はいいにくそうに子猫に目をやる。
ポイズンコック翡翠。
・・・ま、まぁ、翡翠の料理を子猫が食べたらタダじゃすまないな
「それに・・・」
「まだ何かあるのか?」
「その、えーとですね・・」
「そういえばさっきこの猫のこと「しき」って呼んでなかったか?」
「っつ・・・」
つまり俺に似ていると思った猫に「しき」という名前をつけてしまってそれを俺に知られたくないと思ったから俺にも内緒にしてたって事なのか?
秋葉は何も言わずに俯いている。
顔は相変わらず真っ赤。
か、可愛いじゃないか!
あー、何だろうすごい勢いで目じりが下がっていく。
「まったく!」
気恥ずかしさも手伝いちょっと荒っぽい言い方になってしまったが・・
「そういうことなら話は早い。二人で内緒で飼っちゃおう!」
細かい事はききっこなし!
「え・・いいんですか?」
「いいも何も。そもそもお前が飼いたいって言うのに誰の許可もいらないだろ。でもまぁ事情が事情だから琥珀さん達にはいい出せないだろうし。だから二人で。何か不服か?」
ぱぁ!っと秋葉の顔が輝く。
ああ、いつもこんな顔してればいいのに。
「これから大変だぞ~。琥珀さんの目をかいくぐりながら尚且、翡翠にもばれないようにしなきゃならないんだからな」
「はい!」
・・まぁ琥珀さん辺りにはもうばれてるような気もするけど。
でも何というか秋葉と二人だけの秘密ってやつを共有する事がこんなにも嬉しくて楽しくて。
ここ数日、秋葉の事を疑っていた自分が馬鹿らしくて。
「あ」
ふと、今気づいた、というように秋葉が声を漏らす。
「どうした秋葉?」」
「でも良かったのですか?」
「何が?」
「え、その せっかくの紅葉狩りを蹴って帰ってきてしまって」
そういえば琥珀さんたちを置き去りにしたまま帰ってきちゃったんだっけ。
「いや、その・・」
そもそも秋葉の秘密を聞き出すための旅行だったからお前がいなきゃ意味がないとかいえないしなぁ。
そこでふと琥珀さんに言われた事を思い出す
『たまには甘い殺し文句でも言わないと乙女のハートは・・・』
・・甘い台詞か・・
「別に構わないさ。その・・・・なんだ」
大きく深呼吸して口にする。
「紅葉よりも、お前の方が綺麗だから」
「な・・・・・ななな・・・!!」
言いよどむ秋葉の顔は間違いなく紅葉よりも真っ赤で、そしてものすごく綺麗だった。
END
オマケ
「まったく志貴さんったら見ててもどかしいんですから~」
場面は変わって志貴に取り残された琥珀と翡翠。
シートを広げて作ってきたお弁当などを広げて紅葉を楽しむ二人。
「姉さん、実は最初からこれを狙ってたのですか?」
「うふふ~、それは秘密です♪ま!でもたまには姉妹水入らずでのんびりするのもいいじゃない!ね?翡翠ちゃん」
「それもそうですが。・・・・・ところで姉さん」
「どーしたの翡翠ちゃん」
「実は私、デザートを作ってきたんですが」
「え・・」
ピシ!
と言う音ともに誇張でも何でもなく琥珀の顔が凍る。
「お弁当作りを姉さんばかりに任せてしまって申し訳ないと思って」
「あ、あはははーそ、そんな気にしないでよかったのに」
「志貴様にも食べていただきたかったのですが」
といってどこからともなく風呂敷づつみを取り出す翡翠。
そして顔に
わたし今、ドキドキするほど大ピンチです
と書いて固まる琥珀。
包みから出てきたのはプラスティックの入れ物に入れられた黄色の固形物。
「えーとプリンですか?」
「はい」
見た目はセーフ
琥珀は思いをめぐらせる
プリン
あれはプリンだ。
大丈夫
プリン
プリン
「せっかくだから姉さん食べてください」
黄色、大丈夫、普通のプリン、
黄色、ブツブツ、苦い匂い・・・
黒いブツブツ?苦い匂い?
「あ、あのこのほのかに香る苦い匂いと黒いブツブツは・・」
「あぁそれはですね」
もちろんチョコチップとかじゃないんだろうなぁ、などと絶望的な面持ちで琥珀
「正露丸です」
もはや食材ですらないのか!?
「先日、志貴様に私の料理試作品20号を食べていただいたのですが」
あんた食わせたのかと言う思いと共に翡翠の言葉を待つ琥珀
そして喰ったのか志貴
「そのあと三日ほど運悪く食べあわせが悪かったのか志貴様、お腹を壊されたようでしたのでその安全策にと思いまして」
だからと言って、ラッパのマークは無いと思う
「あ、何だか急にお腹が痛くなったような?」
「でしたら是非」
墓穴!
しまったぁぁぁ!
琥珀は必死に二の句を考え・・
「あ、何ていうかもうお腹一杯で」
「嘘だっ!」
ざわ!
と言う音ともに辺りの音が途絶える。
先ほどまで聞こえていたはずの鳥ののどかな鳴き声や紅葉を見に来た人のざわめきさえも。
誰?この子?翡翠ちゃんじゃない!
まるで翡翠の中に何者かが入って自分と話しているようだ。
「あ、あの翡翠ちゃん?」
「姉さんは“転校”したくありませんよね?・・・よね?」
なぜだか、ひぐらしのなく声が聞こえるような気がした。
この後、何だか色々あって結局、秋葉の分、志貴の分までおかわりさせられた琥珀は奇跡的に一週間で立ち直ったというがこれはまた別の話し。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・・・・」
「・・・おいしい」
END
しょうがないのでBBSにでも感想を書いてやる
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